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10月
15
しおりを挟む中旬に球技大会がありました。
そこで会長が権限使ってアホな事を言い出しました。
もちろん俺は巻き込まれました。
ーーー結果。
下旬に控えた中間テストに向けて一緒に勉強している吉良が、めっちゃご機嫌です。
「凪沙、ここの問題なんだけどーー」
「それな、こっちにある公式をまず当てはめて」
「これか?」
吉良さん、近いのは気のせいですか? 頬がくっつきそうなんですが。
俺も成績はバランス良く成績は良いけど、君も良いですよね理数系得意ですよね。
(ううっ、誰か)
好意を持っているヤツと自室で2人きり。親はとっくに転勤でいないし妹は友達と勉強会に行って不在。
奏美も誘ったけどあっさり華麗に逃げられ。
今、ここでアレ出されたら俺ピンチ。
だから、なるべく穏便(?)にこの現状をやり過ごそうとしているのだが、
「凪沙ちょっと休憩しないか」
「俺はこの問題を終わらせてからでー」
「凪沙」
良い笑顔でバッサバッサ桃色の紙の束を見せつける吉良に今日もかよ、と深い嘆息が漏れる。
「吉良ぁ、昨日もしただろう」
「今日は別の所にしたいなと、ダメか?」
「…休憩したいんだよな?俺には休憩じゃないぞ」
「オレが休憩終わったら凪沙が休憩って事で」
ああ、そうですか。ああ言えばこう言いますか。
告白後の吉良は俺への恋情に遠慮なくなったな、全く。
俺は諦めてその紙束から1枚切り取り、ハンガーにかけている自分の制服のポケットに突っ込み吉良の隣に座る。
「で、今日はどこにキスするんだよ」
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