72 / 102
12月
6
しおりを挟む(あの頃からだったもんなぁ、先輩が俺に声かけてきたの)
最初は初対面でいきなりハグされて、固まってしまったのを思い出す。
自分で気づかぬうちにフラグを立ててしまったんだなと内心苦笑した。
ゲーム開始前からすでにストーリーは水面下で進んでいたのかな。だとするとあの時の全てが仕組まれた事なのだろうか。
俺はどこまでゲームの主人公として作られているんだろうか。自分の今までの行き方や選択が全て自分の意思ではなく仕組まれたものだとしたら。
「蘇芳」
無意識に伏せていた瞳を向ける先で、先輩が真剣に俺を見ている。
「1人で考えて答えを出すな」
「え…」
「お前はもっと自分の気持ちを口にしろ。勝手に自己完結して諦めるな」
「俺の気持ち、ですか」
「そう。何に怯えているかは言わなくても言いから、もっと周りを頼って欲しい」
先輩はちゃんと俺の事を見ていてくれたんだ。この1年間ずっと。
「1番は俺を頼ってくれれば嬉しいけど、友達でも…頼りになるかは分からないがあいつもいないよりはマシかな」
「酷いですね、相変わらず」
「恋敵を褒める奴がどこにいるんだい」
笑う俺に苦い表情でテーブルに肘をつき先輩は頬杖をつく。拗ねる姿がいつもより幼く見えるてしまう。
散々セクハラや色々されたけど何だかんだで文化祭の時も助けて貰ったし、こうして心配してくれる。
(兄がいたらこんな感じかな?でも先輩は確実にブラコンだよなー)
学校だけでも大変なのに、もし兄だったらあのセクハラが四六時中続くのか。それはさすがに胃が空きそうだな。
何?と訝しげにこちらを見る先輩に俺は表情筋を崩さぬよう別にと答えるだけで精一杯だった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
俺の指をちゅぱちゅぱする癖が治っていない幼馴染
海野
BL
唯(ゆい)には幼いころから治らない癖がある。それは寝ている間無意識に幼馴染である相馬の指をくわえるというものだ。相馬(そうま)はいつしかそんな唯に自分から指を差し出し、興奮するようになってしまうようになり、起きる直前に慌ててトイレに向かい欲を吐き出していた。
ある日、いつもの様に指を唯の唇に当てると、彼は何故か狸寝入りをしていて…?
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
男子高校に入学したらハーレムでした!
はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。
ゆっくり書いていきます。
毎日19時更新です。
よろしくお願い致します。
2022.04.28
お気に入り、栞ありがとうございます。
とても励みになります。
引き続き宜しくお願いします。
2022.05.01
近々番外編SSをあげます。
よければ覗いてみてください。
2022.05.10
お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。
精一杯書いていきます。
2022.05.15
閲覧、お気に入り、ありがとうございます。
読んでいただけてとても嬉しいです。
近々番外編をあげます。
良ければ覗いてみてください。
2022.05.28
今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。
次作も頑張って書きます。
よろしくおねがいします。
【完結】 男達の性宴
蔵屋
BL
僕が通う高校の学校医望月先生に
今夜8時に来るよう、青山のホテルに
誘われた。
ホテルに来れば会場に案内すると
言われ、会場案内図を渡された。
高三最後の夏休み。家業を継ぐ僕を
早くも社会人扱いする両親。
僕は嬉しくて夕食後、バイクに乗り、
東京へ飛ばして行った。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる