短編集

蓼丸ゆた

文字の大きさ
1 / 4

夢の使者

しおりを挟む
ここは夢の中てまあって、何もしなくても怒られなければ、何をしても怒られない。
僕は、夢の使者で多くの者を夢の世界へとご案内する。
「今日はどうされましたか?」
「大事にしていたネックレスを無くしてしまって…。」
「そうですか、大丈夫。あなたが願えばすぐにみつかりますよ。」
そう、ここでは願えば何だって出来る。無くし物だって、綺麗になることだって、ここでは当たり前のことなのだ。
ここで出来ないことといえば、死ぬことだけ。でも、誰も不満がないのだから、死ぬ必要は無い。僕はそう思っている。
「お兄ちゃん」
「はい、どうされましたか?」
「私、お母さんに会いたいの。」
「すぐに会えますよ。…ほら。」
声をかけてきた女の子の目の前に『お母さん』が出てくる。
「ありがとう!お兄ちゃん。」
ありがとう。という言葉はやはり、良いものだと思う。
でも、あの女の子も…。
そこまで考えて、考えることをやめる。
ここで死ぬ事が出来ないのは、もう僕らには肉体がないからだ。もう一度死んでしまってるからだ。
人間である限り、2度は死ねない。
そして、僕もその1人なのだ。
永遠の眠りについた僕らの世界。今日もまた沢山の人たちがこの世界にやってくる。
その人たちを案内する。助ける。僕は夢の使者。
今日もそれは変わらず、いつまでも変わり続けることはない。
「今日はどうされましたか?」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

いまさら謝罪など

あかね
ファンタジー
殿下。謝罪したところでもう遅いのです。

真実の愛を見つけたとおっしゃるので

あんど もあ
ファンタジー
貴族学院のお昼休みに突然始まった婚約破棄劇。 「真実の愛を見つけた」と言う婚約者にレイチェルは反撃する。

私ではありませんから

三木谷夜宵
ファンタジー
とある王立学園の卒業パーティーで、カスティージョ公爵令嬢が第一王子から婚約破棄を言い渡される。理由は、王子が懇意にしている男爵令嬢への嫌がらせだった。カスティージョ公爵令嬢は冷静な態度で言った。「お話は判りました。婚約破棄の件、父と妹に報告させていただきます」「待て。父親は判るが、なぜ妹にも報告する必要があるのだ?」「だって、陛下の婚約者は私ではありませんから」 はじめて書いた婚約破棄もの。 カクヨムでも公開しています。

婚約破棄から50年後

あんど もあ
ファンタジー
王立学園の卒業パーティーで、王子が婚約者に婚約破棄を宣言した。王子は真に愛する女性と結ばれ、めでたしめでたし。 そして50年後、王子の孫の王子は、婚約破棄された女性の孫と婚約する事に。そこで明かされた婚約破棄の真実とは。

【完結】あなたに知られたくなかった

ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。 5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。 そんなセレナに起きた奇跡とは?

とある令嬢の断罪劇

古堂 素央
ファンタジー
本当に裁かれるべきだったのは誰? 時を超え、役どころを変え、それぞれの因果は巡りゆく。 とある令嬢の断罪にまつわる、嘘と真実の物語。

ちゃんと忠告をしましたよ?

柚木ゆず
ファンタジー
 ある日の、放課後のことでした。王立リザエンドワール学院に籍を置く私フィーナは、生徒会長を務められているジュリアルス侯爵令嬢アゼット様に呼び出されました。 「生徒会の仲間である貴方様に、婚約祝いをお渡したくてこうしておりますの」  アゼット様はそのように仰られていますが、そちらは嘘ですよね? 私は最愛の方に護っていただいているので、貴方様に悪意があると気付けるのですよ。  アゼット様。まだ間に合います。  今なら、引き返せますよ? ※現在体調の影響により、感想欄を一時的に閉じさせていただいております。

どうぞ添い遂げてください

あんど もあ
ファンタジー
スカーレット・クリムゾン侯爵令嬢は、王立学園の卒業パーティーで婚約もしていない王子から婚約破棄を宣言される。さらには、火山の噴火の生贄になるように命じられ……。 ちょっと残酷な要素があるのでR 15です。

処理中です...