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一歩

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「あ、そういえば!テスト結果見せたら彼氏さん喜んでた?」

「う、うん。喜んでくれた、、それに、褒めてくれた。」

「わぁ~、よかったね!!周くん彼氏さんのこと大好きだもんね!!」

なんか、友達にそうやって言われると恥ずかしいな、、、。

「また明日から小テストも始まるしさ!また勉強教えてよ!!周くんすんごい頭いいし」

「ぼ、僕でよければ!!!」

「テスト満点だったんだから自信持ちなよ!!!本当にすごいことなんだよ?僕、初等部からここにいるけど聞いたことないもん!!」

「そ、そうなのかな、、」

「そうだよ!!それに、優しいし、僕、周くんと友達になれたことが嬉しい。同じΩの友達、いないからさ。」

「ぼ、僕だって、翔くんが初めての友達!!嬉しい!!」

「じゃあ、僕たち初めて同士だね。」

「うん!」

れおんと泰生さんみたいに何年たっても仲良くいられるような、そんな友達でいたい。



その日の授業はテストの返却が主で、解説もあったのだが討論するようにみんなが食い気味に質問するからその勢いに少しビクッとしてしまった。

みんな、必死なんだ。休憩時間でさえも勉強している子がクラスの半分くらいいる。

「これ、学年末らへんになるとすごいよ?ピリピリしまくってて。成績発表が終業式の日なんだけど、Aクラス落ちが決まった子はもうね、言い表せないくらい沈んじゃうんだ。」

と翔くんが言っていた。
こんな中で初等部からいるなんて凄すぎる。僕なら途中で怖くなって受験のタイミングで他の学校行くこと考えちゃいそう。

実際、受験のタイミングで辞める子も少なくはないみたいだ。だから、高等部に残っている子たちはより競争心が磨かれた子ばかり。

それが歪んでしまってあんなことに繋がるのかな。今日一日中見ていたけれど、君とさんに暴言を吐く人はいなかった。昨日のあの数分間だけのことなんだ。

この間みたいに2人と仲良さそうに話している人はほとんどいないけど、これも数日中には戻るんだって。

そこに余計、恐怖を感じてしまった。

「暴言吐いてる人と吐いてない人いたでしょ?あれね、上位の人は暴言吐くんだよ。」

どういうことかと聞くと、上位2/3ぐらいに入った人は暴言を吐くが、最下位に近い下位の人は吐かないそうだ。
なんでかと聞くと、よく分からない。これまでもずっとそうだった。
上位に入ったら、悪口を言いに行かなければ自分がいじめられるかもって思いはある。と言っていた。

そんなの、やっぱりおかしいよ。

「こういうの、辞めさせたいんだ。どうしたらいいかな。」

「・・・周くん、かなり難しいことだと思う。」



「でも、僕もそう思う。僕も、最下位取ったことあるから、、、。」
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