【完結】全てが嫌いな不憫Ωの少年が初恋相手のスパダリαに愛される?ふざけんなお前のことなんか大っ嫌いだ!

にゃーつ

文字の大きさ
120 / 189
6

手作り

しおりを挟む

「これ、食べていいの?」

「もちろん。れおんのために作ったんだしね。まだ少し熱あるのに、病人食とかじゃないけどれおんのために練習したからどうしても食べてほしくて。」

「・・・俺に作ってもらう資格なんてないのに。」

その言葉にイラッとしてれおんの頬を掴む。

「そんなこと言わないで。僕が僕のために好きな人に作ったんだ。だから食べないなら怒る。」

「・・・食べたいよ、食べたいに決まってるじゃん。本当は、昨日食べるはずだったのに、、、。」

「・・・昨日の分も食べて?無理はしない程度にね。ほら、あーん」

また泣き出してしまったれおんの口にミートローフを運ぶと少し震えながらも口を開けてくれて、食べてくれた。
その瞬間が嬉しくて嬉しくてたまらなくて、何度も何度も想像して光景とは少し違うけれどそれでもれおんが嬉しそうに食べている姿を見たかったからこの瞬間だけで十分だった。

れおんに1日でも早く前みたいな笑顔が戻りますように。

「美味しい、、っ、、ありがとぅ、、」

「れおん、1日遅れたけど誕生日おめでとう。生まれてきてくれてありがとう、僕と出会ってくれてありがとう、僕を幸せにしてくれてありがとう。僕、毎日幸せが更新されてるんだよ、今この瞬間が1番幸せ!」

「っ、、ほんとに?俺、周のこと幸せに、、できてるの?こんなに、だめなのに、、っぅ、、」

「もう!そんなに泣かないで!僕が幸せだって言ってるじゃん!!大好きな人と過ごしてて幸せじゃないわけないでしょ!!」

だってもう、昨日のことを悲しく思う気持ちや悔しくてたまらなかった気持ち、怒っていた気持ちよりも今この瞬間が幸せだっていう気持ちの方が大きいんだもん。

これは、れおんのおかげだ。

だから今度は僕がれおんを今の悲しみや後悔や恐怖から幸せに変えてあげたいって心からそう思う。

「はい、もう一口!あーん!」

「ん、、おいしい、ありがとうっ」

「れおん?これからは僕が毎日ご飯作るね。毎日れおんへの愛情込めてご飯作るから、だからもう泣かないで?」

「いいの?こんな俺に毎日ご飯作ってくれるの?俺毎日幸せもらえるの?」

「こんな俺って言わないで!僕の大好きな人を否定しないで。僕、この世で1番大切なのは自分じゃなくてれおんなんだ。だかられおんが幸せなら僕も幸せ!!大好き!!」

ぎゅーっと抱きつくとれおんもぎゅーって抱きしめてくれた。
これからは毎日僕かられおんへたくさん愛を伝えるんだ。

れおんの熱が下がったのは日曜の昼間だった。まだ薬が残ってるかもしれないから安静にしていて欲しいのにれおんは僕について回った。

少しずつよくはなっていくだろうけど、まだ外に出られないみたいだ。
買い物に一緒に行くと言っても玄関から一歩が踏み出せないようだった。

週が変わって月曜となった今日も、僕を見送りに玄関までは来てくれたがそこから先へは行けなさそうで

「ここでいいよ?無理しないで。いってくるね!」

そう言って閉めた扉から見えたれおんの顔は今にも泣き出しそうだった。
しおりを挟む
感想 44

あなたにおすすめの小説

あなたと過ごせた日々は幸せでした

蒸しケーキ
BL
結婚から五年後、幸せな日々を過ごしていたシューン・トアは、突然義父に「息子と別れてやってくれ」と冷酷に告げられる。そんな言葉にシューンは、何一つ言い返せず、飲み込むしかなかった。そして、夫であるアインス・キールに離婚を切り出すが、アインスがそう簡単にシューンを手離す訳もなく......。

陰キャな俺、人気者の幼馴染に溺愛されてます。

陽七 葵
BL
 主人公である佐倉 晴翔(さくら はると)は、顔がコンプレックスで、何をやらせてもダメダメな高校二年生。前髪で顔を隠し、目立たず平穏な高校ライフを望んでいる。  しかし、そんな晴翔の平穏な生活を脅かすのはこの男。幼馴染の葉山 蓮(はやま れん)。  蓮は、イケメンな上に人当たりも良く、勉強、スポーツ何でも出来る学校一の人気者。蓮と一緒にいれば、自ずと目立つ。  だから、晴翔は学校では極力蓮に近付きたくないのだが、避けているはずの蓮が晴翔にベッタリ構ってくる。  そして、ひょんなことから『恋人のフリ』を始める二人。  そこから物語は始まるのだが——。  実はこの二人、最初から両想いだったのにそれを拗らせまくり。蓮に新たな恋敵も現れ、蓮の執着心は過剰なモノへと変わっていく。  素直になれない主人公と人気者な幼馴染の恋の物語。どうぞお楽しみ下さい♪

流れる星、どうかお願い

ハル
BL
羽水 結弦(うすい ゆずる) オメガで高校中退の彼は国内の財閥の一つ、羽水本家の次男、羽水要と番になって約8年 高層マンションに住み、気兼ねなくスーパーで買い物をして好きな料理を食べられる。同じ性の人からすれば恵まれた生活をしている彼 そんな彼が夜、空を眺めて流れ星に祈る願いはただ一つ ”要が幸せになりますように” オメガバースの世界を舞台にしたアルファ×オメガ 王道な関係の二人が織りなすラブストーリーをお楽しみに! 一応、更新していきますが、修正が入ることは多いので ちょっと読みづらくなったら申し訳ないですが お付き合いください!

【完結】愛されたかった僕の人生

Kanade
BL
✯オメガバース 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。 今日も《夫》は帰らない。 《夫》には僕以外の『番』がいる。 ねぇ、どうしてなの? 一目惚れだって言ったじゃない。 愛してるって言ってくれたじゃないか。 ねぇ、僕はもう要らないの…? 独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。

バイト先に元カレがいるんだが、どうすりゃいい?

cheeery
BL
サークルに一人暮らしと、完璧なキャンパスライフが始まった俺……広瀬 陽(ひろせ あき) ひとつ問題があるとすれば金欠であるということだけ。 「そうだ、バイトをしよう!」 一人暮らしをしている近くのカフェでバイトをすることが決まり、初めてのバイトの日。 教育係として現れたのは……なんと高二の冬に俺を振った元カレ、三上 隼人(みかみ はやと)だった! なんで元カレがここにいるんだよ! 俺の気持ちを弄んでフッた最低な元カレだったのに……。 「あんまり隙見せない方がいいよ。遠慮なくつけこむから」 「ねぇ、今どっちにドキドキしてる?」 なんか、俺……ずっと心臓が落ち着かねぇ! もう一度期待したら、また傷つく? あの時、俺たちが別れた本当の理由は──? 「そろそろ我慢の限界かも」

異世界から戻ったら再会した幼馴染から溺愛される話〜君の想いが届くまで〜

一優璃 /Ninomae Yuuri
BL
異世界での記憶を胸に、元の世界へ戻った真白。 けれど、彼を待っていたのは あの日とはまるで違う姿の幼馴染・朔(さく)だった。 「よかった。真白……ずっと待ってた」 ――なんで僕をいじめていた奴が、こんなに泣いているんだ? 失われた時間。 言葉にできなかった想い。 不器用にすれ違ってきたふたりの心が、再び重なり始める。 「真白が生きてるなら、それだけでいい」 異世界で強くなった真白と、不器用に愛を抱えた朔の物語。 ※第二章…異世界での成長編 ※第三章…真白と朔、再会と恋の物語

胎児の頃から執着されていたらしい

夜鳥すぱり
BL
好きでも嫌いでもない幼馴染みの鉄堅(てっけん)は、葉月(はづき)と結婚してツガイになりたいらしい。しかし、どうしても鉄堅のねばつくような想いを受け入れられない葉月は、しつこく求愛してくる鉄堅から逃げる事にした。オメガバース執着です。 ◆完結済みです。いつもながら読んで下さった皆様に感謝です。 ◆表紙絵を、花々緒さんが描いて下さいました(*^^*)。葉月を常に守りたい一途な鉄堅と、ひたすら逃げたい意地っぱりな葉月。

隣国のΩに婚約破棄をされたので、お望み通り侵略して差し上げよう。

下井理佐
BL
救いなし。序盤で受けが死にます。 文章がおかしな所があったので修正しました。 大国の第一王子・αのジスランは、小国の王子・Ωのルシエルと幼い頃から許嫁の関係だった。 ただの政略結婚の相手であるとルシエルに興味を持たないジスランであったが、婚約発表の社交界前夜、ルシエルから婚約破棄をするから受け入れてほしいと言われる。 理由を聞くジスランであったが、ルシエルはただ、 「必ず僕の国を滅ぼして」 それだけ言い、去っていった。 社交界当日、ルシエルは約束通り婚約破棄を皆の前で宣言する。

処理中です...