伸ばしたこの手を掴むのは〜愛されない俺は番の道具〜

にゃーつ

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柊の本家でみんな揃って新年の挨拶をした。こんな風なお正月は生まれて初めてですごくソワソワしている自分をみんなにバレないように必死になった。

だって、こんな豪華なお節料理テレビでしか見たことない!!

なんかおっきいエビみたいなのがいて、お節料理なのにローストビーフとか色々あってキラキラしてるんだ。お節料理って子供にあんまり人気ないイメージだったのに優がすごく楽しみにしていたからちょっとだけ不思議に思ってたんだ。俺も子供の時ワクワクするようなものではないって思ってたし。

これならそりゃ楽しみにするよ・・・

すごいもん・・・

「楓君どうしたの?好きなの取りな?」

「あ、理玖さん・・その、こんな豪華なお節料理初めてでどれを食べていいのやらって感じです。」

「ふはっ、どれ食べてもいいのにっ!ほら優、ママの分も取ってあげなよ。優が取ったらママ喜ぶよ?」

「うん!!そうする!!ママの分は俺が全部とる!!」

そう言って優がいろんな種類を少しずつ取ってくれた。まだまだ食べる量は多くはないから少しずつ取ってくれたのはかなりありがたいや。

おっきいエビの一部分を優が取ってくれたので口にしてみると、

「ん!!このエビおいしい!!」

これまで食べたエビの中で1番美味しかった。

「それはね、伊勢海老っていうんだよ。」

伊勢海老・・・それってめちゃくちゃ高いやつだよね!?それがお節料理に入ってるんだ・・・やっぱすごいこの家。

「・・ぅぁぁあああん」

あ、陽介が起きちゃったかな?着いた時には寝ていたからそっとしてたんだけど起きたら誰もいなくて不安で泣いちゃったかな。

部屋に行くとすぐに

「んまぁぁ、まっ!!」

「ごめんな。1人で怖かったな~。」

そう言って抱っこしてやるとすぐに泣き止んでくれた。陽介はまだ幼いこともあってもうすっかり俺をママだと認識してくれたみたいで、まだ一緒には暮らしていないが夜ママ、ママと泣く日もあるそうだ。最近は陽介や日和がうちに泊まりに来る頻度もかなり増えた。4月の年度が変わるタイミングで一緒に暮らすのがもう決まっているのでそれが楽しみだ。

それまでに優を嫌なほどに甘やかすっていうのも俺の中で決めている。

「陽介落ち着いた?」

「理玖さん、、はい。もう大丈夫みたいです。」

「そうか、良かった。陽介も優に似てママっ子だな~。俺が帰ってきたら俺のこと忘れてたりしてな~。」

あ。今、聞いてもいいのかな・・・

「り、理玖さんっ!」

「ん?どうしたの?」

「あの、俺、、その、理玖さんがオーストラリアに行くの、その・・・俺といるのがダメだからってどういうことなんですか?その、聞いちゃって。俺、迷惑かけちゃってましたよね?俺っ、理玖さんにすごい感謝してて、、、その、上手く言えないんですけど・・・嫌われちゃってたのかなって思って。」

「嫌ってるなんて!そんなことないよっ!逆だっ!!・・・ぁっ、、、」

逆?逆って何?嫌いじゃない?

「嫌いじゃないってことですか?でも俺のそばにいちゃダメなんですか?」

「・・・楓君、俺は君のことが好きなんだよ。」

「ぇ・・・っ!?」

理玖さんが、、俺のこと好き?

理玖さんの顔を見るとほんのりと頬が赤くなっていて今言われた言葉の意味を物語っているその表情に俺もその意味を分からざるを得なかった。

「毎日どんどん気持ちが大きくなっちゃってね。でも、俺は兄さんの弟だ。君を好きになっちゃいけない人間なんだよ・・・兄さんの分も俺は君に償いをしていくって決めたからね。だから、今回のオーストリアはこの大きくなり続ける気持ちから逃げるために行くんだ。弱くてごめんね。」

「そんな、、俺、柊さんの弟だからって理玖さんのこと悪く思ってなんかいないですよ・・・」

「ありがとう。そう言ってくれるだけで嬉しいよ。でも、俺は君への気持ちから逃げようとしてる弱い人間だ。こんな男やめておいたほうがいい。だから、今言ったことは忘れて?もちろん、今後も君たちのサポートはどれだけでもするから。・・・さ、戻ろう。」

有無を言わせない雰囲気で、俺は陽介を抱っこしたままリビングへと戻った。俺の頭の中はぐるぐるだ。

優と日和とゲームをしながらもさっき理玖さんに言われたことが頭から離れない。

学生時代はあんなにも恋愛に縁がなかったのに、この歳になってからというか最近になってそういうことが増えてきていて、はや君のことも理玖さんのことも考えて頭がいっぱいだった。

俺はどうすればいいんだろう。



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