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番外編
初夜?④*
しおりを挟む室内には荒い呼吸と水音が満ち、時折耳元で自分の肢体がシーツの上で悶え擦れる音がやけに大きく聞こえる。
風呂場から場所は変わったが吉良から与えられる責め苦はまだ続いていた。ダブルベッドの上で身悶える肢体が燃えるように熱くて仕方がない。
「やぁ、きらっ、きらぁ…」
この熱から早く解放してほしい。互いを慰める行為よりも強烈な羞恥にぐずぐずに溶けた思考が舌ったらずな甘い声音で吉良を呼ぶ。それがどんなに相手の劣情を仰ぐかなんて考える余裕は微塵も無い。
すすり泣き涙で滲む視界の中必死にあの綺麗な水色の瞳に救いを求め手を伸ばせば、そこには情欲に耽るそれがあって。目が合った瞬間、ズクンと身体がうずき熱がます。
「辛いのか?」
苦しそうに形の良い眉を寄せながら尋ねられ、俺は必死に頷く。その際目じりにたまった涙が零れた。吉良はそれを優しく舐め上げてから、分かったと下半身に顔を寄せる。
「……なら、先に一回出そうか」
「…え?あ、ああっ!!!」
幼子をあやす様な口調が耳に届くかいなや、張りつめていた自身が熱く滑った口内に覆われた。強すぎる快感に背中が跳ねる。
嘘だ、嘘だ、嘘だ。
じゅぷじゅぷいう卑猥な水音と下半身を支配する快感に吉良に何をされているのかは明白だったが、それでも信じられず、ショックで僅かに取り戻した理性に従い顔を上げすぐさま後悔する。
「気持ちいいか?」
聞くなバカッ!!
端正な顔が自分の股間を嬲る光景の攻撃力はすざまじかった。クリティカルオーバーキルである(意味不明)。
どこまで人を辱めれば気が済むのか後で絶対仕返しよう。そう、心の片隅で誓うもすぐに口内に包まれ舌で嬲られ快感の渦にのみこまれてしまう。
「…ふぁあッ、んぅ…、…はぁ…」
押し寄せる波を唇を噛み耐えようとする自分を嘲笑うように、吉良の舌がくびれを舐め先端を甘噛みし刺激する。
「イきたかったら言っていいからな」
「ふぁ、ぁ、ぃやっぁ…だ」
「それなら、これで」
「はぁんっ!!」
前を攻めながら、風呂場でさんざん弄られた秘所に指が伸びずぶりと入り込み、前と後ろを同時に犯しはじめる。
吉良の執拗な愛撫により解されたそこにある快感を刺激する箇所を擦り上げれればもう俺は抵抗するすべは無い。
「!あ、はぅんッ、イクッ、イっちゃうからぁんっ!!」
「うん。凪沙がイく見せて」
「ひああぁん!!!」
せまりくる射精感を嬌声混じりに訴える俺に、とどめと言わんばかりに吉良が後孔を強く刺激し、俺は呆気なく果ててしまった。
「可愛かったよ凪沙」
乱れた呼吸に言葉無くベッドに沈み込む俺を、欲情に濡れた瞳が覗き込む。
いつもと違う、妖しい光を含んだそれが望むものを俺は知っている。ここまで来たら受け止めるしか無い。いや、受け止めたい。
俺はゆっくり嚥下し、目の前の愛しい存在に腕を回し震える唇を開いた。
「吉良が欲しい。お前の全てを俺にくれ」
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