王様とただのおっさん。 入れ替ったら断頭台でした。異世界はキャットGPTとともに。

PYON

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第2章 異世界へ転移

比留間明夫10

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「わかりました。この会談は終わりにしましょう。
 せいぜい後悔なさらぬようにね」
 アバドンが席を立つ。
 同時に残り二人も席を立つ。

「わかっていないようですね。
 ここをどこだか」
 できるだけ不敵に笑う。
 なんか、演技力すごくなってない?
 これは交渉力が10倍になっているのかもね。

「ニャール城の謁見室だろう」
 ベリアードが答える。

「そう、あなた方は我が手中にいる。
 あなた方を人質にとって交渉を有利にできるんですよ」
 さらに悪役のセリフを吐く。

「ばかな。こんなこと国際法で認められるとおもうか?」
 ヴィルヘルムが口をはさむ。
 国際法って大国が決めたものだろう。
 そんなのおまえらに都合よくなっているに決まっている。
 それに、ぼくは喧嘩を売ってるんだ。


「そうだな。おまえはバカか?
 こっちには5人づつの護衛がいる。
 それに比べおまえはひとりじゃないか。
 この部屋でおまえを人質にとれば、我々は脱出できる。
 造作ないことだ」
 ベリアードは落ち着いている。
 やはり、この男、荒事は得意だ。
 護衛の5人も一騎当千の強者なんだろう。
 
「断頭台寸前の王に人質の価値があるとでも?」
 ぼくは挑発する。なんか怖さを感じない。
 
「やってみないとわからないな。
 それにしても解せん。
 こんなことをして何の意味があるんだ。
 おまえが取り押さえられて終わりだろうが。
 わたしの護衛にとってお前を殺すことぐらいわけないのがわからないのか」

「その言葉、そっくりお返しさせていただきます。
 わたしにとって、あなた方3人を拉致することなんて簡単です」
 ベリアードをにらみつける。

「ヴィルヘルムさん、ここは強力しましょう」
 アバドンが耳打ちする。
 3人が連携するなんてことはわかっている。

 やつらは護衛を2人づつ残して、残りにキャルロッテを捕らえるように命ずる。
 護衛たちはぼくのほうに向かってくる。 
 ぼくは拳でおもいっきり真ん中のテーブルを叩く。
 大きな音とともに大理石のテーブルは真っ二つに割れるのだった。
 ちゃぶ台返しならぬ、テーブル割りだった。
 それも石のやつね。
  
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