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12月
19
しおりを挟むー終業式。今日でこの学校ともお別れだ。
家を出る際もう室内は空っぽで、最後に行ってきますと呟いて扉を閉めた。
いつもと同じ道を通り学校へ向かう。
終業式も滞りなく終わり、ホームルーム終了後クラスメイトが俺達兄妹のためにささやかなパーティーを開いてくれた。
別れや励ましの言葉を貰い、笑ってそれに応える。
パーティー終了後、階段脇で雪平先輩が俺を待っていた。
「あいつに愛想が尽きたらいつでも連絡してね」
目が笑っているようで笑ってない先輩は、やっぱり先輩でした。お礼を言うとお兄ちゃんだからねと、ちゃっかりハグされたし。
そして、俺は最後の見納めに屋上に向かった。
「さっぶっ」
屋上への扉を開けたら寒風が容赦なく吹き込んで、俺はコートを首元までしっかりボタンをとめる。
フェンス越しに広がる冬景色をしばらく眺めていると、誰かがこちらに近づいてくる気配がしたけど俺は振り向かない。
「風邪引くぞ」
「ならこのまま風除けになってくんない?」
背後からすっぽり抱き込む頭上を見上げれば俺を映す綺麗な水色の瞳。
「お前の心はオレのもんだからな忘れんなよ」
「へいへい。そっちこそ1年間我慢するから約束守れよ」
「やっと手に入れたんだ絶対守る」
「頼むぞー」
互いに笑い合い2人並んで屋上を後にする。
と、途中ある事を思い出し足が止まる。
(もう、ゲームは関係ないけど)
「凪沙?」
立ち止まった俺を訝しげに振り向いた胸に思いっきり抱きついてやる。
「吉良、好きだっ」
知ってると笑い俺の唇にキスが降ってくる。
抱き締めるんじゃなく抱き締められる側になっちゃったけど間違いなく俺にとってこれはトゥルーエンドだ!!
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