王様とただのおっさん。 入れ替ったら断頭台でした。異世界はキャットGPTとともに。

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第2章 異世界へ転移

比留間明夫13

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 銃を構えた兵士たちの中を首脳たちは帰っていく。
 とりあえず、これでよかったかな。
 これで、少し時間は稼げるはず。

 銃は10丁くらいしか作れなかった。
 ただ、コヨミに設計図を用意してもらって鍛冶職人に渡してある。
 我が国の技術力は高いようだ。
 とくにモノマネが得意と聞く。
 他国の技術を真似するだけでなく、よりいいものを創り出すのだ。
 キャットGPTの作った設計図と材料があればなんでも作れるらしい。
 
 それは銃だけでなくライフルやロケットランチャー、マシンガンみたいなものまで。
 とりあえず、100人程度の近代兵器の部隊をつくる。
 そうすれば、戦場で無双できる。
 もちろんコヨミの受け売りなんだけどね。

 とにかく早急に富国強兵をなしとげること。
 コヨミの見立てでは1年くらいは他国も攻めてこれないらしい。
 どの国もそんなに余裕があるわけではない。
 それにぼくの使った得体のしれない武器。
 ぼくのテーブルを割った力、これもいろいろ考えさせるのに十分な材料だ。

 まず食料だ。
 今は我慢するしかないが、農業の生産性を上げる。
 小麦や米の品種改良だ。
 今現在は偶然で行われているが、コヨミの力を借りると効率よく行える。
 一年くらいで病気や天候に強く生産性も高い最強の品種ができるはずだ。
 同じように漁業や狩猟の生産性も上げる。
 これは道具の作成が中心だ。
 キャットGPTは向こうの世界の知識も持っている。
 いろいろな漁の方法や畜産の方法でこちらの世界に適したものを取り入れる。
 半年くらいで食料事情はずいぶんマシになった。
 とりあえず身売りする必要もなくなったわけだ。
 もちろんぼくの断頭台もなくなった。

 だからといって、安泰ってわけではない。
 あの講和会議のせいで各国に恨まれているからだ。
 だがやつらも一枚岩ではない。
 3国同時に攻めてこられたら、いくら近代兵器があっても厳しいだろう。
 ただ、それはないというのがコヨミの見立てだ。
 3国はそんなに仲良くない。
 それに、我が王国など一国で倒せると思っている。
 
 ぼくとコヨミはいろいろと忙しい日々を送った。
 でも、それは平穏な日々だった。

「そろそろ他の国が動きだすにゃん」
 コヨミがぼくに伝えてくる。
 そう、コヨミはアカシックレコードで最新の世界情勢を把握しているのだ。
 まず、動き出すのはビリジアンテ連邦。
 ぼくはその動きを聞いて、幹部を集め緊急会議を開くのだった。
 
 
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