相談内容 月に向かって祈ったら、悪魔が召喚されました。どうしたらいいでしよう?

あべ鈴峰

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16 ジェニーの願い

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ミリアはジェニーに あげたペンダントをエリザベスが狙っていると言うダリルの言葉に、ジェニーが居そうな場所へ一緒に向かった。
そこで、無事ペンダントを回収できた。そう思っていたのに突然 現れた
エリザベスに行く手を遮られ部屋から出られないでいた。

「ソレハ ワタシノ モノダ!」
目の焦点も合っていないし。何より機械仕掛けの口調が、恐怖を3倍増しにする。
動きも普通じゃない。人間の私たちでは太刀打ちできない。ジェニーを庇いながら、隙を突いて逃げようとエリザベスの出方を待つ。
「ダカラ カエセ!」
そう言うとエリザベスが、ジェニー目掛けて飛びかかる。 
(大変!)
助けようと二人の間に割って入ろうとしたが、 弾き飛ばされた。したたか床に体を打ち付ける。
「痛っ!」
あまりの痛みに目を閉じる。
(そうだ。ジェニー)
 ハッとして目を開けるとにエリザベスがジェニーに馬乗りになって、揉み合っている。

「駄目よ。これは」
「ワタセ!ワタセ!……ワタセー!」
慌てて駆け寄ると エリザベスを引き剥がそうと腕をつかむ。
「ジェニー 、大丈夫?」
「ミッ、ミリア」
「 待ってて、今すぐ何とかするわ」
「ジェニーから降りなさい」
エリザベスの手を引き剥がそうとするが、どこにそんな力があるのか、びくともしない。普段のエリザベスからは想像もつかないほどの怪力だ。
「降りなさいって言ってるでしょ!」
 腕を叩いたりしたが、全然歯が立たない。よく見ると血の涙を流しているのか、目が真っ赤だ。
どんどん人間離れしてきた形相になっていく。 
(こうなったら)
 エリザベスの腕は足で蹴りつける。
それなのに、手を放さない。

「ワタセ!ワタセ!コレハ ワタシノモノダ!」
「駄目よ。あなたには渡さないわ」
その間も 揉み合っている。ジェニーが、何時まで持つか心配だ。
(何とかしないと……)
 ミリアは エリザベスのその骨ばった腰に両腕を巻きつけて、渾身の力で後ろに引っ張る。それでも駄目だ。
こんな時男性が居れば。
そうだ。ダリルはどこ?
辺りを見回すが姿がない。
一緒に、ここまで来たのに何で助けないのよ!
(まったく、肝心なときに居ないんだから)

「自分のがあるでしょ」
 必死に抵抗しながらジェニーがエリザベスのペンダントを 顎でしゃくる。 
すると、 急にエリザベスが争うのを止めて悲しそうな顔になる。
大事そうに、ペンダントを 服から取り出して、てのひらに置くと、愛おしそうに頬ずりする。
「これはもう駄目なの 」
「だっ、だったら、買えばいいじゃないの」
「だから 新しい物が欲しいの」
真っ黒に染まっている宝石を見て、ダリルの言葉が頭をよぎる。このままでは 悪魔が魂を回収しに 来る。
もし悪魔が来てもダリルが倒してくれると思うけど、万が一がある。
持ち主を間違えられたらジェニーが危ない。
早くしないと、時間が無い。

ミリアは、ペンダントに気を取られている隙を突いて 横からエリザベス押し倒すと ジェニーを助け起こす。
「ジェニー大丈夫え?」
「それより早く、ここから出ましよ」
「そうね」
 手に手を取って逃げようとしたが 突然のエリザベスの怒鳴り声に振り向いてしまった。
「ウッテ クレナイノヨ!」
 目が合った瞬間 蛇に睨まれた蛙のようになってしまう。 
 逃げなくてはだめだと 思っても指一本動かせない。なんとか、ミリアはジェニーの横に並ぶとそっと耳打ちする。
「ジェニー、ペンダントを返して」
「うっ、うん」
手渡されたペンダントポケットに、しまう。これで、ジェニーは大丈夫。心配ない。

「ウッテ クレナイナラ ウバエバ イイノヨ。ソウデショ?」
 エリザベスが獲物をいたぶる様な 冷酷な笑みを浮かべて近づいてくる。
不味い。このままだと悪魔に殺される前に、エリザベスに殺される。
ジェニーも 同じように怯えた目で、エリザベスを見ている。
どうしよう。どうしたら良いの?
「ペンダントを捨てろ!」
 ダリルの声に、我に返った時には 突き飛ばされていた。
「ミリー !」
ジェニーの叫び声に 助けを求めて無意識に手を伸ばすが、体は周りの景色を飛ばしながら 後ろへ遠ざかる。



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