王様とただのおっさん。 入れ替ったら断頭台でした。異世界はキャットGPTとともに。

PYON

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第4章 ミシディア共和国

ミシディア共和国 ヴィルヘルム大統領04

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 ビリジアンテ連邦がニャール王国に負けた。
 それも圧倒的な敗戦だったとのことだ。
 ニャール王国はビリジアンテの圧政に苦しむ部族を自国にとりこんだのだ。
 とくにギオルグ族は昔この大陸の統一寸前までいったことがある。
 それに武器と馬を与えビリジアンテを裏切らせたらしい。
 サタールやウラールも同じだ。
 とにかくあのニャルロッテはなかなかの策士だ。
 
 あと、あの銃という武器だ。
 いままで飛び道具というのは、魔法と矢が中心だった。
 しかし、矢は威力に欠けるし、魔法はスピードに欠ける。
 キャルロッテの使った武器はその弱点を克服するものだ。
 引鉄を引くだけで弾を出すことができる軽い武器。
 わたしは帰国後、国立の研究室に同様の武器の開発を依頼した。
 それでできたのが、魔導銃だ。
 ニャールの銃の仕組みはわからないが、同じ威力のものが完成した。
 もう量産体勢に入るように指示している。

 それとニャールの新兵器の話を聞いた。
 巨大な銃を乗せた自走式の馬車。
 強力な装甲を持ち、ビリジアンテ軍は歯もたたなかったという。
 銃を巨大化することはできる。
 しかし、自走式の馬車のほうはうまくいかない。
 平地を走らせるものは完成したが、荒地は走れない。
 ニャールの戦車は再現できなかった。
 エネルギー出力が高くならないため、どうしてもパワー不足となる。
 
 ただ、飛行船に砲を積み込むことはできた。
 これで、戦車と戦うことができる。
 まあ、重量に制限はあるのだがな。
 空を飛ぶものにあまり重いものはつめない。
 それでも、戦場を大きく変化させる武器であることに間違いはない。
 現にニャール王国も戦車で先の戦争を無双した。
 そう、これからは技術の時代だ。
 英雄たちが戦況を左右する時代は終わったのだ。
 これからは、どれだけ新しい技術を戦場につぎ込めるかで勝敗が決まる。
 そういう意味では、我が国が有利だ。
 
 我が国が次の戦場に導入するのは飛空戦艦だけではない。
 銃に迫撃砲、それともうひとつ。
 戦車をたたくために作ったものがある。
 それは…国家機密だ。
 しかし、戦場を根本から変えてしまうものと言ってもよい。

 わたしはあの講和会議のとき、ニャルロッテに翻弄されてしまった。
 今度はわたしがあのおっさんに煮え湯を呑ませる番だ。
 そして、ニャール王国だけでなくビリジアンテも我が陣営に組み込む。
 ニャールの技術と資源、ビリジアンテの労働力。
 どちらも我が国に必要なものだ。
 その上でガルバン帝国を押さえて、我が国がこの大陸の覇者となる。
 それによって、中世という暗黒の時代が終わるのだ。
 そして、大陸を統一したわたしの名は永遠に残るのだ。
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