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赤く光るクイーン
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ネイサンは 部屋の中を行ったり来たりしながら、頭を悩ませていた。 クロエの頼みを受け入れたが、それしかないのかと、まだ迷っていた。
クロエに気づかれないように、殺人未遂なり、双子石使用罪なりで、捕まえることは出来る。
しかし、確かな証拠がない。
色々と手を尽くしたが、見つからなかった。 状況証拠だけでは有罪
を確定できないかもしれない。
証拠不十分で、無罪にでもなってしまったら クロエたちに恨まれかねない 。もしかしたら、逆恨みした伯母が、クロエたちを襲うかもしれない。そうなったら最悪だ。その場面を想像しただけで血の気が引く。
「はぁ~、やっぱりクロエが一緒じゃないと駄目か……」
どう考えても一人では無理だ。
伯爵に言ったとしても無駄だろう。下手したら追い出される。
ここに、ジェームズが居れば、その伝で 何人も人を雇えたのに。
ジェームズは元親衛隊第1隊長。どんなタイプの人間でも見つけられる。伝書鳥で 助っ人を送れってくれと頼みたいところだが、今は一人で忙しくしているのに、これ以上負担をかけられない。
何度考えても全てが、クロエの味方をしている。
「はぁ~」
仕方ない。約束は約束だ。
抜かりのないように計画を練り直すしかない。諦め半分 覚悟半分で、あーでもない、こーでもないと色々と書き直しを繰り返していた。そんな時チェス盤のクイーン
が赤く光った。
(動いた!)
馬車がこちらに向かってきている。見るまに第三次ボーダーラインを通過した。こうしてはいられない。急いで部屋を出てた。
*****
部屋に入ると、眠っているクロエの枕元に跪く。
「クロエ……。クロエ」
人が気持ちよく 眠っているのに、耳元で誰かが名前を呼んでいる。(まだ眠いのに……)
さっき ベッドに入ったばかりだ。
「クロエ……。クロエ」
その声を無視して、もう少し眠ろうとしたが、その声がネイサンだと 気づいてガバッと起き上がる。
夜中にネイサンが訊ねて来る理由は一つしかない。伯母が動き出したんだ。一気に目が覚めた。
(その時が来たんだ)
何時かこの日が来ると分かっていた。分かっていたけど……。
やっぱりと言う気持ちと、信じたくないと言う気持ちの狭間で揺れていた。その願い事が、打ち砕けれた瞬間だ。
ショックで、ぐらりと体が揺れる。それをパッと腕を掴まれて引き戻された。視線の先には月明かり照らされたネイサンの顔がある。
「………」
「………」
何も言わず、表情一つ変えない顔で私を見ている。
私を気遣う素振りも無い。
その冷静な態度にゾクリとした。
怖さを感じる。
それだけの事がこれから待ち構えているんだ。
「伯母さんが動いた」
「………」
これだけネイサンがお膳立てしてくれているのに、犯人だと知って
いるのに、自分から手伝うと言ったくせに、それで迷う自分がいる。私が伯母を捕まえるのは正義
なのかと、最後の最後で 狼狽えている。そんな気持ちを悟られたく無くて俯くと自分の手を見つめる。
両親を傷つけたくない。犯人を捕まえたい。母様の命を守りたい。そして、その理由を知りたい。
このままにした方が両親の為なのか、全て曝け出すのか、どちらが良いのか分からない。
ネイサンが私の手をそっと握る。見上げると温かな笑みを浮かべている。
「今からでも 止めても良いんだぞ」
「 ……… 」
その甘い言葉に頷けば、布団に潜ってる その間に全てが終わる。
でも、その甘い言葉は毒だ。 一度でもその甘さを味わえば、 辛い時に逃げてしまう。
自分の中に色んな 感情が渦巻いていてどうしようもない。だけど、ネイサンの頭は犯人を捕まえる事に集中している。止まっては いられない。私も感情に囚われていては駄目だ。
「クロエ。先の事は後で考えれば良い。今は伯母さんを止めないと」
ネイサンが手を差し出す。クロエは その手をしっかりと握り締めた。ネイサンの言う通り、今するべき事は伯母を捕まえることだ。ベッドを降りて母の部屋に向かう。
運命の夜の幕が開く。
***
母様の部屋のドアを開けようとノブに手を掛けると、ネイサンが手を重ねる。
「本当に良いのか?」
念押しして来るネイサンに向かってニッコリと笑いかける。それでも、ネイサンが言葉を重ねる。
「その……戦いとかには、ならないと思うが……」
ここにきてネイサンの方の覚悟が出来て無い。迷うネイサンに大丈夫だと頷く。すると、ネイサンも小さく頷き返した。
今日で決着がつく。
覚悟を決めてドアを開ける。 ベッドには、既に等身大の人形を置いてあった。顔もの本物そっくりに作られている。
ネイサンが魔法石を人形の左脇下に置く。すると、胸が上下しだした。次に、首の下に魔法石を置く
と今度は呼吸しているみたいに、鼻から風が出入りする。どんな仕組みか知らないが、素晴らしい。これでパッと見は分からない。
(これなら 人間だと思うはず)
ネイサンが布団を引き上げて直すと、ポンポンと叩く。
これで準備は完了。
いよいよかと思うと、バクバクと心臓が早鐘のように打ち付ける。
今にも泣き出したいくらい緊張している。意識して呼吸しているとネイサンが ポンと私の肩に手を置く。
「いつ来るか分からないんだから、今から緊張しなくていい」
「分かっています」
長丁場になるかもしれないと言う事は最初から知っている。
家を出たからといって真っ直ぐここに来るとは限らない。
それでも、どうにもならない。
来るなら人気のない夜中だろう。いや、もしかしたら、裏を掻いて早朝かも知れない。性格がひねくれているから…… 裏の裏?
私が色々と考えている間に、ネイサンが幻影で椅子を作った。
「クロエ」
名前を呼ばれその手をとる。
机の中にネイサンと並んで座る。
後は伯母が来るのを待つだけ。
何かする訳では無い。ただ待つだけだ。1秒が1時間ぐらいに思える。沈黙の時間。静寂が これ程恐ろしいとは思わなかった。
「 ……… 」
「 ……… 」
針が落ちても聞こえそうなほどの静寂。自分の息づかいさえ大きく聞こえる。静かにしよう。音を出さないようにしよう。そう考えれば考える程息が詰まる。
まだ始まってもいないのに、息苦しくて、パニックになりそうになる。こんな状態では伯母が来るまでもたない。そんな私を見てネイサンが 私の頭に手を置く。
「ゆっくり数を数えれば
落ち着く」
コクリと頷くと、ネイサンの手が離れる。行かないでと、その手を掴みたくなる。それを必死に我慢した。掴んでしまえば、その手を離せなくなる。
ネイサンのアドバイスを信じて数を数える。
(一、二、三……四。一、二、三……三。……一……)
だけど、他の事を考えてしまって、何処まで数えたか忘れてしまう。やり直して最初から数える。 それを繰り返している。
伯母が来ると分かっているのに、ただ待つしかない。緊張がずっと続いて神経が焼き切れる。今にも
大声をだしそうになる。
それを耐えられるのは、母を護れるのが私しかいないと言う使命感を持ち続けられるからだ。
それと、ネイサンが隣に居るからだ。これ程強い味方は居ない。
(大丈夫。待てる)
カチャ。
ハッとして身を強張らせる。
ドアノブを回す小さな音なのに、今夜は爆発するくらいの音のように大きく聞こえる。
クロエに気づかれないように、殺人未遂なり、双子石使用罪なりで、捕まえることは出来る。
しかし、確かな証拠がない。
色々と手を尽くしたが、見つからなかった。 状況証拠だけでは有罪
を確定できないかもしれない。
証拠不十分で、無罪にでもなってしまったら クロエたちに恨まれかねない 。もしかしたら、逆恨みした伯母が、クロエたちを襲うかもしれない。そうなったら最悪だ。その場面を想像しただけで血の気が引く。
「はぁ~、やっぱりクロエが一緒じゃないと駄目か……」
どう考えても一人では無理だ。
伯爵に言ったとしても無駄だろう。下手したら追い出される。
ここに、ジェームズが居れば、その伝で 何人も人を雇えたのに。
ジェームズは元親衛隊第1隊長。どんなタイプの人間でも見つけられる。伝書鳥で 助っ人を送れってくれと頼みたいところだが、今は一人で忙しくしているのに、これ以上負担をかけられない。
何度考えても全てが、クロエの味方をしている。
「はぁ~」
仕方ない。約束は約束だ。
抜かりのないように計画を練り直すしかない。諦め半分 覚悟半分で、あーでもない、こーでもないと色々と書き直しを繰り返していた。そんな時チェス盤のクイーン
が赤く光った。
(動いた!)
馬車がこちらに向かってきている。見るまに第三次ボーダーラインを通過した。こうしてはいられない。急いで部屋を出てた。
*****
部屋に入ると、眠っているクロエの枕元に跪く。
「クロエ……。クロエ」
人が気持ちよく 眠っているのに、耳元で誰かが名前を呼んでいる。(まだ眠いのに……)
さっき ベッドに入ったばかりだ。
「クロエ……。クロエ」
その声を無視して、もう少し眠ろうとしたが、その声がネイサンだと 気づいてガバッと起き上がる。
夜中にネイサンが訊ねて来る理由は一つしかない。伯母が動き出したんだ。一気に目が覚めた。
(その時が来たんだ)
何時かこの日が来ると分かっていた。分かっていたけど……。
やっぱりと言う気持ちと、信じたくないと言う気持ちの狭間で揺れていた。その願い事が、打ち砕けれた瞬間だ。
ショックで、ぐらりと体が揺れる。それをパッと腕を掴まれて引き戻された。視線の先には月明かり照らされたネイサンの顔がある。
「………」
「………」
何も言わず、表情一つ変えない顔で私を見ている。
私を気遣う素振りも無い。
その冷静な態度にゾクリとした。
怖さを感じる。
それだけの事がこれから待ち構えているんだ。
「伯母さんが動いた」
「………」
これだけネイサンがお膳立てしてくれているのに、犯人だと知って
いるのに、自分から手伝うと言ったくせに、それで迷う自分がいる。私が伯母を捕まえるのは正義
なのかと、最後の最後で 狼狽えている。そんな気持ちを悟られたく無くて俯くと自分の手を見つめる。
両親を傷つけたくない。犯人を捕まえたい。母様の命を守りたい。そして、その理由を知りたい。
このままにした方が両親の為なのか、全て曝け出すのか、どちらが良いのか分からない。
ネイサンが私の手をそっと握る。見上げると温かな笑みを浮かべている。
「今からでも 止めても良いんだぞ」
「 ……… 」
その甘い言葉に頷けば、布団に潜ってる その間に全てが終わる。
でも、その甘い言葉は毒だ。 一度でもその甘さを味わえば、 辛い時に逃げてしまう。
自分の中に色んな 感情が渦巻いていてどうしようもない。だけど、ネイサンの頭は犯人を捕まえる事に集中している。止まっては いられない。私も感情に囚われていては駄目だ。
「クロエ。先の事は後で考えれば良い。今は伯母さんを止めないと」
ネイサンが手を差し出す。クロエは その手をしっかりと握り締めた。ネイサンの言う通り、今するべき事は伯母を捕まえることだ。ベッドを降りて母の部屋に向かう。
運命の夜の幕が開く。
***
母様の部屋のドアを開けようとノブに手を掛けると、ネイサンが手を重ねる。
「本当に良いのか?」
念押しして来るネイサンに向かってニッコリと笑いかける。それでも、ネイサンが言葉を重ねる。
「その……戦いとかには、ならないと思うが……」
ここにきてネイサンの方の覚悟が出来て無い。迷うネイサンに大丈夫だと頷く。すると、ネイサンも小さく頷き返した。
今日で決着がつく。
覚悟を決めてドアを開ける。 ベッドには、既に等身大の人形を置いてあった。顔もの本物そっくりに作られている。
ネイサンが魔法石を人形の左脇下に置く。すると、胸が上下しだした。次に、首の下に魔法石を置く
と今度は呼吸しているみたいに、鼻から風が出入りする。どんな仕組みか知らないが、素晴らしい。これでパッと見は分からない。
(これなら 人間だと思うはず)
ネイサンが布団を引き上げて直すと、ポンポンと叩く。
これで準備は完了。
いよいよかと思うと、バクバクと心臓が早鐘のように打ち付ける。
今にも泣き出したいくらい緊張している。意識して呼吸しているとネイサンが ポンと私の肩に手を置く。
「いつ来るか分からないんだから、今から緊張しなくていい」
「分かっています」
長丁場になるかもしれないと言う事は最初から知っている。
家を出たからといって真っ直ぐここに来るとは限らない。
それでも、どうにもならない。
来るなら人気のない夜中だろう。いや、もしかしたら、裏を掻いて早朝かも知れない。性格がひねくれているから…… 裏の裏?
私が色々と考えている間に、ネイサンが幻影で椅子を作った。
「クロエ」
名前を呼ばれその手をとる。
机の中にネイサンと並んで座る。
後は伯母が来るのを待つだけ。
何かする訳では無い。ただ待つだけだ。1秒が1時間ぐらいに思える。沈黙の時間。静寂が これ程恐ろしいとは思わなかった。
「 ……… 」
「 ……… 」
針が落ちても聞こえそうなほどの静寂。自分の息づかいさえ大きく聞こえる。静かにしよう。音を出さないようにしよう。そう考えれば考える程息が詰まる。
まだ始まってもいないのに、息苦しくて、パニックになりそうになる。こんな状態では伯母が来るまでもたない。そんな私を見てネイサンが 私の頭に手を置く。
「ゆっくり数を数えれば
落ち着く」
コクリと頷くと、ネイサンの手が離れる。行かないでと、その手を掴みたくなる。それを必死に我慢した。掴んでしまえば、その手を離せなくなる。
ネイサンのアドバイスを信じて数を数える。
(一、二、三……四。一、二、三……三。……一……)
だけど、他の事を考えてしまって、何処まで数えたか忘れてしまう。やり直して最初から数える。 それを繰り返している。
伯母が来ると分かっているのに、ただ待つしかない。緊張がずっと続いて神経が焼き切れる。今にも
大声をだしそうになる。
それを耐えられるのは、母を護れるのが私しかいないと言う使命感を持ち続けられるからだ。
それと、ネイサンが隣に居るからだ。これ程強い味方は居ない。
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