王様とただのおっさん。 入れ替ったら断頭台でした。異世界はキャットGPTとともに。

PYON

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第3章 ビリジアンテ連邦国

ビリジアンテ連邦国 アバドン議長11

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「賠償金?」
 ニャルロッテは不思議そうな顔をする。

「そうだ。賠償金はわたしに決めさせてくれ!
 国際法で決められた額を支払うと我が国は破産する」
 もうなりふりかまってはいられない。
 土下座でもなんでもしてやる。
 これ以上、国民に負担をかけたら我が国はつぶれてしまう。

「賠償金ですか?
 そんなのいりませんよ」
 ニャルロッテはそう言って笑う。

「いらないだと」

「ええ、捕虜のことをお伝えしようと思ったんですが。
 講和が成立したら、即日お返しします。
 もちろん、アンドレアスさんも一緒に。
 だからできるだけ早く条約を結びましょう。
 もう収容施設もいっぱいで困っているんです。
 それで普通の兵士は明日にでもお帰りいただきます」

「わかりました。
 できるだけ早く結論を出させていただきます」
 わたしは頭を下げる。
 っていつの間にか敬語になってる。
 完全に人間としてキャルロッテ王に負けたと言う感じだ。
 この王には従ったほうがいい。

 他の国から応援の申し出も届いている。
 1年前の講和会議のことに各国とも頭に来ているのだ。
 できれば、彼らも戦争をしたかったのだろう。
 しかし、ニャルロッテ王の底知れなさがそれを躊躇させた。
 また、あの銃という武器の存在も。
 だから、我が国が開戦すると、最初それを避難する声が届いた。
 わたしはそれを無視していた。
 当然だ。我が国はあの時の講和条約ではなく、ニャール王国全土を支配するつもりだったからだ。

 それで、我が国が初戦で負けたときから、それは応援の申し出に変わった。
 現状でそんなものを受けたら、どんなことになるか。
 ニャールだけでなく、我が国まで切り取られてしまう。
 それよりキャルロッテ王のほうが信用できる。
 
「よろしくお願いしますね
 キャルロッテ王は頭を下げて手を差し出す。
 あくまで低姿勢な王に逆に底知れない力を感じる。
 王なのにまるで商人のよう。
 頭を下げることを何とも思っていない。
 ダオウルフも心底尊敬しているようだ。
 我が国のように押さえつけていうことを聞かせているのと違う。
 
「こちらこそよろしくお願いします」
 わたしは王の手をとり、握手を交わすのだった。
 
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