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白いアザレアの花
66.魅惑的
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お風呂で悪戯してまた火を点けてやろうと思ってたのに、バレてしまった。彼はこういう時僕の目をジッとみて全部見透かしてしまう。不思議だ。
さっきまでの薫くんの媚態を思い出す。
僕は気付いてる。薫くんは「ダメ」とか、「ムリ」とは言うけど、「イヤ」とは言わない。
それは1つの指標だ。
薫くんが嫌がることは絶対にしない。でも、「もうダメ」「許して」ってとろとろになった顔で泣くのはもっと見たい。沢山イッて「怖い」ってしがみ付いてくれるのも堪らない。
ホントはもっとやってみたいことは一杯あるけど、探り探り、ゆっくりやっていこうと思ってる。焦りは禁物だ。
ダメだな。あざとい顔して演技してた薫くんが可愛いすぎて、もっと虐めたくなってしまった。
どうしてあんなことをするんだろう。僕の理性を試してるとしか思えない。
薫くんがどろどろに濡らしたベッドのシーツを交換する。こうさせたのが僕だと思うとどうしようもなく興奮した。
切り替えなきゃ。お風呂上りの薫くんを見てまた悪戯心が顔を出さないように。
ナイトテーブルに置いたカトレアを眺める。薫くんのことを考えながら買った花。ここの所よく彼と花屋さんに行く僕は、いつも奥さんに「うふっ」と笑われてしまう。彼女には敵わない。
彼はこの花の花言葉を知ってるだろうか。きっと知らないだろうな。知ってたら頬を赤らめて照れたような顔をしてそっぽを向くだろうから。
今度はどんな花を買おうか。
僕が心を落ち着けるために彼に贈る花を思い浮かべている時、かちゃん、とドアの開く音がした。入って来た彼は濡れた髪をタオルで拭いながら、僕の部屋に置きっぱなしにしている部屋着姿で眠そうな顔をしている。
ほんのり上気した頬。しっとりと額に掛かった前髪。身体に添ったくったりとした部屋着。
その部屋着、正直、洗いたくないんだよな。そういう思考に気付くたびに僕は馬鹿になってるなぁって思う。
一度冗談めかしてそれを伝えると、薫くんは「…こわ」と笑いながら返してきた。けど、目が笑ってなかったから渋々洗濯してる。
薫くんはとろんとした目でシーツを抱える僕を見てから一瞬恥ずかしそうな顔をして、目を逸らした。でも恥ずかしいのと眠いのとで眠い方が勝ったようだ。小さく欠伸をする。
「…先、寝るからな」
髪、乾かさないと明日また大変だよ?でも寝ぐせで大変なことになってる姿も、難しい顔してそれを直してセットしてる姿も全部可愛いから、うとうとしてる彼の髪を乾かしてあげるのとの2択で僕は前者を取ることにした。
「うん、おやすみ」
薫くんは「おやすみ」と欠伸交じりに言いながらタオルを枕に敷いてベッドに潜り込んだ。
僕もシャワーを浴びよう。色々濡れてしまったのが乾いて、お腹の辺りがピリピリしてる。
僕はまたそういうことを考えて、情欲が顔を出すのを無視するのに務めて部屋を後にした。
頭から温めのお湯をかぶりながら、ふぅ、と息を吐く。
僕は自分がこんなに性欲が強いと思ったことはなかった。むしろ淡泊な方だと思ってた。こんなに妄想が捗ることも初めてだ。
薫くんと一緒にいると初めての事ばかり経験させられる。
彼もそうだといいな。そうさせたいな。もちろん夜のことだけじゃなくて。
明日はデートだ。僕が怖くて行けなかった洋食屋さんに2人で行って、映画を見に行く。
明日彼は何を頼むだろう。この前行った時はエビフライを注文していて、また僕を悶えさせた。
可愛いの権化だ。僕はいよいよ心臓を増設することを考えないといけない。
彼の寝顔を楽しむ時間が惜しくて、明日は2人でドライヤーの取り合いになるなぁなんて思いながら大急ぎでシャワーを浴びた。
さっきまでの薫くんの媚態を思い出す。
僕は気付いてる。薫くんは「ダメ」とか、「ムリ」とは言うけど、「イヤ」とは言わない。
それは1つの指標だ。
薫くんが嫌がることは絶対にしない。でも、「もうダメ」「許して」ってとろとろになった顔で泣くのはもっと見たい。沢山イッて「怖い」ってしがみ付いてくれるのも堪らない。
ホントはもっとやってみたいことは一杯あるけど、探り探り、ゆっくりやっていこうと思ってる。焦りは禁物だ。
ダメだな。あざとい顔して演技してた薫くんが可愛いすぎて、もっと虐めたくなってしまった。
どうしてあんなことをするんだろう。僕の理性を試してるとしか思えない。
薫くんがどろどろに濡らしたベッドのシーツを交換する。こうさせたのが僕だと思うとどうしようもなく興奮した。
切り替えなきゃ。お風呂上りの薫くんを見てまた悪戯心が顔を出さないように。
ナイトテーブルに置いたカトレアを眺める。薫くんのことを考えながら買った花。ここの所よく彼と花屋さんに行く僕は、いつも奥さんに「うふっ」と笑われてしまう。彼女には敵わない。
彼はこの花の花言葉を知ってるだろうか。きっと知らないだろうな。知ってたら頬を赤らめて照れたような顔をしてそっぽを向くだろうから。
今度はどんな花を買おうか。
僕が心を落ち着けるために彼に贈る花を思い浮かべている時、かちゃん、とドアの開く音がした。入って来た彼は濡れた髪をタオルで拭いながら、僕の部屋に置きっぱなしにしている部屋着姿で眠そうな顔をしている。
ほんのり上気した頬。しっとりと額に掛かった前髪。身体に添ったくったりとした部屋着。
その部屋着、正直、洗いたくないんだよな。そういう思考に気付くたびに僕は馬鹿になってるなぁって思う。
一度冗談めかしてそれを伝えると、薫くんは「…こわ」と笑いながら返してきた。けど、目が笑ってなかったから渋々洗濯してる。
薫くんはとろんとした目でシーツを抱える僕を見てから一瞬恥ずかしそうな顔をして、目を逸らした。でも恥ずかしいのと眠いのとで眠い方が勝ったようだ。小さく欠伸をする。
「…先、寝るからな」
髪、乾かさないと明日また大変だよ?でも寝ぐせで大変なことになってる姿も、難しい顔してそれを直してセットしてる姿も全部可愛いから、うとうとしてる彼の髪を乾かしてあげるのとの2択で僕は前者を取ることにした。
「うん、おやすみ」
薫くんは「おやすみ」と欠伸交じりに言いながらタオルを枕に敷いてベッドに潜り込んだ。
僕もシャワーを浴びよう。色々濡れてしまったのが乾いて、お腹の辺りがピリピリしてる。
僕はまたそういうことを考えて、情欲が顔を出すのを無視するのに務めて部屋を後にした。
頭から温めのお湯をかぶりながら、ふぅ、と息を吐く。
僕は自分がこんなに性欲が強いと思ったことはなかった。むしろ淡泊な方だと思ってた。こんなに妄想が捗ることも初めてだ。
薫くんと一緒にいると初めての事ばかり経験させられる。
彼もそうだといいな。そうさせたいな。もちろん夜のことだけじゃなくて。
明日はデートだ。僕が怖くて行けなかった洋食屋さんに2人で行って、映画を見に行く。
明日彼は何を頼むだろう。この前行った時はエビフライを注文していて、また僕を悶えさせた。
可愛いの権化だ。僕はいよいよ心臓を増設することを考えないといけない。
彼の寝顔を楽しむ時間が惜しくて、明日は2人でドライヤーの取り合いになるなぁなんて思いながら大急ぎでシャワーを浴びた。
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