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◇私になくてアイツにあるもの◇
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「遅くなっちゃったな」
いつもならお風呂も終わって、ベッドの上でのんびり自分時間を満喫している頃だ。
「はぁ~、疲れた」
こんな時間帯でもきちんと歩いて帰る。
夜中だからと言って、家の近くのコンビニまで続く今歩いてるこの道は、道路沿いという事もあり営業中の外食店などの明かりもあって暗さを感じないから1人で歩いていても全然平気だ。
黙々と歩いている私の目線の先には、いつもの通い慣れたコンビニがあり。
「お弁当買っていこうかな。でも、さすがにこの時間に食べちゃうと太るよな~。しかも明日は歓迎会があるし」
実は、放置したまますっかり忘れていた砂東フロア長の歓迎会の返事。
事務所の掲示板に張り出されていた出欠確認表には、いつの間にか、参加する欄に甘味の印が押してあり。
きっと平岡くんの仕業だなと問いただしてみたけど「自分じゃないっすよ」って言ってたっけ。
でもまぁ、若林ちゃんも参加するなら私も参加でいいんだけど。
「よし!やっぱ今日ぐらい我慢するか」
そう決意し、後ろ髪を引かれながらも私はコンビニを通りすぎる。
コンビニからアパートまでは徒歩で10分もかからない。
そう時間はかからないけど、今まで明るかった交通量の多い通りに比べて、コンビニを左に曲がると住宅街に入るまでの道のりは一気に街灯が少なくなり、この10分足らずの道のりだけはいくら通い慣れているとはいえちょっと怖い。
だから自然と早歩きになってしまう。
なるべく楽しい事を思い浮かべようと頭を捻る。
「何かあったかな?んんーーー、、、」
生活に彩りがない私にとって、楽しい事を考えるのにこんなに頭を悩ませないといけないのが悲しい。
結局は無心で歩道を歩く私は、後ろからのライトの光とタイヤがゆっくりと近づいてくる音に気付き、横目で車が通りすぎるのを確認する。
少し先で、横を通りすぎた車がハザードランプをつけ停車した。
月明かりだけが頼りのこの道。
次の街灯はまだ先で。
そんな中、どう見ても知らないブラックのSUV車が、停車したままアクションを一つ起こす事なく。
誰か降りてくるのかと思いきや、そんな様子もない。
「え、何??」
思わず一瞬立ち止まってしまったが、この道を真っ直ぐ行かなければアパートまで帰れない。
早歩きでその車まで近づき、そのままの勢いで通りすぎようとした時だった。
「おい!」
ウィーンとゆっくり開いていく窓から、男の人の低い声。
「え」
6年間通い慣れた道で初めての出来事に、私の心臓は爆発寸前で、私は脇目もふらず一直線に突き進む。
「おいって!止まれよ!」
怖っ、怖っ、怖っ、怖っ!!!
あんな大声で止まれ!なんて言われて素直に止まるわけがない。
「あ」
もしかして、道を尋ねたいだけかもしれないと一瞬頭をよぎったが、それなら、あんな怒鳴り声ではないはずだ。
ここ近年、物騒な事件をニュースで頻繁に見る。
もしこのまま捕まりでもしたら…明日、世間を騒がせるのは………私?!
やっぱ無視が1番だ!!
でもこのまま直接帰って、アパートまでバレたらどうしよう?!
警察に行く?!
いや、遠すぎる!
どうする?!!
どうしよう?!!
バッグから急いで携帯電話を取り出して、お守りがわりにギュッと握りしめる。
それでもその車は、ゆっくりと私と平行しついてくる。
「おい!」
やっぱり私の事を呼んでいるの?!
携帯電話を握る手に力が入る。
「おーーいってば!」
もうダメだ!
走ろう!!!
「聞こえてんだろ!甘味!無視すんなよな!!」
名前を呼ばれ、横についてくる車を勢いよく見ると、そこには全開にした窓に左手をつき私を睨み付けている砂東フロア長の姿があった。
「ちょっと!!何してくれてんのよ!心臓に悪いでしょ!!めちゃめちゃ怖かったんだから!こんな暗い道で女の人に話しかけちゃダメでしょ!!警察に電話しようと思ったんだからね!!」
安心感から近所迷惑すら考えず、大声で文句を捲し立てる。
「とりあえず乗れ!」
「は?!何でよ?!」
「家まで送ってくって言ってんの!ってかさ、先に店出んなよ!元々送るつもりだったのにいないから焦ったんだぞ!一か八かこっちの方向来て見つけられたからいーものの!帰るなら声かけろよ!」
私同様文句を捲し立てる砂東フロア長。
「は?!店長にはきちんと"失礼しまーす。"て言ってきたわよ!」
「違う!俺にも声をかけろっつってんだろ!」
「何でよ!アンタは更衣室に行ってたし、こっちは早く帰りたかったのよ!わざわざ手伝ってやったのに、なんなのよ!もうっ!!」
私は苛立ちを抑えられないまま、砂東フロア長を置いてスタスタ歩きだす。
「ちょっ?!甘味!乗れって!」
後ろから、砂東フロア長の声がするけれど、もう相手にしてられない。
握りしめていた携帯電話もバッグになおし、気にせず足早に真っ直ぐ進んで行く。
アイツに関わると、やっぱりろくな事がないな。
「はぁ~、早く帰ろ」
今日こそは、浴槽にお湯をためて入りたいな。
目指すは愛しのマイホーム。
あ、明日は燃えるゴミの日だ。
ゴミ袋も少なくなってきてたから、買い足さなきゃな~。
朝方も寒いし、そろそろ毛布も出そうかな。
「甘味って!待てよ!」
「キャッ!」
急に腕を掴まれグイッと引っ張られたかと思うと、何故か私は一瞬で砂東フロア長の腕の中に閉じ込められていた。
いつもならお風呂も終わって、ベッドの上でのんびり自分時間を満喫している頃だ。
「はぁ~、疲れた」
こんな時間帯でもきちんと歩いて帰る。
夜中だからと言って、家の近くのコンビニまで続く今歩いてるこの道は、道路沿いという事もあり営業中の外食店などの明かりもあって暗さを感じないから1人で歩いていても全然平気だ。
黙々と歩いている私の目線の先には、いつもの通い慣れたコンビニがあり。
「お弁当買っていこうかな。でも、さすがにこの時間に食べちゃうと太るよな~。しかも明日は歓迎会があるし」
実は、放置したまますっかり忘れていた砂東フロア長の歓迎会の返事。
事務所の掲示板に張り出されていた出欠確認表には、いつの間にか、参加する欄に甘味の印が押してあり。
きっと平岡くんの仕業だなと問いただしてみたけど「自分じゃないっすよ」って言ってたっけ。
でもまぁ、若林ちゃんも参加するなら私も参加でいいんだけど。
「よし!やっぱ今日ぐらい我慢するか」
そう決意し、後ろ髪を引かれながらも私はコンビニを通りすぎる。
コンビニからアパートまでは徒歩で10分もかからない。
そう時間はかからないけど、今まで明るかった交通量の多い通りに比べて、コンビニを左に曲がると住宅街に入るまでの道のりは一気に街灯が少なくなり、この10分足らずの道のりだけはいくら通い慣れているとはいえちょっと怖い。
だから自然と早歩きになってしまう。
なるべく楽しい事を思い浮かべようと頭を捻る。
「何かあったかな?んんーーー、、、」
生活に彩りがない私にとって、楽しい事を考えるのにこんなに頭を悩ませないといけないのが悲しい。
結局は無心で歩道を歩く私は、後ろからのライトの光とタイヤがゆっくりと近づいてくる音に気付き、横目で車が通りすぎるのを確認する。
少し先で、横を通りすぎた車がハザードランプをつけ停車した。
月明かりだけが頼りのこの道。
次の街灯はまだ先で。
そんな中、どう見ても知らないブラックのSUV車が、停車したままアクションを一つ起こす事なく。
誰か降りてくるのかと思いきや、そんな様子もない。
「え、何??」
思わず一瞬立ち止まってしまったが、この道を真っ直ぐ行かなければアパートまで帰れない。
早歩きでその車まで近づき、そのままの勢いで通りすぎようとした時だった。
「おい!」
ウィーンとゆっくり開いていく窓から、男の人の低い声。
「え」
6年間通い慣れた道で初めての出来事に、私の心臓は爆発寸前で、私は脇目もふらず一直線に突き進む。
「おいって!止まれよ!」
怖っ、怖っ、怖っ、怖っ!!!
あんな大声で止まれ!なんて言われて素直に止まるわけがない。
「あ」
もしかして、道を尋ねたいだけかもしれないと一瞬頭をよぎったが、それなら、あんな怒鳴り声ではないはずだ。
ここ近年、物騒な事件をニュースで頻繁に見る。
もしこのまま捕まりでもしたら…明日、世間を騒がせるのは………私?!
やっぱ無視が1番だ!!
でもこのまま直接帰って、アパートまでバレたらどうしよう?!
警察に行く?!
いや、遠すぎる!
どうする?!!
どうしよう?!!
バッグから急いで携帯電話を取り出して、お守りがわりにギュッと握りしめる。
それでもその車は、ゆっくりと私と平行しついてくる。
「おい!」
やっぱり私の事を呼んでいるの?!
携帯電話を握る手に力が入る。
「おーーいってば!」
もうダメだ!
走ろう!!!
「聞こえてんだろ!甘味!無視すんなよな!!」
名前を呼ばれ、横についてくる車を勢いよく見ると、そこには全開にした窓に左手をつき私を睨み付けている砂東フロア長の姿があった。
「ちょっと!!何してくれてんのよ!心臓に悪いでしょ!!めちゃめちゃ怖かったんだから!こんな暗い道で女の人に話しかけちゃダメでしょ!!警察に電話しようと思ったんだからね!!」
安心感から近所迷惑すら考えず、大声で文句を捲し立てる。
「とりあえず乗れ!」
「は?!何でよ?!」
「家まで送ってくって言ってんの!ってかさ、先に店出んなよ!元々送るつもりだったのにいないから焦ったんだぞ!一か八かこっちの方向来て見つけられたからいーものの!帰るなら声かけろよ!」
私同様文句を捲し立てる砂東フロア長。
「は?!店長にはきちんと"失礼しまーす。"て言ってきたわよ!」
「違う!俺にも声をかけろっつってんだろ!」
「何でよ!アンタは更衣室に行ってたし、こっちは早く帰りたかったのよ!わざわざ手伝ってやったのに、なんなのよ!もうっ!!」
私は苛立ちを抑えられないまま、砂東フロア長を置いてスタスタ歩きだす。
「ちょっ?!甘味!乗れって!」
後ろから、砂東フロア長の声がするけれど、もう相手にしてられない。
握りしめていた携帯電話もバッグになおし、気にせず足早に真っ直ぐ進んで行く。
アイツに関わると、やっぱりろくな事がないな。
「はぁ~、早く帰ろ」
今日こそは、浴槽にお湯をためて入りたいな。
目指すは愛しのマイホーム。
あ、明日は燃えるゴミの日だ。
ゴミ袋も少なくなってきてたから、買い足さなきゃな~。
朝方も寒いし、そろそろ毛布も出そうかな。
「甘味って!待てよ!」
「キャッ!」
急に腕を掴まれグイッと引っ張られたかと思うと、何故か私は一瞬で砂東フロア長の腕の中に閉じ込められていた。
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