王様とただのおっさん。 入れ替ったら断頭台でした。異世界はキャットGPTとともに。

PYON

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第2章 異世界へ転移

ガルバン帝国 ベリアード大帝03

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 なんだ、このキャルロッテというのは。
 わたしが睨んでも、睨み返してくる。
 わたしには覇気のようなものがあり、普通の人間はそれにあてられて身体が動かなくなってしまう。
 それなのに、何事もなかったかのように。
 それどころか、こっちが押されている。

 わたしは護衛に命じる。
 あいつを捕らえろと。
 先代は武人だったが、キャルロッテが武人であるとは聞いたことはない。
 見た目も普通のおっさんだ。
 あの筋肉ではそんなに強くはないはずだ。
 それなのに、自分は護衛を連れていない。
 それどころかこっちには5人までの護衛を許している。
 それも帯剣したままで。
 やつは一番奥の席。
 逃げ場はない。
 
 そのとき、キャルロッテが中央のテーブルを叩く。
 かなり分厚い大理石のテーブルだ。
 何やってんだ。
 拳を痛めるだけだろ。
 もしかして、あいつは狂っているのか。

 大きな音がして、大理石のテーブルは真っ二つに割れる。
 どういうことだ。
 技なのか?石の目を読むとか。二重の極みとか。
 そんなの物語の中のことだろ。

 護衛の者たちは、安易に近づけなくなる。
 剣を抜いて距離を取る。
 ひとりの護衛がキャルロッテに近づいて剣を振る。
 その剣をキャルロッテは腕で受け止める。
 普通であれば、キャルロッテの腕が落ちているはずだ。
 それなのに、折れたのは剣のほう。
 剣先がくるくると回転をしながら、こっちに飛んでくる。

「大帝、危険です」
 護衛が前に出て、折れた剣先をはたき落とす。
 
 キャルロッテは剣を折られた護衛の懐に飛び込む。
 そして、パンチを食らわせる。
 大理石を砕いた拳だ。
 アッパー気味に腹を撃ちぬく。
 護衛の身体は浮き上がり、その場に沈む。
 
「大帝逃げてください!」
 一騎当千の護衛だが、あの王はやばいと見たのだろう。
 捕らえることより、逃げることを選んだのだ。
 しかたない。退散しよう。
 わたしたちはドアの方に向かう。

 そのドアの前にいつの間にかキャルロッテが立ちふさがっているのだった。
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