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白いアザレアの花
67.ステルンベルギア
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いつもの洋食屋。今日はハンバーグにした。
ここの料理は何でも美味いから楽しみだ。
最近気づいたんだけど、主税はいつも俺がメニューを眺めるのを興味津々な風に見つめる。それで注文を決めると、必ず目を逸らしてジャスミンティーを一口飲む。何の儀式なの?
まぁ、いいや。
今日は映画を見る前に大事な話がある。
「なぁ、主税。欲しいものないの?」
もうすぐコイツの誕生日だ。
サプラーイズ!みたいなのは性に合わないし、自己満足でプレゼントを選ぶほど子供じゃない。こういうのは聞くのが一番早い。
「薫くん」
主税は真面目くさった顔で言った。頬がかっと熱くなった。
コイツは、恥ずかしげもなくよくもまぁ。いや、コイツはそういうの気にしないのか。俺に馬鹿になってるから。
俺はもうとっくにアンタのもんなんだよ。いや、アンタが俺のもんなのか。
どちらにせよ、そういうことだ。
え、もしかして夜の話?勘弁してくれ。身が持たない。
とにかくそういうことじゃないんだよ。物理的な話をしてるんだ。
「そういうのいいから…。物の話してんだよ」
熱い頬を気取られないように目を逸らしてそう言うと、主税は「うーん…」と唸って首を傾げた。
サラダとスープが運ばれて来て、主税は店員に微笑んで「ありがとう」と声を掛けてからまた思案顔に戻る。
コイツのこういう所が好きだ。どんな相手にも敬意を払える人柄が。
改めて主税のことを「好きだなぁ」って再認識していると、主税は伺うように俺を見て呟いた。
「じゃあ、薫くんの枕」
その枕をどうするつもりなんだ。俺の枕が可哀想だろ。
真剣な顔をして言うのをじっとりと睨みつけると、主税は恥ずかしそうにはにかんだ。わかってて言ってるだろ。
コイツは俺のパジャマを洗いたくないだの変態臭いことを時々言う。
別に悪い気はしない辺り俺も大概頭おかしいと思うし、俺も主税の枕欲しいと思う。でもそこは踏みとどまれ大人として。
「俺は真剣に聞いてるんだけど」
ちょっと拗ねた顔を作って睨みつけると、主税は少し目を逸らしてから「ふっ」と腹から息を吐いた。急に真面目な顔になる。
つられて俺も息を詰める。
「…その、…一緒に住まない?」
……
一拍、空白が生まれた。
それから、言われた言葉の意味を理解して頭が沸騰したみたいに熱くなった。
「なっ、なに…っなに言って…!」
動揺しまくる俺を他所に主税はぺらぺら喋りだした。
「ほ、ほら、僕の部屋、スペース余ってるからさ、夜は一緒に寝ればいいとして、薫くんが来ても余裕あると思うんだ。それに通勤時間もそんなに変わらないでしょ?お互い行ったり来たりするよりはさ」
見るからに焦ってるその様子にこっちまで焦ってしまって、2人でわたわたと汗をかく。
「いや、主税の迷惑にならないんだったら俺も一緒に」
そこまで言って、余計に顔が熱くなった。
どうした俺。うっかりにもほどがあるだろ。
その先が紡げずに目を逸らすと、盗み見た主税はこの世の幸せを全部詰め込んだみたいな顔をしてこっちを見ていた。
可愛い。俺と住めると思っただけでそんなに嬉しいのか。俺はまだちゃんと返事はしてないんですけど。
「ねぇ、薫くん。一緒に住もう?僕少し離れてるだけでも君が恋しくてしかたないんだ」
熱烈に口説かれて、胸がきゅんきゅん疼いた。
こんなの、断れるわけない。
俺だってアンタが恋しくてしかたない。
ちょっとでも離れると、連絡も取れなかった苦しくて辛かった期間が思い出されて怖くてしかたないんだ。
「…うん」
小さく頷くと、主税はうっとりと嬉しそうに顔を綻ばせた。
ここの料理は何でも美味いから楽しみだ。
最近気づいたんだけど、主税はいつも俺がメニューを眺めるのを興味津々な風に見つめる。それで注文を決めると、必ず目を逸らしてジャスミンティーを一口飲む。何の儀式なの?
まぁ、いいや。
今日は映画を見る前に大事な話がある。
「なぁ、主税。欲しいものないの?」
もうすぐコイツの誕生日だ。
サプラーイズ!みたいなのは性に合わないし、自己満足でプレゼントを選ぶほど子供じゃない。こういうのは聞くのが一番早い。
「薫くん」
主税は真面目くさった顔で言った。頬がかっと熱くなった。
コイツは、恥ずかしげもなくよくもまぁ。いや、コイツはそういうの気にしないのか。俺に馬鹿になってるから。
俺はもうとっくにアンタのもんなんだよ。いや、アンタが俺のもんなのか。
どちらにせよ、そういうことだ。
え、もしかして夜の話?勘弁してくれ。身が持たない。
とにかくそういうことじゃないんだよ。物理的な話をしてるんだ。
「そういうのいいから…。物の話してんだよ」
熱い頬を気取られないように目を逸らしてそう言うと、主税は「うーん…」と唸って首を傾げた。
サラダとスープが運ばれて来て、主税は店員に微笑んで「ありがとう」と声を掛けてからまた思案顔に戻る。
コイツのこういう所が好きだ。どんな相手にも敬意を払える人柄が。
改めて主税のことを「好きだなぁ」って再認識していると、主税は伺うように俺を見て呟いた。
「じゃあ、薫くんの枕」
その枕をどうするつもりなんだ。俺の枕が可哀想だろ。
真剣な顔をして言うのをじっとりと睨みつけると、主税は恥ずかしそうにはにかんだ。わかってて言ってるだろ。
コイツは俺のパジャマを洗いたくないだの変態臭いことを時々言う。
別に悪い気はしない辺り俺も大概頭おかしいと思うし、俺も主税の枕欲しいと思う。でもそこは踏みとどまれ大人として。
「俺は真剣に聞いてるんだけど」
ちょっと拗ねた顔を作って睨みつけると、主税は少し目を逸らしてから「ふっ」と腹から息を吐いた。急に真面目な顔になる。
つられて俺も息を詰める。
「…その、…一緒に住まない?」
……
一拍、空白が生まれた。
それから、言われた言葉の意味を理解して頭が沸騰したみたいに熱くなった。
「なっ、なに…っなに言って…!」
動揺しまくる俺を他所に主税はぺらぺら喋りだした。
「ほ、ほら、僕の部屋、スペース余ってるからさ、夜は一緒に寝ればいいとして、薫くんが来ても余裕あると思うんだ。それに通勤時間もそんなに変わらないでしょ?お互い行ったり来たりするよりはさ」
見るからに焦ってるその様子にこっちまで焦ってしまって、2人でわたわたと汗をかく。
「いや、主税の迷惑にならないんだったら俺も一緒に」
そこまで言って、余計に顔が熱くなった。
どうした俺。うっかりにもほどがあるだろ。
その先が紡げずに目を逸らすと、盗み見た主税はこの世の幸せを全部詰め込んだみたいな顔をしてこっちを見ていた。
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こんなの、断れるわけない。
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