ガンズ・アンド・シッスル

前原博士

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チャプター3 駅馬車 #2

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 ██████████████████
 ██████████████████
 聞こえるかリベルタ?
 うん、パパ。
 お前は俺の知る中で世界で二番目のガンマンだ。
 えー、じゃぁ一番はだれ?
 ダレだと思う?ヒントはお前が一番良く知ってる奴だ。
 パパ?
 正解だ!揚げ犬はお前のものだ。
 ヤッター!!ありがとうパパ!
 いいかいリベルタ、パパみたいな世界一のガンマンになりたいなら
 なりたいなら?
 人を助けられる人間になるんだ。
 えー?どうして?
 パパは何度もお前を助けてやってるだろう?だからパパは世界一なんだ。
 ふーん、じゃぁあたしもそうなる!
 ██████████████████
 ██████████████████


「パパ!!」
 硬く、真っ黒な物の上で少女は目を覚ました。後頭部がどくどくと波打つように痛んだ。
「起きタか いやぁヤバかったナァ! お前さンが頑丈な娘で良かっタよ」
「いたたた…」
 リベルタは後頭部を押さえてうめいた。周りを見渡せば森の中。そして自分は何か黒い物の上に載っている。

「ちょっとまって、ここどこ? なにこれ?」
「最初の質問ノ答え 喜ベリベルタ! こコは目的地の遺跡ダ そシて次の質問ノ答え」
「勿体ぶってないで早く言ってよ」
「アせるナって こいつは旧式のタタラ社製ノ強襲用宇宙船 の残骸ダ まダ動くがな」
「これが宇宙船? なんか古臭くない?っていうか動くってなんでわかんのよ」
「だカら言っタだろう、ここに来タことがアルって」
「それよりあの二人は?」

 リベルタは立ち上がり、改めて周囲を確認した。 
 宇宙船の端で腕ガトリングガンを構える男、そしてどこから取り出したものか折りたたみの椅子に座りギターを弾く男……どうやら二人も無事だったようだ。
「良かった、生きてた ……いや良くないのか? まぁいいか」

「んでここってなんなの? 遺跡ってこの船のこと?」
「ああ、コこは昔はタタラ社が使ってた着陸場だ ここを拠点にして、開発をスタートしたンだな 
 とこロが後からやっテ来たマルティニと競争に負けてナァ ソれで結局、タタラ社はこの星を放棄することニナったわケだ」
「その生き残りが、あのスラムの人たちって訳ね こんなに船あるんだから、これで逃げればよかったのに」
「ドの船もアーチファッソルがアまり残っていナイ 先に逃ゲ出したタタラ社の上役連中が持ち出シたのサ
 飛び立てテも他の星までは持たナイだろウな」
「なるほどねー ちょっと可哀想になってきた っていうかじゃぁさっき襲ってきたのってそのタタラ社の?」
「アア、嫌な感じダな」

 whiz!whiz!whiz!whiz!

 次の瞬間、四方から矢が降り注いだ。一瞬早く察知したリベルタは素早く銃を抜きこれを迎撃する。
 BLAME!BLAME!銃弾で矢をはじき返す。しかし矢は途切れなく次々と飛来する。まさに矢継ぎ早だ。
「やばい、囲まれてんじゃん!」
 ガトリング男とギター男も動き出した、それぞれの方法で飛来する矢をいなし、木々を器用に飛び交うニンジャ達を銃撃で牽制する。
 相手の数は目算10人以上。不利な状況だがなんとかする以外にない。

 襲撃者たちは鬨の声も無く、ただ淡々と狙い定めて矢を撃っては、木から木へと移動する事を繰り返していた。
 効率的ではないが効果的だ。先ほどの戦いで数を減らしたのであろう、ニンジャ達は狡猾に戦法を変えてきたのだった。

「なんなのこいつら! しつこすぎない!? ここが神聖な場所とかなんかそういう奴!?」
 確かに奇妙であった。なぜこれほどの損害を出してまで彼らは執拗に三人を狙う?
 だが答えを探すのはまず生き延びてからだ。
 次々飛来する矢束を避けつつ撃ち落すが防戦一方である。このままでは不利だ、均衡を崩す何かが必要だった。

「ねぇガトリング君!」
「ルゥオオオッ!?」
「……話通じてる? あいつら木を使ってる! 木を狙って撃ってよ!」
「ルゥァァ!!!」
 それまで闇雲に銃弾を撒き散らしていたガトリング男はリベルタの指示通りに木の幹に狙いを定めた。
 BRARARARARAARA!!

 一本、また一本と木が倒れていく。その間、リベルタは男を守ってニンジャ達の攻撃を迎撃していく。
 ガトリング森林破壊は効果覿面だ。
 リベルタの読み通り、移動の足場を失ったニンジャ達の動きが鈍り、一人また一人と狙い済ましたリベルタの弾丸に倒れていく。
 しかし木からリベルタ達の居る船の上へと、数人のニンジャが飛び移り、背中のブレードを抜き放った。

「オイ、あいツら直接来るゾ!」
 ニンジャ達は狙いを定め、一直線にリベルタに迫る。だがそこに、ギターを構えた男が割って入った。
 男がギターで情熱的なトレモロを奏でる。するとギターから眩い光が放たれ、イナズマとなってニンジャ達を襲った。

「なかなか良い感じじゃん! これなら何とかなりそうだ!」
 行き掛かりの即席のトリオだったが、襲撃者を圧倒するには足りたようだ。
「アー まだ来るゾ…… 嫌な予感が当たっタ この感じハ奴だ 昨日見たアの殺人ニンジャだ」

 木々を切り裂き、砲弾のごとく黒い塊が飛び出してきた。同時に数発の矢が飛来する。
 明らかにさっきまでの矢撃とは違う圧倒的な鋭さだ。
 矢はギター男を直撃した。
 男は最後まで一言も喋ることなく、ただ物悲しげにギターを数度鳴らし、そして倒れた。

「ギ、ギターの人!!!」「ルゥオオー!!」
 しかし哀愁にふけっている場合ではない。殺人ニンジャことZERO-NEMOはあっという間に接近し背中のブレードを走らせる。
「ルゥゥオァォアー!」
 ガトリング男が苛烈な銃撃でそれを阻止する。ニンジャはジグザクに飛び回り、ガトリング男を翻弄した。
 ニンジャの手元から鈍く光る何かが発射され、男の肩口に突き刺さる。刃の付いた十字の鉄塊……手裏剣である。
 手裏剣にはタタラ社の純正品である証として巨大な鞴のレリーフが入っていた。

 手裏剣は続けざまに数発打ち込まれるが、巨体の男はさほどダメージを受けた様子もなくガトリング腕を振り回し、ニンジャに殴りかかった。
 ニンジャの姿がぶれた。腕での一撃は空を切った。ニンジャは恐るべき速度で男の一撃を回避し、さらに反撃を加えていた。

「ギアァオオーーー!!!!」
 ガトリング男の分厚い胸板が、斜めに切り裂かれた。血が飛沫となり飛び散るも、男は不屈の意思で踏みとどまる!
 しかし、それをあざ笑うかのように突きの一撃が腹を突き破った。
「強制切腹!」
 ZERO-NEMOが手首を返す。剣の刃が横を向き、脊髄を破断した。体を真っ二つに両断されて崩れ落ち、動かなくなった。
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