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23話 本戦前夜
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予選を終えた怜たちはサキュに案内されるがままに城の客間に来ていた。
本戦突入を決めた怜は本来、疲れを明日に残さないために体を休ませたいはずなのだが、今の怜はリリスの前で正座をし、それをリリスは腕を組みながら見下ろし、その傍でサキュはニコニコしながら黙って佇んでいる。
「…もう一回きくわよ?私とアルクがデートするように仕向けると約束したから勝たせてもらった。間違いはある?」
「…間違いありません。。。」
「もし嫌だって言ったら?」
「その上でまたデートをアルクとしてやるようにお願いします。。。」
「それも断ったら?」
「さらにお願いをします。。。」
リリスは大きくため息を吐く。
許してくれリリス!この男同士の約束だけは破るわけにはいかないんだ…!!!
そう。俺はリリスにアルクとの試合が八百長であったことを一瞬で看破され、理由を問いただされた。俺は正直に白状し、あの時の男同士の誓いを破ることなくリリスにアルクとのデートの申し立てをしたのだ。
「アルクもアルクだけどあんたもあんたよね…。あんな土壇場でよくそんな考えが思いついたものね。」
「男として好きな子との約束した日ほど尊くて重要なものはない!だから、デートがなくなったアルクをほっといておけなかったんだ!!」
「本音は?」
「本能的に勝てないと思ったことからの咄嗟の思いつきです。」
ごめん。アルク。本音はまじであんたが怖かったのと、話して根本的なところでは馬鹿だと思ったからなんだ。許してくれ。
「リリちゃんも認めてあげたらどうです?」
口を突然割って来たサキュにリリスは少し驚く。
「お姉さま?え、なんで?」
「怜さんも悪気があったわけでもないようですし、こうして義理を立てようとしてるのも立派なことだと思います。それに、これでデートを断ればアルク様が何をするかもわからないですよ?」
「うっ、そうかもだけど…」
「それに一度はアルク様とデートを行く予定があったのだから心底嫌というわけでもないのでしょう?」
「うぅぅ、わかったわよ!行けばいいんでしょ!行けば!!」
「おぉぉまじかぁ!!!ありがとうリリス!ありがとうサキュ!!!」
男同士の誓いを見事に果たせ喜ぶ俺に対して「礼には及びませんよ」と変わらずニコニコしてるサキュと「別に…」そう言ってブスッとそっぽを向くリリス。しかし、すぐに俺に向き直りビシッ!と指を指す。
「その代わりちゃんと本戦も勝ち残りなさいよ!情けない負け方してお父様に認められなくなったりしたら承知しないからね!」
怒ったような挑戦を投げかけるようなそんな顔をして俺の目を見て話すリリスの頭を俺はワシャワシャと乱暴に撫でる。
「当たり前じゃねーか!ここまで来たら優勝めざしてやんよ!!」
「…ひひひ!そーこなくっちゃ!」
そう言って笑い合う2人。
その光景を見て普段閉じている目を開けて見守るサキュ。
(怜さんと出会って変わりましたね。リリちゃんは笑ってる方がやはり可愛くていいです。)
そう思いながら自然な笑顔を向けるサキュだった。
コンコン。
そんな微笑ましい空間を妨げるように突然ドアをノックする音が響く。
「私が出ます。」
いつの間にかいつもの鉄壁笑顔に戻ったサキュはドアの前まで行き扉を開ける。
「あ、どうもこんばんわ!こんな時間にすみません。明日の本戦参加者の大庭怜さんがここにいると聞いて来たのですが。」
「あはい!俺ならここにいますけど」
突然自分の名前を呼ばれ、その場で名乗りをあげる。
「いらっしゃいましたか!良かったです!明日の初戦組み合わせが決定したのでご報告に上がりました」
そう言って彼は部屋の中にいる怜の前まで行き「それがこちらになります」と手紙を渡すと「それでは明日の本戦、ご武運をお祈りします!失礼しました!」とそそくさと去ってしまった。
「ほら怜!早く中身を確認しましょ!」
そう言って楽しそうに急かすリリス。
「あぁもうわかったって」
手紙を開封し中にあった紙を開く。そこにはトーナメント表が書かれておりズラーっと本戦参加者の名前が並んでいた。
えっと、大庭…大庭…大庭…、あ、あった。
「初戦相手は衛藤守…。守!?」
「なんですって!?」
「あらあら。」
三者三様な驚き方をする三人。
おいおいまじかよ!!いきなり大会で大注目をあげてるやつとかよ!?
今大会のスーパールーキーの人間。大庭礼と衛藤守の2人がいきなり初戦で当たる。それにはなにかしらの思惑があるのかもしくはたまたまの偶然なのか。真相はわかるらない。本戦初戦。早くも嫌な予感を感じる怜であった。
本戦突入を決めた怜は本来、疲れを明日に残さないために体を休ませたいはずなのだが、今の怜はリリスの前で正座をし、それをリリスは腕を組みながら見下ろし、その傍でサキュはニコニコしながら黙って佇んでいる。
「…もう一回きくわよ?私とアルクがデートするように仕向けると約束したから勝たせてもらった。間違いはある?」
「…間違いありません。。。」
「もし嫌だって言ったら?」
「その上でまたデートをアルクとしてやるようにお願いします。。。」
「それも断ったら?」
「さらにお願いをします。。。」
リリスは大きくため息を吐く。
許してくれリリス!この男同士の約束だけは破るわけにはいかないんだ…!!!
そう。俺はリリスにアルクとの試合が八百長であったことを一瞬で看破され、理由を問いただされた。俺は正直に白状し、あの時の男同士の誓いを破ることなくリリスにアルクとのデートの申し立てをしたのだ。
「アルクもアルクだけどあんたもあんたよね…。あんな土壇場でよくそんな考えが思いついたものね。」
「男として好きな子との約束した日ほど尊くて重要なものはない!だから、デートがなくなったアルクをほっといておけなかったんだ!!」
「本音は?」
「本能的に勝てないと思ったことからの咄嗟の思いつきです。」
ごめん。アルク。本音はまじであんたが怖かったのと、話して根本的なところでは馬鹿だと思ったからなんだ。許してくれ。
「リリちゃんも認めてあげたらどうです?」
口を突然割って来たサキュにリリスは少し驚く。
「お姉さま?え、なんで?」
「怜さんも悪気があったわけでもないようですし、こうして義理を立てようとしてるのも立派なことだと思います。それに、これでデートを断ればアルク様が何をするかもわからないですよ?」
「うっ、そうかもだけど…」
「それに一度はアルク様とデートを行く予定があったのだから心底嫌というわけでもないのでしょう?」
「うぅぅ、わかったわよ!行けばいいんでしょ!行けば!!」
「おぉぉまじかぁ!!!ありがとうリリス!ありがとうサキュ!!!」
男同士の誓いを見事に果たせ喜ぶ俺に対して「礼には及びませんよ」と変わらずニコニコしてるサキュと「別に…」そう言ってブスッとそっぽを向くリリス。しかし、すぐに俺に向き直りビシッ!と指を指す。
「その代わりちゃんと本戦も勝ち残りなさいよ!情けない負け方してお父様に認められなくなったりしたら承知しないからね!」
怒ったような挑戦を投げかけるようなそんな顔をして俺の目を見て話すリリスの頭を俺はワシャワシャと乱暴に撫でる。
「当たり前じゃねーか!ここまで来たら優勝めざしてやんよ!!」
「…ひひひ!そーこなくっちゃ!」
そう言って笑い合う2人。
その光景を見て普段閉じている目を開けて見守るサキュ。
(怜さんと出会って変わりましたね。リリちゃんは笑ってる方がやはり可愛くていいです。)
そう思いながら自然な笑顔を向けるサキュだった。
コンコン。
そんな微笑ましい空間を妨げるように突然ドアをノックする音が響く。
「私が出ます。」
いつの間にかいつもの鉄壁笑顔に戻ったサキュはドアの前まで行き扉を開ける。
「あ、どうもこんばんわ!こんな時間にすみません。明日の本戦参加者の大庭怜さんがここにいると聞いて来たのですが。」
「あはい!俺ならここにいますけど」
突然自分の名前を呼ばれ、その場で名乗りをあげる。
「いらっしゃいましたか!良かったです!明日の初戦組み合わせが決定したのでご報告に上がりました」
そう言って彼は部屋の中にいる怜の前まで行き「それがこちらになります」と手紙を渡すと「それでは明日の本戦、ご武運をお祈りします!失礼しました!」とそそくさと去ってしまった。
「ほら怜!早く中身を確認しましょ!」
そう言って楽しそうに急かすリリス。
「あぁもうわかったって」
手紙を開封し中にあった紙を開く。そこにはトーナメント表が書かれておりズラーっと本戦参加者の名前が並んでいた。
えっと、大庭…大庭…大庭…、あ、あった。
「初戦相手は衛藤守…。守!?」
「なんですって!?」
「あらあら。」
三者三様な驚き方をする三人。
おいおいまじかよ!!いきなり大会で大注目をあげてるやつとかよ!?
今大会のスーパールーキーの人間。大庭礼と衛藤守の2人がいきなり初戦で当たる。それにはなにかしらの思惑があるのかもしくはたまたまの偶然なのか。真相はわかるらない。本戦初戦。早くも嫌な予感を感じる怜であった。
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