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11月
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しおりを挟む「蘇芳はつれないなぁ」
「そんな事言って、単に文化祭の準備をサボるためにきたんでしょう会長」
「それは蘇芳も同類なんじゃない、こんな所に1人で。あ、それと僕はもう一応会長じゃないから名前で呼んでね」
先月新しい生徒会役員が決まり、文化祭の準備期間を引き継ぎ期間とし、終了後旧生徒会は解散となる。新旧生徒会役員が入り混じるこの期間は役職が重複してややこしいので、引き継ぎ期間でも旧生徒会役員はすでに引退した扱いになるのだ。
説明が面倒くさいね、全く。
「じゃあ改めて雪平先輩、さっさと仕事に戻らないと生徒会メンバーに連絡しますよ」
「下の名前で呼んでくれたら、戻ろうかなぁ」
「…先輩、俺まだ球技大会の事怒っているんですよ」
あの桃色の券でどんなに酷い目にあったことか。
思い出すだけで憤死しそう。てか、もう俺お婿に行けないっ(長男だけどね)
「…あれは真面目に計算ミスった」
会長改め雪平先輩もあの時を思い出し、心底忌々しそうに藤紫の瞳を細める。
計算ミスろうがミスらないが、2人のどちらかがあれを手にした時点で俺が酷い目にあう事は決定事項でしたよ!!
自分に向けられた好意を否定はしないけど、俺の人権は否定しないで下さいっ!!!
「あれは蘇芳に慣れて欲しくて用意したのにっ」
「慣れ?」
「うん。僕からのスキンシップに」
「充分しているじゃないですかっ」
抱き締めたり頬ずりしたり頭なでたり。あれで不満ですか、足りないですか!?
息を荒げ反論する俺に先輩は、にいっと意味深に口角を上げる。
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