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手作り
しおりを挟む「これ、食べていいの?」
「もちろん。れおんのために作ったんだしね。まだ少し熱あるのに、病人食とかじゃないけどれおんのために練習したからどうしても食べてほしくて。」
「・・・俺に作ってもらう資格なんてないのに。」
その言葉にイラッとしてれおんの頬を掴む。
「そんなこと言わないで。僕が僕のために好きな人に作ったんだ。だから食べないなら怒る。」
「・・・食べたいよ、食べたいに決まってるじゃん。本当は、昨日食べるはずだったのに、、、。」
「・・・昨日の分も食べて?無理はしない程度にね。ほら、あーん」
また泣き出してしまったれおんの口にミートローフを運ぶと少し震えながらも口を開けてくれて、食べてくれた。
その瞬間が嬉しくて嬉しくてたまらなくて、何度も何度も想像して光景とは少し違うけれどそれでもれおんが嬉しそうに食べている姿を見たかったからこの瞬間だけで十分だった。
れおんに1日でも早く前みたいな笑顔が戻りますように。
「美味しい、、っ、、ありがとぅ、、」
「れおん、1日遅れたけど誕生日おめでとう。生まれてきてくれてありがとう、僕と出会ってくれてありがとう、僕を幸せにしてくれてありがとう。僕、毎日幸せが更新されてるんだよ、今この瞬間が1番幸せ!」
「っ、、ほんとに?俺、周のこと幸せに、、できてるの?こんなに、だめなのに、、っぅ、、」
「もう!そんなに泣かないで!僕が幸せだって言ってるじゃん!!大好きな人と過ごしてて幸せじゃないわけないでしょ!!」
だってもう、昨日のことを悲しく思う気持ちや悔しくてたまらなかった気持ち、怒っていた気持ちよりも今この瞬間が幸せだっていう気持ちの方が大きいんだもん。
これは、れおんのおかげだ。
だから今度は僕がれおんを今の悲しみや後悔や恐怖から幸せに変えてあげたいって心からそう思う。
「はい、もう一口!あーん!」
「ん、、おいしい、ありがとうっ」
「れおん?これからは僕が毎日ご飯作るね。毎日れおんへの愛情込めてご飯作るから、だからもう泣かないで?」
「いいの?こんな俺に毎日ご飯作ってくれるの?俺毎日幸せもらえるの?」
「こんな俺って言わないで!僕の大好きな人を否定しないで。僕、この世で1番大切なのは自分じゃなくてれおんなんだ。だかられおんが幸せなら僕も幸せ!!大好き!!」
ぎゅーっと抱きつくとれおんもぎゅーって抱きしめてくれた。
これからは毎日僕かられおんへたくさん愛を伝えるんだ。
れおんの熱が下がったのは日曜の昼間だった。まだ薬が残ってるかもしれないから安静にしていて欲しいのにれおんは僕について回った。
少しずつよくはなっていくだろうけど、まだ外に出られないみたいだ。
買い物に一緒に行くと言っても玄関から一歩が踏み出せないようだった。
週が変わって月曜となった今日も、僕を見送りに玄関までは来てくれたがそこから先へは行けなさそうで
「ここでいいよ?無理しないで。いってくるね!」
そう言って閉めた扉から見えたれおんの顔は今にも泣き出しそうだった。
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