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初日 れおんside
しおりを挟む今日1日休みを取ったけれど、特にすることもなく。少し仕事をしようかとも思ったけれど心配で心配でそれどころではなくて、帰ってくる4時半まで何度時計を見たかもわからない。
周には言ってないが彼の小学校や中学校での生活は調べてある。周が教師に助けを求めたことがあることも調べがついている。もちろん、助けてくれることはなかったということも。
学校というものにあまりいい思い出がなく、これまでの人の関わりというものが良い関わりではなかった周が学校に行って辛くなってしまわないかが心配でたまらない。
初日は普通午前で終わるのだが、エリート校であるが故に初日からがっつり授業が行われる。
周の頭の良さでは学校の授業は余裕だと思う。だからこそ、心配は人間関係なんだ。
---ガチャ
「ただいま~」
玄関が開く音が聞こえたのですぐに玄関へ向かう。
「お、おかえり!!どうだった?大丈夫だった?辛い思いしなかった?それから、」
「れおん落ち着いて。楽しかったよ。それにね、友達ができた!!」
「ほ、本当?すごいじゃないか!よかったな!あ、ごめん。玄関で、さ、向こうに行こう?学校の話を聞かせてくれ。」
よかった。辛い顔をして帰ってきたらどうしよう、泣いて帰ってきたらどうしようってそう思っていたけれど、そんなことなかった。
楽しかったと言っていた。本当によかった。
聞くと、クラスのカーストは今日1日で大体把握したみたいだ。スクールカーストか、アメリカでも多少あったが、日本もそうなんだな。しかも周のいる学園は財閥の御曹司や令嬢も多いし、全ての性別が混合だ。そう言ったものも影響しているだろう。
「友達になってって自分から言えたんだ。そしたらさ、当たり前だって、僕はもうすでに友達だと思ってたよって言ってくれた。すごい優しい子でさ、仲良くなれそうだった。」
「よかったね。クラスにもう1人いるΩの子は?話せた?」
「ううん。どの子か分からなかったんだ。ネックガードが見えないようにしている子もいるだろうし、もうすでに番がいる子だったらしてないだろうし。同じ特待生の子も誰なのか分からないし聞けなかった。」
「そっか。俺は、周が楽しければそれでいいからさ、特待生でいなきゃってあまり思いすぎないでね?それがストレスになる方が俺は辛いから。」
「うん。ありがとう。でも僕、勉強も頑張るよ。」
「そうだね。特待生だけに来る推薦もあるみたいだから、周の夢のためにも勉強のレベルを上げておくことは大切だと思う。分からないことがあったら俺に聞きな?ね?」
「うん!ありがとうれおん!」
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