ロリコンの珍事情

tattsu君

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14話 決意

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 観戦がくぐもって聞こえる選手待合室には怜とリリスの2人がいた。
一回戦を終えて次の試合までには時間があったが、観戦する気にもなれず、ずっとここに篭っていた。

「あのアルバートってやつ、恩恵者のレベルとしてはまぁまぁって感じだけど戦い慣れをしてる強者だったはずよ。それをあっさり倒しちゃうって事はやっぱりあなたは強いのよ怜!」

 いつものような口調で話そうとするリリスだが、興奮を隠しきれず今の調子でずっと1人で話し続けていた。
 しかし、怜はそんなリリスに耳を傾ける事もなくずっと椅子に座り俯いていた。
リリスも流石の怜の様子に心配そうな顔をして黙る。少しでも元気づけようとしていたのだが意味はなかったらしい。

「…アルバートを傷付けた事を気にしてるの?」

 そう静かに問うリリスの言葉に僅かに肩を揺らす怜。それを見て小さく嘆息するリリス。

「やっぱりね…。でも、確かに怪我を負わせたけどあの時、能力を使ってなかったらあなたが死んでたわ。この祭りでは死者が出る事自体珍しくないの。その中で殺さずに試合を終わらせただけでもあなたは立派なのよ」

 そのリリスの言葉は怜にとって納得する事が出来るものではなかった。
楽しむためにある祭。魔界が魔界となった事を祝う祭で死者が出る行事を行う事が理解出来なかった。

「皆を守る力を得るためにこの戦いに勝とうと思ったけど、俺の力で犠牲になる人が出るなんて…。俺には、俺には…!」

ばちん!

狭い部屋に頬を打つ音が響き木霊する。その音を静かに聞く2人。やがて木霊していた音も消え静寂が訪れる。
怜はずっと俯いていた。だから、リリスの目に浮かぶ涙を見ることはなかった。

「…人を守るには悪を倒す。それは当たり前の事。あなたに正義があるように、悪には悪なりの正義がある。でもね、人を守るって決めたなら、その悪がもつ正義を否定する必要があるのよ…!人を守るには少なからず犠牲が出るの!あなたの言ってる事は子供の我儘と一緒よ!!」

 そう言って部屋を飛び出すリリス。
部屋には痛いくらいの沈黙が訪れる。
わかっていた。自分が言ってる事が都合の良いものだということを。
 ただ怖かったのだ。今までは誰かを守ろうとして咄嗟に手を出していたが今回は違う。誰かを守る為でない。
 しかし、戦う理由はしっかりとあった。リリスも、契約破棄を嫌がっている。その理由まではわからない。でも、俺を怒鳴ったあの時の声は震えていて悲しそうだった。きっと泣いていたのだろう…。
 普段、素っ気なく当たってたリリスだが、最近本当に少しは素直になってくれたと思う。そんなリリスを俺は好ましく思っていた。確かに面倒に思ったり迷惑だって感じる事もあった。いや、ほとんどは迷惑なわけだが…。
 それでも、リリスがいて嫌に感じることはなかった…。リリスと過ごす生活が俺の日常になっていた…。

だったら、俺は…。

やることはきまってるじゃねーか!!

 
 決意を固め、部屋を出る怜であった。
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