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1章 火の魔石
灰燼
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さて、そろそろ頃合いだろう。
火の魔石騒動から2日後の正午、ウォレットはようやく村役場から出てきた。前日まで村役場に詰め掛けていた人々は霧散し、吹雪も止んで村はすっかり静かになったからだ。背負子に火の魔石がいっぱいに入った箱を乗せ、小太りの体をゴムまりのように弾ませて意気揚々と出てきた。
(やっとまともに火の魔石を売れるぜ。愚民どもが手間かけさせやがって。手間賃として火の魔石を10倍の値段まで吊り上げてやる。そんな値段でも買わざるを得ないよなぁ?冬が厳しいこの村で、吹雪の中でも安定して着火できる火種は貴重だもんなぁ?今更棒と板で火起こしなんてやってらんないもんなぁ?
さぁ買いに来い。行商人のソンは昨日王都に帰って向こう1週間は帰ってこない。火の魔石はもう俺から買うしかないぞ?困るだろう?さぁ凍え死にたくなきゃ買いに来い…!)
…しかしウォレットは誰からも声がかからないことに違和感を覚える。いや…声がかからないというか、人がいない…?それどころか…村役場以外の建物が…無くなってる!?
「お、おいどうなってんだよ…!なんだよこれ!俺の村はどこいったんだよぉ!」
狼狽するウォレット。しかしいくら村民の名前を呼んでも木々の間に吸い込まれるだけ。ここではやまびこすらも帰ってこない。狼狽するのも無理はない。だって、村役場の建物を残して村の全てが一つ残らず忽然と姿を消しているのだから。
あまりの異常事態に、ウォレットは火の魔石を載せた背負子を村役場の入り口に放り出し、走り出した。
(どこだ!?どこだ俺の村!?)
走り出して1時間。顔を真っ赤にして息を切らし、木に手を突く姿はまさに無様だな。だがでたらめな方向に走って森の中をほぼぐるぐる回っていたせいでまだ村役場から1㎞と離れてないぞ?
しかしこれ以上走らせて森の中で凍死しても寝覚めが悪い。仕方なく私は彼の監視のを止めて姿を現した。
彼は私の姿を視界にとらえるとすぐさま駆け寄り、鼻息荒くしてまくし立ててきた。
「おい!俺の村は!オラガ村は知らないか!?この近くにある村だ」
「もちろんオラガ村は知ってます、故郷ですから。でも『俺の村』なんてのは知りませんね」
私は被ったフードを取って顔を見せた。ウォレットはしかめっ面。
「村の人間か?見たことない奴だな…」
「そりゃあ次期村長とあらせられるお方がイチ村民の顔なんて覚えてるはずもないでしょう。でも、ジョブスの息子と聞けば少しはわかりますかね?」
そう聞くと、少し考えるような素振りを見せて思い出したようだ。
「ジョブス?ああ、騒動の時に真っ先に俺に突っかかってきた貧乏猟師だな?親父を呼びに行くとか宣ってたな」
「その後どうなったかはご存じで?」
「さぁ知るわけないだろ?まぁ親父が来てない事を見るに、あの吹雪の中トリスキンにたどり着くことはできなかったみたいだがな」
なんの興味もなさそうな彼の表情に、殺意を覚えるがぐっとそれを堪えて声を絞り出す。
「…死にかけましたよ。遭難して」
それを聞くと、ウォレットは躊躇いもせず高らかに笑い始めた。
「クハッ!こいつは傑作だな!俺に歯向かうからそんな事になんだよ!お前も愚かな父親を持ってさぞや大変だったろうな!クハッハッハッハッ!大人しく俺から火の魔石を買っていればよかったんだ!」
ボウッ…。堪えていたが、ついに腹の底で燃える憎悪の炎が爆ぜて舞い上がり、喉からあふれ出した。
「お前ら転売ヤーはいつもそうだ…。何も考えていない…ッ。自分の小遣い稼ぎのために人を苦しめる事をいとわず、何が起こっても自分がした事じゃない、買えなかった方が悪いと逃げ回るッ…!」
そうしてお前らは私の家族を奪うんだ…!
エマを…!そして今度は父を…!
「てんばいやー?なんだよそれ。俺がどんな悪い事したってんだよ。俺はただ火の魔石が大量に仕入れて、村に向けて売ろうとしたんだ。手数料としてちょっと利益を上乗せしてな。やってる事は行商人なんかと変わんないだろ?」
そして何を思いついたのか、肩に腕を回して話を持ち掛けてきた。
「なぁ、なにが起こったかは分からないが、オラガ村はどこかにあるんだろ?また今夜吹雪くかもしれない。火の魔石を切らしてる家庭もあるはずだ。そんな人たちを助けたいんだよ。だからさぁ、案内してくれないかな?」
何が助けたいだ…!窮地に追いやってるのはお前自身だろ…!
と再び突沸しそうになる肚を鎮めて、しかし語気を強めて言葉を放った。
「ご心配なく、火の魔石は間に合ってるので」
私はそう言い切ると懐から火の魔石を取り出した。
「おお、それはよかったなぁ。どうやって手に入れたかは知らんが、それだけで次の行商人が来る1週間後までもつのか?それに困っているのはお前だけじゃないだろう。村民全員分の火の魔石なんて…」
「もちろん村民全員分、今月乗り切る分は用意して私が売ってます」
「は、はぁ!?」
「証拠をお見せしましょう」
肩を組んでいる彼の腕を左手でつかむと、右手で懐から火の魔石とは違う魔石を取り出し、それを振りかざした。
途端に景色が飛ぶ。雪積もる森が歪み、色を変えていく。そして次の瞬間には箱が大量に積まれたボロボロの小屋、その床に書かれた魔法陣の上に私たちは立っていた。
「…て、転移魔法…!?」
転移魔法。数多ある魔法の中でも高等魔法に類するもので、自分のいる位置から魔法陣に瞬間移動したり、魔法陣から地図上の任意の位置に転移する魔術だ。本来であれば自分のような一般人に高等魔法は使える由もないが、この転移魔術だけは魔力よりも準備の比重が大きい。それに目を付けた私は子供の頃より納屋の中で魔法陣を描き、毎日回復する自分の僅かな魔力を魔石に込める事で、こうして魔石を振るだけで納屋までひとっ飛びできるようにしたわけだ。
「な、なんで魔術師でも無いお前が転移魔法を…!」
「そりゃあ、2点間を瞬時に移動できる方法があるならば、それは運送コストも時間もかからない最強の物流、経済においてはこの上ないチート能力になりますからね。他全てを捨てても習得するのは当然です」
「は!?ケーザイ!?何語だよ!」
「おっと、口が滑りましたね」
経済は元居た世界ではアダム・スミスが18世紀に生み出した言葉。この世界で同じような言葉が出てくるのは3世紀以上は先だったな。
「おい…このおんぼろ小屋はどこだよ!?なんだよこの箱は!」
「ここはデント家の裏にある納屋です。今は私が自由に使わせてもらってます」
「これ…全部火の魔石か!?」
積み上げられた木箱。その数はウォレットが買い占めた火の魔石の5倍はある。
「こんな量の火の魔石、どこから手に入れた!?」
「トリスキン王国の王都ですよ。この転移魔法陣はトリスキンにも敷いてあるんですよ。あそこは魔石を生産する魔術師がたくさんいますからね。行商人が売るよりも安く手に入りましたよ」
「い、いいや嘘だね!こんな量の魔石を買う金、一介の貧乏猟師の息子が持っているわけない!偽物なんだろ!?」
「偽物だったら、今頃あなたのもとに村民たちは殺到しているでしょうね。良ければ一つお手に取ってみてもいいですよ」
進めると、彼は箱から一つ火の魔石を取り出してその先端から火が出ることを確認する。
「今この魔石を行商人の提示している価格より多少安い価格で売っています。行商人さんには申し訳ないですが、向こうしばらくは火の魔石を定価で売ることはできないでしょうね」
「そ、そんな…」
ウォレットががっくりとうなだれる。
「お、俺の持ってる魔石はどうするんだ…!親父が返ってくるまでに取り戻せると思って親父の金庫の金で買ったんだぞ!売れなくなったらどうすんだよ!」
「さぁ、元手はどこから調達するか、その後どう売って、結果売れるか売れないかまで全部の責任を自分で負ってこその商人でしょう」
「いや、俺は商人じゃねぇぞ!なのにこんな事になるのはおかしいだろ!」
「いいえ、物の売買に携わった時点であなたはすでに商人です。どんなに叫んでも、誰かがあなたの責任を肩代わりしてくれる事はありませんよ」
「く、くそっ…こうなったら多少安くなっても売って…!」
「ちなみに、今から私と同じ値段で売ろうとしても無駄ですからね。村民たちはみんな『ウォレットからは買わない』とまことしやかに囁いてますから。商売はね、価格だけじゃなくて信用も大事なんですよ」
そこまで言うと、ウォレットはがっくりとうなだれた。自分のした事を悔やんでいるのか、それともこんなはずではと狼狽しているのか、ぶつぶつと何かを呟いている。
「お、お前のせいだ…。お前がこんなことしなければ俺が火の魔石を売って、金を金庫に戻してそれで平和に終わってたはずなんだ!全部お前のせいだ!」
頭を抱えていたと思ったら、大きくふり被って殴りかかってきた。そのコブシは綺麗に私の頬を打つ。
あまりに不意の事で対した威力でないのに足がすくんで床にしりもちをつく。
そして見上げた先にいるウォレットの姿に、前世で私を殺したあの転売ヤーの姿が重なった。
「私がどんな悪いことをしたって言うんですか?私はただ、オラガ村で火の魔石が品薄になってる状況を見て、たまたま用意してた転移魔法でトリスキンに赴き、たまたま用意してた資金で火の魔石を格安で大量に買い、この町で行商人より安い価格で売っただけです」
怒りが頂点に達した私はウォレットの胸倉を掴み、額を突き合わせた。
「商売舐めんなよ、クソ転売ヤー」
その鬼気迫る気迫に一瞬ひるむウォレット。だがそれで自棄になったのか、
「この…!クソ…野郎がぁぁぁ!」
と再度殴ろうとコブシを振り上げた。私はそれでも暴力に暴力で立ち向かう事はせず、歯を食いしばってきたる痛みに耐える…。
「やめないか大馬鹿ものがっ!」
殴られる寸前、納屋の扉が勢いよく開き、怒鳴り声と共に太った壮年の男性が入ってきた。それを目にして一瞬で凍りつくウォレット。
「お、親父…!?なんでここに…」
「言ったでしょう、トリスキンの王都にも魔法陣を敷いていると。息子さんがこんな騒動起こしてるんです。火の魔石を買うついでにトリスキンの王都にいたバレット村長を連れてくるのは当然でしょう」
青ざめた表情のウォレットに対してバレット村長はその丸い顔を今にも破裂させそうなほど真っ赤にしていた。
「大馬鹿者が…ワシが留守の間に村民に迷惑をかけて小遣い稼ぎとは…!おかげで貴重な優れた猟師を一人失いかけたのだぞ!」
「親父、違うんだ!村長になる為には商売も学んでおかなきゃと思って!」
「お前のような村民を虐げる愚か者に村長などできるものか!そんなに自分を特別だと思うならあの村役場と買った火の魔石はくれてやるから一人で生きてみせろ!」
魔法も剣も腕が立つ豪傑村長と噂しれていたが、オラガ村に連れてきて真っ先にウォレットを立てこもっている村役場ごと村の外になんの用意もない転移魔法で飛ばした時は流石に村民全員ビビっていたな…。
「お、おい、一人でって、どういうことだよ!」
「お前は勘当だ!村からも追放とする!二度とこの村の土を踏む事を許さん!」
「勘弁してくれ!ここ以外じゃ生きていけねぇよ!」
「黙れ!お前はワシの息子でも、この村の民でもない!でていけ!」
その一言がチェックメイトだったのか、ウォレットはヘナヘナと頼りなく崩れ落ちた。
「そんな…俺の…村が…」
それ以上はバレット村長は息子に言葉をかけなかった。何かを噛み締めるような怒りと悲しみが混じった表情で踵を返し、すれ違いざまに私の肩に手を置いた。
「ヤミー君、色々迷惑をかけて申し訳なかった」
「いえ、村長に謝られることではありませんよ。もうこいつの親でもないんですから」
冷たく言い放つ私の言葉に、もはや言い返さずに身体を震わせるだけとなった哀れなウォレット。
「…ああ、そうだな。最後にこの者を村役場に送ってくれないか」
だが、やはり親の情というのはすぐには消えない…か。
村役場は村長が村の外に飛ばす前に必要なものは取り払ったが、非常時のための備蓄食糧などは残している。加えてあいつの買った火の魔石はオラガ村では売れないとはいえ、トリスキンや他の町まで辿り着ければそれなりの生活資金には換えれるはずだ。
命までは奪うつもりはない。自分の知らない所で勝手に生きてくれ。それがバレット村長の父親としての最後の慈悲か。
「ではいきましょうか」
自分としては少し物足りない気もするが、これ以上手を下せばそれは私刑。正当化できる物ではない。
私は村長のいうままにウォレットの腕を引き、先程転移してきた魔法陣とは別の魔法陣の上に立った。
先程の魔法陣は魔石とリンクして魔石を持つ者を瞬時に魔法陣の書かれた場所まで瞬間移動させる魔法だが、コレは違う。これは地図で示した任意の位置に飛ぶ魔法陣だ。
「…この恨みは絶対忘れない…。あの火の魔石を売って、それを元手に絶対この村に復讐しにきてやるからな…!」
…こいつには真っ当に生きるという思考は無いのだろうか。
人に言える立場じゃないがな。
「逆恨みもいい所です。それではいきますよ」
捨て台詞は聞いたので、私はウォレットと共に村役場の近くへと瞬間転移した。
「お前、名前はヤミーとか言ったな」
「ええ、そうですね」
「覚えたぞ…テメェも絶対ぶち殺してやる…。いつか金と権力を持って、この村と一緒に潰しに行くからな…」
転移先で俺に掴みかかり、悪態をつくウォレットを横目に、ある事に気がついた私はその手を振り解いてさっさと撤退する事にした。
「人を殺すことよりも、まずは自分の命を案じた方がいいですよ」
「ハッ、何を言ってんだよ」
「火の魔石って一個一個であれば火力もないし取扱が簡単なんですけどね。箱単位であると結構危ない物なんですよ。倉庫の棚から落ちて勝手に着火してしまいボヤ騒ぎなんてのも商人の間でしょっちゅうあるらしく。その辺も含めて商人は商品のことをよく熟知している必要があるんです。そうでないと一瞬で全てを失うこともあるんですよ」
「…?何が言いたいんだよ」
「もう遅いかも知れませんが、村役場が燃えてるのが見えるのでね」
私が指さす方向にウォレットが目を向けると見てわかるほど顔が青くなった。
その先には轟々と炎を上げる村役場。その玄関先にはうっすらとではあるが、門の刻まれた石が散らばっているように見える。
「あ…あ…あぁぁぁぁぁぁぁ…!」
情けない嘆きと共にウォレットが雪の上に跪き、天を仰ぐ。燃える村役場から立ち登る煙を見ながら何を見据えているのか、私には想像もつかない。
「…雪が降ってきましたね」
しんしんと降り始める雪。まだ昼間だが雲は厚く山の方から風が吹いている。これは父に教えてもらった、吹雪がくる前兆だ。
「今夜は寒くなるので、暖かくしてくださいね」
そう言い残して、私は転移の魔石を振りかざした。
火の魔石騒動から2日後の正午、ウォレットはようやく村役場から出てきた。前日まで村役場に詰め掛けていた人々は霧散し、吹雪も止んで村はすっかり静かになったからだ。背負子に火の魔石がいっぱいに入った箱を乗せ、小太りの体をゴムまりのように弾ませて意気揚々と出てきた。
(やっとまともに火の魔石を売れるぜ。愚民どもが手間かけさせやがって。手間賃として火の魔石を10倍の値段まで吊り上げてやる。そんな値段でも買わざるを得ないよなぁ?冬が厳しいこの村で、吹雪の中でも安定して着火できる火種は貴重だもんなぁ?今更棒と板で火起こしなんてやってらんないもんなぁ?
さぁ買いに来い。行商人のソンは昨日王都に帰って向こう1週間は帰ってこない。火の魔石はもう俺から買うしかないぞ?困るだろう?さぁ凍え死にたくなきゃ買いに来い…!)
…しかしウォレットは誰からも声がかからないことに違和感を覚える。いや…声がかからないというか、人がいない…?それどころか…村役場以外の建物が…無くなってる!?
「お、おいどうなってんだよ…!なんだよこれ!俺の村はどこいったんだよぉ!」
狼狽するウォレット。しかしいくら村民の名前を呼んでも木々の間に吸い込まれるだけ。ここではやまびこすらも帰ってこない。狼狽するのも無理はない。だって、村役場の建物を残して村の全てが一つ残らず忽然と姿を消しているのだから。
あまりの異常事態に、ウォレットは火の魔石を載せた背負子を村役場の入り口に放り出し、走り出した。
(どこだ!?どこだ俺の村!?)
走り出して1時間。顔を真っ赤にして息を切らし、木に手を突く姿はまさに無様だな。だがでたらめな方向に走って森の中をほぼぐるぐる回っていたせいでまだ村役場から1㎞と離れてないぞ?
しかしこれ以上走らせて森の中で凍死しても寝覚めが悪い。仕方なく私は彼の監視のを止めて姿を現した。
彼は私の姿を視界にとらえるとすぐさま駆け寄り、鼻息荒くしてまくし立ててきた。
「おい!俺の村は!オラガ村は知らないか!?この近くにある村だ」
「もちろんオラガ村は知ってます、故郷ですから。でも『俺の村』なんてのは知りませんね」
私は被ったフードを取って顔を見せた。ウォレットはしかめっ面。
「村の人間か?見たことない奴だな…」
「そりゃあ次期村長とあらせられるお方がイチ村民の顔なんて覚えてるはずもないでしょう。でも、ジョブスの息子と聞けば少しはわかりますかね?」
そう聞くと、少し考えるような素振りを見せて思い出したようだ。
「ジョブス?ああ、騒動の時に真っ先に俺に突っかかってきた貧乏猟師だな?親父を呼びに行くとか宣ってたな」
「その後どうなったかはご存じで?」
「さぁ知るわけないだろ?まぁ親父が来てない事を見るに、あの吹雪の中トリスキンにたどり着くことはできなかったみたいだがな」
なんの興味もなさそうな彼の表情に、殺意を覚えるがぐっとそれを堪えて声を絞り出す。
「…死にかけましたよ。遭難して」
それを聞くと、ウォレットは躊躇いもせず高らかに笑い始めた。
「クハッ!こいつは傑作だな!俺に歯向かうからそんな事になんだよ!お前も愚かな父親を持ってさぞや大変だったろうな!クハッハッハッハッ!大人しく俺から火の魔石を買っていればよかったんだ!」
ボウッ…。堪えていたが、ついに腹の底で燃える憎悪の炎が爆ぜて舞い上がり、喉からあふれ出した。
「お前ら転売ヤーはいつもそうだ…。何も考えていない…ッ。自分の小遣い稼ぎのために人を苦しめる事をいとわず、何が起こっても自分がした事じゃない、買えなかった方が悪いと逃げ回るッ…!」
そうしてお前らは私の家族を奪うんだ…!
エマを…!そして今度は父を…!
「てんばいやー?なんだよそれ。俺がどんな悪い事したってんだよ。俺はただ火の魔石が大量に仕入れて、村に向けて売ろうとしたんだ。手数料としてちょっと利益を上乗せしてな。やってる事は行商人なんかと変わんないだろ?」
そして何を思いついたのか、肩に腕を回して話を持ち掛けてきた。
「なぁ、なにが起こったかは分からないが、オラガ村はどこかにあるんだろ?また今夜吹雪くかもしれない。火の魔石を切らしてる家庭もあるはずだ。そんな人たちを助けたいんだよ。だからさぁ、案内してくれないかな?」
何が助けたいだ…!窮地に追いやってるのはお前自身だろ…!
と再び突沸しそうになる肚を鎮めて、しかし語気を強めて言葉を放った。
「ご心配なく、火の魔石は間に合ってるので」
私はそう言い切ると懐から火の魔石を取り出した。
「おお、それはよかったなぁ。どうやって手に入れたかは知らんが、それだけで次の行商人が来る1週間後までもつのか?それに困っているのはお前だけじゃないだろう。村民全員分の火の魔石なんて…」
「もちろん村民全員分、今月乗り切る分は用意して私が売ってます」
「は、はぁ!?」
「証拠をお見せしましょう」
肩を組んでいる彼の腕を左手でつかむと、右手で懐から火の魔石とは違う魔石を取り出し、それを振りかざした。
途端に景色が飛ぶ。雪積もる森が歪み、色を変えていく。そして次の瞬間には箱が大量に積まれたボロボロの小屋、その床に書かれた魔法陣の上に私たちは立っていた。
「…て、転移魔法…!?」
転移魔法。数多ある魔法の中でも高等魔法に類するもので、自分のいる位置から魔法陣に瞬間移動したり、魔法陣から地図上の任意の位置に転移する魔術だ。本来であれば自分のような一般人に高等魔法は使える由もないが、この転移魔術だけは魔力よりも準備の比重が大きい。それに目を付けた私は子供の頃より納屋の中で魔法陣を描き、毎日回復する自分の僅かな魔力を魔石に込める事で、こうして魔石を振るだけで納屋までひとっ飛びできるようにしたわけだ。
「な、なんで魔術師でも無いお前が転移魔法を…!」
「そりゃあ、2点間を瞬時に移動できる方法があるならば、それは運送コストも時間もかからない最強の物流、経済においてはこの上ないチート能力になりますからね。他全てを捨てても習得するのは当然です」
「は!?ケーザイ!?何語だよ!」
「おっと、口が滑りましたね」
経済は元居た世界ではアダム・スミスが18世紀に生み出した言葉。この世界で同じような言葉が出てくるのは3世紀以上は先だったな。
「おい…このおんぼろ小屋はどこだよ!?なんだよこの箱は!」
「ここはデント家の裏にある納屋です。今は私が自由に使わせてもらってます」
「これ…全部火の魔石か!?」
積み上げられた木箱。その数はウォレットが買い占めた火の魔石の5倍はある。
「こんな量の火の魔石、どこから手に入れた!?」
「トリスキン王国の王都ですよ。この転移魔法陣はトリスキンにも敷いてあるんですよ。あそこは魔石を生産する魔術師がたくさんいますからね。行商人が売るよりも安く手に入りましたよ」
「い、いいや嘘だね!こんな量の魔石を買う金、一介の貧乏猟師の息子が持っているわけない!偽物なんだろ!?」
「偽物だったら、今頃あなたのもとに村民たちは殺到しているでしょうね。良ければ一つお手に取ってみてもいいですよ」
進めると、彼は箱から一つ火の魔石を取り出してその先端から火が出ることを確認する。
「今この魔石を行商人の提示している価格より多少安い価格で売っています。行商人さんには申し訳ないですが、向こうしばらくは火の魔石を定価で売ることはできないでしょうね」
「そ、そんな…」
ウォレットががっくりとうなだれる。
「お、俺の持ってる魔石はどうするんだ…!親父が返ってくるまでに取り戻せると思って親父の金庫の金で買ったんだぞ!売れなくなったらどうすんだよ!」
「さぁ、元手はどこから調達するか、その後どう売って、結果売れるか売れないかまで全部の責任を自分で負ってこその商人でしょう」
「いや、俺は商人じゃねぇぞ!なのにこんな事になるのはおかしいだろ!」
「いいえ、物の売買に携わった時点であなたはすでに商人です。どんなに叫んでも、誰かがあなたの責任を肩代わりしてくれる事はありませんよ」
「く、くそっ…こうなったら多少安くなっても売って…!」
「ちなみに、今から私と同じ値段で売ろうとしても無駄ですからね。村民たちはみんな『ウォレットからは買わない』とまことしやかに囁いてますから。商売はね、価格だけじゃなくて信用も大事なんですよ」
そこまで言うと、ウォレットはがっくりとうなだれた。自分のした事を悔やんでいるのか、それともこんなはずではと狼狽しているのか、ぶつぶつと何かを呟いている。
「お、お前のせいだ…。お前がこんなことしなければ俺が火の魔石を売って、金を金庫に戻してそれで平和に終わってたはずなんだ!全部お前のせいだ!」
頭を抱えていたと思ったら、大きくふり被って殴りかかってきた。そのコブシは綺麗に私の頬を打つ。
あまりに不意の事で対した威力でないのに足がすくんで床にしりもちをつく。
そして見上げた先にいるウォレットの姿に、前世で私を殺したあの転売ヤーの姿が重なった。
「私がどんな悪いことをしたって言うんですか?私はただ、オラガ村で火の魔石が品薄になってる状況を見て、たまたま用意してた転移魔法でトリスキンに赴き、たまたま用意してた資金で火の魔石を格安で大量に買い、この町で行商人より安い価格で売っただけです」
怒りが頂点に達した私はウォレットの胸倉を掴み、額を突き合わせた。
「商売舐めんなよ、クソ転売ヤー」
その鬼気迫る気迫に一瞬ひるむウォレット。だがそれで自棄になったのか、
「この…!クソ…野郎がぁぁぁ!」
と再度殴ろうとコブシを振り上げた。私はそれでも暴力に暴力で立ち向かう事はせず、歯を食いしばってきたる痛みに耐える…。
「やめないか大馬鹿ものがっ!」
殴られる寸前、納屋の扉が勢いよく開き、怒鳴り声と共に太った壮年の男性が入ってきた。それを目にして一瞬で凍りつくウォレット。
「お、親父…!?なんでここに…」
「言ったでしょう、トリスキンの王都にも魔法陣を敷いていると。息子さんがこんな騒動起こしてるんです。火の魔石を買うついでにトリスキンの王都にいたバレット村長を連れてくるのは当然でしょう」
青ざめた表情のウォレットに対してバレット村長はその丸い顔を今にも破裂させそうなほど真っ赤にしていた。
「大馬鹿者が…ワシが留守の間に村民に迷惑をかけて小遣い稼ぎとは…!おかげで貴重な優れた猟師を一人失いかけたのだぞ!」
「親父、違うんだ!村長になる為には商売も学んでおかなきゃと思って!」
「お前のような村民を虐げる愚か者に村長などできるものか!そんなに自分を特別だと思うならあの村役場と買った火の魔石はくれてやるから一人で生きてみせろ!」
魔法も剣も腕が立つ豪傑村長と噂しれていたが、オラガ村に連れてきて真っ先にウォレットを立てこもっている村役場ごと村の外になんの用意もない転移魔法で飛ばした時は流石に村民全員ビビっていたな…。
「お、おい、一人でって、どういうことだよ!」
「お前は勘当だ!村からも追放とする!二度とこの村の土を踏む事を許さん!」
「勘弁してくれ!ここ以外じゃ生きていけねぇよ!」
「黙れ!お前はワシの息子でも、この村の民でもない!でていけ!」
その一言がチェックメイトだったのか、ウォレットはヘナヘナと頼りなく崩れ落ちた。
「そんな…俺の…村が…」
それ以上はバレット村長は息子に言葉をかけなかった。何かを噛み締めるような怒りと悲しみが混じった表情で踵を返し、すれ違いざまに私の肩に手を置いた。
「ヤミー君、色々迷惑をかけて申し訳なかった」
「いえ、村長に謝られることではありませんよ。もうこいつの親でもないんですから」
冷たく言い放つ私の言葉に、もはや言い返さずに身体を震わせるだけとなった哀れなウォレット。
「…ああ、そうだな。最後にこの者を村役場に送ってくれないか」
だが、やはり親の情というのはすぐには消えない…か。
村役場は村長が村の外に飛ばす前に必要なものは取り払ったが、非常時のための備蓄食糧などは残している。加えてあいつの買った火の魔石はオラガ村では売れないとはいえ、トリスキンや他の町まで辿り着ければそれなりの生活資金には換えれるはずだ。
命までは奪うつもりはない。自分の知らない所で勝手に生きてくれ。それがバレット村長の父親としての最後の慈悲か。
「ではいきましょうか」
自分としては少し物足りない気もするが、これ以上手を下せばそれは私刑。正当化できる物ではない。
私は村長のいうままにウォレットの腕を引き、先程転移してきた魔法陣とは別の魔法陣の上に立った。
先程の魔法陣は魔石とリンクして魔石を持つ者を瞬時に魔法陣の書かれた場所まで瞬間移動させる魔法だが、コレは違う。これは地図で示した任意の位置に飛ぶ魔法陣だ。
「…この恨みは絶対忘れない…。あの火の魔石を売って、それを元手に絶対この村に復讐しにきてやるからな…!」
…こいつには真っ当に生きるという思考は無いのだろうか。
人に言える立場じゃないがな。
「逆恨みもいい所です。それではいきますよ」
捨て台詞は聞いたので、私はウォレットと共に村役場の近くへと瞬間転移した。
「お前、名前はヤミーとか言ったな」
「ええ、そうですね」
「覚えたぞ…テメェも絶対ぶち殺してやる…。いつか金と権力を持って、この村と一緒に潰しに行くからな…」
転移先で俺に掴みかかり、悪態をつくウォレットを横目に、ある事に気がついた私はその手を振り解いてさっさと撤退する事にした。
「人を殺すことよりも、まずは自分の命を案じた方がいいですよ」
「ハッ、何を言ってんだよ」
「火の魔石って一個一個であれば火力もないし取扱が簡単なんですけどね。箱単位であると結構危ない物なんですよ。倉庫の棚から落ちて勝手に着火してしまいボヤ騒ぎなんてのも商人の間でしょっちゅうあるらしく。その辺も含めて商人は商品のことをよく熟知している必要があるんです。そうでないと一瞬で全てを失うこともあるんですよ」
「…?何が言いたいんだよ」
「もう遅いかも知れませんが、村役場が燃えてるのが見えるのでね」
私が指さす方向にウォレットが目を向けると見てわかるほど顔が青くなった。
その先には轟々と炎を上げる村役場。その玄関先にはうっすらとではあるが、門の刻まれた石が散らばっているように見える。
「あ…あ…あぁぁぁぁぁぁぁ…!」
情けない嘆きと共にウォレットが雪の上に跪き、天を仰ぐ。燃える村役場から立ち登る煙を見ながら何を見据えているのか、私には想像もつかない。
「…雪が降ってきましたね」
しんしんと降り始める雪。まだ昼間だが雲は厚く山の方から風が吹いている。これは父に教えてもらった、吹雪がくる前兆だ。
「今夜は寒くなるので、暖かくしてくださいね」
そう言い残して、私は転移の魔石を振りかざした。
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