短編集

蓼丸ゆた

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哀しい殺人鬼

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人を殺してみたかった。カッとなってやってしまった。ムカついてやってしまった。捕まりたかった。
人を殺して平然としているヤツらの言葉。僕はそいつらが許せない。
人の命をなんだと思ってるんだ!って叫びたくなってくる。
僕は、そういう奴らに親を殺された。
だから、もっと許せない。
あいつらには、僕の気持ちなんて分からないだろう。
10歳の夏。目の前で両親を殺され。
分からないだろう。誰一人にも。
突然、世界が変わり。目を開けると、両親はこの世界にいなかった。
何度も何度も夢だと思って、目をつぶった。それでも、醒めない夢から逃れられない僕は何度も何度も自分を責めた。
何度も何度も死のうとした。でも、自分にはそんな勇気なかった。
弱い人間なんだ。
それでも、少しだけど、ゆっくりゆっくりと心も体も回復してきたような気がした。


「神様、僕が、人を殺した理由はそれだけじゃダメでしたか。」
殺してみたかったわけじゃない。カッとなってやったわけでもない。
ただ、人殺したちを消したかったのだ。
殺人鬼となった少年の周りではワーワーと人達の叫び声が聞こえる。
父さん、母さん。今からそっちに行くからね。
少年はそう呟きながら持っていたナイフを天にあげ振り下ろした。
その瞬間、少年は涙を流しながら笑っていた。
しかし、次の瞬間倒れた少年のことを知る由は誰もなかった。
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