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11月

閑話休題 文化祭1日目終了後

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 1人の男子が不服そうに廊下を歩いていた。

  陽に透ければ金髪に見紛う茶髪を揺らし、明るい空の色を閉じ込めた綺麗な水色の瞳の高身長の彼は歩いているだけで人の目を惹く容姿をしている。

 装飾され賑やかな校内から外れた一角、指定された空き教室の前で立ち止まり中で待つ相手に自分が来た事を知らせるため扉を叩く。

 どうぞと中から声が返り扉を開けた。

 以前も同じように同じ人物を訪ねたが今回はそれとは似て非なる。





「遅かったね」





 室内にいた人物も目立つ容姿を自覚しているためだろう、窓のカーテンは閉めきられ日中であっても教室内は薄暗い。その中で座っていた彼は品良く薄い藤紫の瞳を細め待ち人をその場で出迎える。

 普段と変わらない穏やかな微笑だがその瞳の奥は笑っていない。





「呼び出した用件は?」





 顔も合わせるのも不快なのはお互い様なので、こちらも険がはらんだ声音を吐き出す。

 相手はこちらの意など最初から介する気などないと言わんばかりに、自身の背後に手を差し出す。

 その手にスッとA4サイズの茶封筒が手渡される。

 そこで初めてこの部屋にもう1人いる事に気づき瞠目する。

 自分が入室以降、誰もこの教室に出入りしていない。だから彼女は最初からこの部屋にいたという事になる。





「用件はこれに関してだよ」




 背後の彼女が意識が向き掛けたが、手近な机に広げられた茶封筒の中身を目にした自身の表情が険しくなっていく。





「個人的には君の手は借りたくないけど」





 彼はこちらに目を向け 苛立たしげに自身のアッシュシルバーの髪を掻き上げる。




「害虫は早めに駆除しないとね」





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