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プロローグ
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「主夫って」
「炊事、洗濯、そうじ、全部やってほしいの」
「え、でもやったことないし。
いままでどおりおかあさんがやってくれるだろ。
もちろん、洗い物とか、そうじとか手伝うよ」
「それじゃ、だめなの。
お母さん、腰が相当痛いらしいの。
どうせ家にいるんでしょ」
「ごはんもかな?」
「当然」
なんか、被告人席に座っているみたいな感じ。
「でも、ぼくが作ってもおいしくないよ」
「今はネットにレシピとか落ちてるから。
その通りにやればいいよ」
「おとうさん、熟年離婚とか知ってる?」
「うん、いちおう」
「そうなるよ。このままじゃ」
「おかあさんはどうなのかな。
ぼくが台所に立ったりするの嫌じゃないのか」
「もう限界なの……」
妻がぽつりとつぶやく。
「あなたは自分の事しか考えてないの」
「そんなことは…」
「とにかく、いちばん暇な人が家事をやる。
それでいいんじゃないの」
娘が修羅場を感じて割って入る。
娘も離婚までは考えていないのだろう。
「わかった。やってみる」
ぼくは覚悟を決める。
妻は、立ち上がって、自分の部屋に戻っていく。
それを目で追うことしかできない。
「じゃあ、お父さん、頑張ってね。
名誉回復の最後のチャンスだよ」
そう言って、娘も部屋に戻っていく。
ぼくは、そのままぽつんとひとり座って今後のことを考えるのだった。
「炊事、洗濯、そうじ、全部やってほしいの」
「え、でもやったことないし。
いままでどおりおかあさんがやってくれるだろ。
もちろん、洗い物とか、そうじとか手伝うよ」
「それじゃ、だめなの。
お母さん、腰が相当痛いらしいの。
どうせ家にいるんでしょ」
「ごはんもかな?」
「当然」
なんか、被告人席に座っているみたいな感じ。
「でも、ぼくが作ってもおいしくないよ」
「今はネットにレシピとか落ちてるから。
その通りにやればいいよ」
「おとうさん、熟年離婚とか知ってる?」
「うん、いちおう」
「そうなるよ。このままじゃ」
「おかあさんはどうなのかな。
ぼくが台所に立ったりするの嫌じゃないのか」
「もう限界なの……」
妻がぽつりとつぶやく。
「あなたは自分の事しか考えてないの」
「そんなことは…」
「とにかく、いちばん暇な人が家事をやる。
それでいいんじゃないの」
娘が修羅場を感じて割って入る。
娘も離婚までは考えていないのだろう。
「わかった。やってみる」
ぼくは覚悟を決める。
妻は、立ち上がって、自分の部屋に戻っていく。
それを目で追うことしかできない。
「じゃあ、お父さん、頑張ってね。
名誉回復の最後のチャンスだよ」
そう言って、娘も部屋に戻っていく。
ぼくは、そのままぽつんとひとり座って今後のことを考えるのだった。
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