73 / 102
12月
7
しおりを挟むファミレスを出た後、先輩はバス停まで一緒に歩く。
先輩は徒歩通学でしょうと別れようとしたら、見送りだそうで。
「先輩」
「何んだい?」
歩く隣に俺が声をかける。
「もしもこの世界がお話の中の世界で、予めストーリーが決まってて自分がそれに気づいてしまったらどうしますか?」
それも知っているのは自分だけ。周りは誰も気づかず自身の行動で変化する世界。
「その通りに話を進めないと周りの人を傷つけてしまうんです」
うん、我ながら厨二な質問だな。先輩引かなきゃいいが。
俺の内心の心配を他所に先輩は笑う事も茶化す事もなく、顎に手を当て真剣に考える。
「…そうだねぇ、もし世界が決まってるなら僕はー」
「先輩だったら?」
「思いっきりぶっ壊す」
先輩らしいとても黒い答えだけど、ちょっと待てい。
俺は目を見開いて慌てて傍の先輩を見た。
「だ、だって周りを傷つけてしまうんですよ!!怖くないんですか!?」
「僕の周りはそんなやわじゃないし、大切な人は守るために手を尽くすよ。それにね、1番大事なのはそのお話にばかり囚われていたら本当に自分のしたい事出来なくなるじゃない」
「自分のしたい事…」
「決まった世界なんて楽しい?まずは自分がどうしたいかが大事でしょ」
俺の頭を撫でる藤紫の瞳が君はどうなの?と。
画面の中にしか存在してなかった人達がこの世界ではそれぞれ意思を持ち、動き生活している。
目の前の先輩もこうして触れて、俺の質問に真面目に自身の意思で考えてこうして答えてくれる。
決してゲームのエンディングで別れを告げてさるだけの存在なんかじゃない。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
俺の指をちゅぱちゅぱする癖が治っていない幼馴染
海野
BL
唯(ゆい)には幼いころから治らない癖がある。それは寝ている間無意識に幼馴染である相馬の指をくわえるというものだ。相馬(そうま)はいつしかそんな唯に自分から指を差し出し、興奮するようになってしまうようになり、起きる直前に慌ててトイレに向かい欲を吐き出していた。
ある日、いつもの様に指を唯の唇に当てると、彼は何故か狸寝入りをしていて…?
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
【完結】 男達の性宴
蔵屋
BL
僕が通う高校の学校医望月先生に
今夜8時に来るよう、青山のホテルに
誘われた。
ホテルに来れば会場に案内すると
言われ、会場案内図を渡された。
高三最後の夏休み。家業を継ぐ僕を
早くも社会人扱いする両親。
僕は嬉しくて夕食後、バイクに乗り、
東京へ飛ばして行った。
男子高校に入学したらハーレムでした!
はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。
ゆっくり書いていきます。
毎日19時更新です。
よろしくお願い致します。
2022.04.28
お気に入り、栞ありがとうございます。
とても励みになります。
引き続き宜しくお願いします。
2022.05.01
近々番外編SSをあげます。
よければ覗いてみてください。
2022.05.10
お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。
精一杯書いていきます。
2022.05.15
閲覧、お気に入り、ありがとうございます。
読んでいただけてとても嬉しいです。
近々番外編をあげます。
良ければ覗いてみてください。
2022.05.28
今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。
次作も頑張って書きます。
よろしくおねがいします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる