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大人でも 浮かれるのは 仕方ないこと
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レグールは寝室の鏡の前で、最終的に決めた二本のクラバットを交互に当ててみる。
ベッドの上には何十本ものクラバットと、それにつけるアクセサリーが散らばっている。
「どっちだ? どっちが似合う? こっちか?……いやこっちか?」
情熱的な赤? それとも瞳と同じ色?
否、……白色にして、アクセサリーの色で決めるか?
(う~ん……)
コンコン!
「失礼いたします。レグール様。今日の」
打ち合わせの最終確認に家令が部屋に入って来た。ナイスタイミング。
「どっちが、似合うと思う?」
家令の言葉を遮って前まで行くとクラバットを交互に当てる。
どちらが若くみられるか、アドバイスを求めていた。二十歳に無理だとしても、せめて二十五歳位に見られたい。つまらぬ見栄だが、やはり叔父と姪ではなく、恋人同士に見られたい。
「どちらも、お似合いです」
当たり障りのない返事にうんざりする。世辞が聞きたいわけじゃない。
自分で決められないから聞いてるのに。ムッとして詰問する。
「だから、どっちだ!」
「……下の進行具合を確認してまいります」
家令が口元を引き攣らせたまま硬い声で言うと、出て行ってしまった。
「えっ?あっ」
(………)
「はぁ~」
浮かれすぎていた 。溜め息を付いて自分を叱った。
(何をやってるんだ。しっかりしろ!)
クラバット 一つ決めるのに、おたおたしている自分が情けない。自信が持てる服装にすればいいだけだ。無理する必要はない。慣れないことをすれば、逆に恥をかく。
外の空気でも吸って落ち着こう。
窓を開けて眼下に広がる領地を見る。 なだらかに傾斜している土地には、草が生い茂り。何頭もの羊が草を食んでいる。そして、山から転がり落ちた岩が点在して、その岩を避けるように道ができている。痩せた土地だけに農業より酪農が盛んだ。
長閑かな景色に微笑む。
ロアンヌは自然が、好きだから、きっと気に入る。早くロアンヌに見せたい。そんな事を思っていると、一台の馬車がこちらに、近づいて来る。
(来た!)
*****
ロアンヌは、馬車の窓から見えるスペンサー邸の荒々しい迫力に圧倒される。こんな間近で見るのは初めだ。もと砦なだけあって堅牢な造りだ。
(後でレグール様に案内して頂こう。どんなところか見てみたい)
門をくぐり馬車がアプローチを上っていく。まだ、心臓が落ち着かない。
馬車が停まった。いよいよだ。
緊張するけれど、レグール様に会えると思うと嬉しくもなる。
ドアが開いてアンの手を借りて馬車から降りたロアンヌは、私を出迎えるように此方に来るレグール様の姿に目を見開く。
どうして?と 小首をかしげる。
しきたりでは家の中で待っているはずなのに……。
私を心配してわざわざ来てくださいのだろうか?もしそうなら、レグール様の心遣いに感謝したい。
「いらっしゃい」
「はい。お邪魔します」
レグール様の顔を見ただけで気分が高揚する。レディの作法も忘れて満面の笑みになる。
「態々出迎えて下さらなくても、良かったのに」
「まぁ、気にしなくていいから」
気にする事はないと顔の前でレグール様が手を振ると二本の紐が同時に揺れる。
(クラバット?)
チラリと視線をレグールの胸元へ向けると、何もつけて無い。忘れたのかしら?
と言うより……。決められなかったと言うところが正解だろう。
本人は気付いてない。
「レグール様」
「んっ?」
ロアンヌはレグールの手からクラバットを二本とも取り上げる。
「あっ」
大人だと思っていても、子供のようなところもあるのね。やっと自分が、クラバットを持ったままだと気付いたようだ。
「その……迷ってしまって……」
素直に白状するレグールがバツの悪そうな顔をする。
ロアンヌは 笑いを噛み殺して、二本のクラバットを交互にレグールの首元に当ててみる。
(う~ん)
どちらも似合うけど 、青い色の方が良いだろう。今日の私とのドレスとも同じだから、お揃いに見える。
赤い方のクラバットをアンに渡すと、青いクラバットを首にかける。
すると、レグールが手を動かす。ロアンヌは、自分でしようとするレグールの、その手を止める。
「私が、致します」
「……分かった」
レグールが耳の縁が赤くしながらジッとしている。背伸びしてクラバットを結んでいると、きっと結婚したら毎朝こんな事をするんだろうと想像する。
それは何気ない日常。だけと、そんなありふれた幸せが好きだ。
「はい。できました」
「ありがとう」
「どういたしまして」
最後にポンポンとクラバットを押さえる。初めてだったけど、上手に結べた。満足して見ていると
「では、行こうか?」
レグールがそう言って腕を差し出す。ロアンヌは、その腕に安心して自分の腕を乗せエスコートしてもらう。頼らればかりだった私が、今は頼ってる。気付けば、いつの間にかそう言う関係になっていた。
「はい」
笑顔を向ける。
レグール様が隣りに居てくださる。たったそれだけの事なのに、さっきまでの緊張はすっかり無くなり、レグール様のご両親に対面するのが楽しみでさえある。
心の中で、そんな自分に現金ものだと呆れる。
****
案内してくれたスペンサー家の使用人が両開きのドアを開けると、ロアンヌはレグールと腕を組んで応接室に足を踏み入れた。
正面には天井まである大きな窓が5つ。右の壁一面に、先祖だと思われる肖像画。 左の壁には紋章の刺繍されたタペストリーが4つ。
(忠誠を誓った家門だろうか?)
やはり名門の一族。 我が家と比べ物にならないぐらい大きい。
部屋の中央に置かれてあるソファーには黒髪でにこやかな笑顔のスペンサー伯爵。その横にレグール様と同じ青い目の伯爵夫人が座っている。ご両親から一つずつ受け継いでいるのね。
第一印象が肝心だ。 まずは自己紹介しないと。 腕を外すと一歩前に進みでる。 両手でスカートをつまむとカーテシーで挨拶する。
「初めまして、ロアンヌ・エルザ・アルフォードです」
「ようこそ。ロアンヌ嬢。疲れただろう」
「大丈夫です。 お気遣いありがとうございます」
伯爵と会話をしていると、にこやかに私を見ていた夫人の視線がそれる。機嫌を損ねたかと、その視線を追うとレグール様を見ている。つられて自分もレグールを見ると、微かに何度もお母様に向かって頷いている。まるで、ごめんなさいと謝っているみたい。
やぱり、私を出迎えに来た事が原因ね。その事で怒られてるみたい。
伯爵が、そんな二人のやり取りを見て含み笑いをしている。
三人の関係性が垣間見える。
我が家同様。家族の仲が、良いようだ。だけど、大人のレグール様が悪戯を叱られている子供みたいな光景に吹き出しそうになる。
(くっ)
笑っては駄目だと頬の内側を噛んで我慢する。
レグール様のご両親は素晴らしい人で、こんな私に対しても優しく接してくれる。その事が居心地を悪くする。本当に、この家族の一員に私がなっていいのだろうか?
歴史のあるスペンサー家は由緒正しい家だ。そんな家の夫人になっていいの?
私自身、他の人より秀でているところなど、一つも持ち合わせてない。
もっと、綺麗で……。もっと、頭が良くて……。もっと、家柄の良い……。
(私より相応しい人がいるかもしれない……)
ロアンヌは、ぼんやりと紅茶をずっとかき混ぜる。
「ロアンヌ? 」
「えっ?」
名前を呼ばれて我に返ると、心配そうなレグールと目が合う。しまった。つい考え込んでしまった。何でもない。そう笑おうとしたが、夫人が割ってはいってきた。
「レグール。この前、届いた物を持って来てちょうだい。私の部屋にあるから」
「ですが……」
「良いから。早く行きなさい!」
私を心配して椅子から立ち上がらないレグールを夫人が追いたてる。
何か言いたげなレグールに、私の平気だと合図を送る。
「分かりました」
レグール様が母親の命令に渋々従って席を立つと、私の肩を軽く叩いてから外に出て行った。
そんな心細そうな顔をしてたんだろうか?
気を付けなくちゃ。すっかり忘れてた紅茶を飲み干すと、夫人に笑顔を向ける。そして、夫人が急に私の手を取ると包み込む。
「ロアンヌ。そう呼んでいいかしら?」
「はい。もちろんです」
居住まいを正して答えると、夫人が私を覘き込むように話しかけた。
「ロアンヌ。悩みがあるなら話してちょうだい」
「えっ?」
「これは、レグールだけの問題じゃないわ。スペンサー家の問題よ」
ベッドの上には何十本ものクラバットと、それにつけるアクセサリーが散らばっている。
「どっちだ? どっちが似合う? こっちか?……いやこっちか?」
情熱的な赤? それとも瞳と同じ色?
否、……白色にして、アクセサリーの色で決めるか?
(う~ん……)
コンコン!
「失礼いたします。レグール様。今日の」
打ち合わせの最終確認に家令が部屋に入って来た。ナイスタイミング。
「どっちが、似合うと思う?」
家令の言葉を遮って前まで行くとクラバットを交互に当てる。
どちらが若くみられるか、アドバイスを求めていた。二十歳に無理だとしても、せめて二十五歳位に見られたい。つまらぬ見栄だが、やはり叔父と姪ではなく、恋人同士に見られたい。
「どちらも、お似合いです」
当たり障りのない返事にうんざりする。世辞が聞きたいわけじゃない。
自分で決められないから聞いてるのに。ムッとして詰問する。
「だから、どっちだ!」
「……下の進行具合を確認してまいります」
家令が口元を引き攣らせたまま硬い声で言うと、出て行ってしまった。
「えっ?あっ」
(………)
「はぁ~」
浮かれすぎていた 。溜め息を付いて自分を叱った。
(何をやってるんだ。しっかりしろ!)
クラバット 一つ決めるのに、おたおたしている自分が情けない。自信が持てる服装にすればいいだけだ。無理する必要はない。慣れないことをすれば、逆に恥をかく。
外の空気でも吸って落ち着こう。
窓を開けて眼下に広がる領地を見る。 なだらかに傾斜している土地には、草が生い茂り。何頭もの羊が草を食んでいる。そして、山から転がり落ちた岩が点在して、その岩を避けるように道ができている。痩せた土地だけに農業より酪農が盛んだ。
長閑かな景色に微笑む。
ロアンヌは自然が、好きだから、きっと気に入る。早くロアンヌに見せたい。そんな事を思っていると、一台の馬車がこちらに、近づいて来る。
(来た!)
*****
ロアンヌは、馬車の窓から見えるスペンサー邸の荒々しい迫力に圧倒される。こんな間近で見るのは初めだ。もと砦なだけあって堅牢な造りだ。
(後でレグール様に案内して頂こう。どんなところか見てみたい)
門をくぐり馬車がアプローチを上っていく。まだ、心臓が落ち着かない。
馬車が停まった。いよいよだ。
緊張するけれど、レグール様に会えると思うと嬉しくもなる。
ドアが開いてアンの手を借りて馬車から降りたロアンヌは、私を出迎えるように此方に来るレグール様の姿に目を見開く。
どうして?と 小首をかしげる。
しきたりでは家の中で待っているはずなのに……。
私を心配してわざわざ来てくださいのだろうか?もしそうなら、レグール様の心遣いに感謝したい。
「いらっしゃい」
「はい。お邪魔します」
レグール様の顔を見ただけで気分が高揚する。レディの作法も忘れて満面の笑みになる。
「態々出迎えて下さらなくても、良かったのに」
「まぁ、気にしなくていいから」
気にする事はないと顔の前でレグール様が手を振ると二本の紐が同時に揺れる。
(クラバット?)
チラリと視線をレグールの胸元へ向けると、何もつけて無い。忘れたのかしら?
と言うより……。決められなかったと言うところが正解だろう。
本人は気付いてない。
「レグール様」
「んっ?」
ロアンヌはレグールの手からクラバットを二本とも取り上げる。
「あっ」
大人だと思っていても、子供のようなところもあるのね。やっと自分が、クラバットを持ったままだと気付いたようだ。
「その……迷ってしまって……」
素直に白状するレグールがバツの悪そうな顔をする。
ロアンヌは 笑いを噛み殺して、二本のクラバットを交互にレグールの首元に当ててみる。
(う~ん)
どちらも似合うけど 、青い色の方が良いだろう。今日の私とのドレスとも同じだから、お揃いに見える。
赤い方のクラバットをアンに渡すと、青いクラバットを首にかける。
すると、レグールが手を動かす。ロアンヌは、自分でしようとするレグールの、その手を止める。
「私が、致します」
「……分かった」
レグールが耳の縁が赤くしながらジッとしている。背伸びしてクラバットを結んでいると、きっと結婚したら毎朝こんな事をするんだろうと想像する。
それは何気ない日常。だけと、そんなありふれた幸せが好きだ。
「はい。できました」
「ありがとう」
「どういたしまして」
最後にポンポンとクラバットを押さえる。初めてだったけど、上手に結べた。満足して見ていると
「では、行こうか?」
レグールがそう言って腕を差し出す。ロアンヌは、その腕に安心して自分の腕を乗せエスコートしてもらう。頼らればかりだった私が、今は頼ってる。気付けば、いつの間にかそう言う関係になっていた。
「はい」
笑顔を向ける。
レグール様が隣りに居てくださる。たったそれだけの事なのに、さっきまでの緊張はすっかり無くなり、レグール様のご両親に対面するのが楽しみでさえある。
心の中で、そんな自分に現金ものだと呆れる。
****
案内してくれたスペンサー家の使用人が両開きのドアを開けると、ロアンヌはレグールと腕を組んで応接室に足を踏み入れた。
正面には天井まである大きな窓が5つ。右の壁一面に、先祖だと思われる肖像画。 左の壁には紋章の刺繍されたタペストリーが4つ。
(忠誠を誓った家門だろうか?)
やはり名門の一族。 我が家と比べ物にならないぐらい大きい。
部屋の中央に置かれてあるソファーには黒髪でにこやかな笑顔のスペンサー伯爵。その横にレグール様と同じ青い目の伯爵夫人が座っている。ご両親から一つずつ受け継いでいるのね。
第一印象が肝心だ。 まずは自己紹介しないと。 腕を外すと一歩前に進みでる。 両手でスカートをつまむとカーテシーで挨拶する。
「初めまして、ロアンヌ・エルザ・アルフォードです」
「ようこそ。ロアンヌ嬢。疲れただろう」
「大丈夫です。 お気遣いありがとうございます」
伯爵と会話をしていると、にこやかに私を見ていた夫人の視線がそれる。機嫌を損ねたかと、その視線を追うとレグール様を見ている。つられて自分もレグールを見ると、微かに何度もお母様に向かって頷いている。まるで、ごめんなさいと謝っているみたい。
やぱり、私を出迎えに来た事が原因ね。その事で怒られてるみたい。
伯爵が、そんな二人のやり取りを見て含み笑いをしている。
三人の関係性が垣間見える。
我が家同様。家族の仲が、良いようだ。だけど、大人のレグール様が悪戯を叱られている子供みたいな光景に吹き出しそうになる。
(くっ)
笑っては駄目だと頬の内側を噛んで我慢する。
レグール様のご両親は素晴らしい人で、こんな私に対しても優しく接してくれる。その事が居心地を悪くする。本当に、この家族の一員に私がなっていいのだろうか?
歴史のあるスペンサー家は由緒正しい家だ。そんな家の夫人になっていいの?
私自身、他の人より秀でているところなど、一つも持ち合わせてない。
もっと、綺麗で……。もっと、頭が良くて……。もっと、家柄の良い……。
(私より相応しい人がいるかもしれない……)
ロアンヌは、ぼんやりと紅茶をずっとかき混ぜる。
「ロアンヌ? 」
「えっ?」
名前を呼ばれて我に返ると、心配そうなレグールと目が合う。しまった。つい考え込んでしまった。何でもない。そう笑おうとしたが、夫人が割ってはいってきた。
「レグール。この前、届いた物を持って来てちょうだい。私の部屋にあるから」
「ですが……」
「良いから。早く行きなさい!」
私を心配して椅子から立ち上がらないレグールを夫人が追いたてる。
何か言いたげなレグールに、私の平気だと合図を送る。
「分かりました」
レグール様が母親の命令に渋々従って席を立つと、私の肩を軽く叩いてから外に出て行った。
そんな心細そうな顔をしてたんだろうか?
気を付けなくちゃ。すっかり忘れてた紅茶を飲み干すと、夫人に笑顔を向ける。そして、夫人が急に私の手を取ると包み込む。
「ロアンヌ。そう呼んでいいかしら?」
「はい。もちろんです」
居住まいを正して答えると、夫人が私を覘き込むように話しかけた。
「ロアンヌ。悩みがあるなら話してちょうだい」
「えっ?」
「これは、レグールだけの問題じゃないわ。スペンサー家の問題よ」
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