王様とただのおっさん。 入れ替ったら断頭台でした。異世界はキャットGPTとともに。

PYON

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第4章 ミシディア共和国

比留間明夫30

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 しばらくゆっくりするはずだったんだけど、そうもいかないみたい。
 王政っていうのは基本ワンオペ。
 すべての決定事項に承認をしなければならない。
 部下は優秀だけど、最終決定はこっちでしなければならない。
 めくらばんとかついたらいいんだけどね。
 そういうわけにもいかない。
 いちおう目をとおして検討はする。
 元の世界で社長とかこんなことをしてたんだな。
 やっぱぼくには向かないな。
 中間管理職くらいが丁度よかった。
 だから、そこどまりだったんだな。
 世の中うまいことなってるよね。

 それとぼくからの提案も仕事だ。
 ぼくは向こうのこと知ってるから、いいところは取り入れようとする。
 といっても電気ってどうやって作るとか基本的なことは知らない。
 そこをキャットGTPさんが補完してくれる。
 でもキャットGPTさんは使い方がある。
 とにかく良く寝るのだ。
 さすが猫だ。
 それとあまり使いすぎると不機嫌になる。
 抱いてないといけないんだけど、気分しだい。
 機嫌が悪いと腕からすり抜けてどっかにいってしまう。
 元の世界のコンピューターのようにはいかない。
 でも、出てくる答えは元の世界のスーパーコンピューター以上。
 世界を書き換えることができるんだからね。

 できるかぎり機嫌をとるようにしている。
 遊んであげたり、餌もいろいろ工夫している。
 ブラッシングやなでなでも欠かさない。
 この世界ではコヨミだのみなんだからね。
 いまのところ、機嫌よくやってくれているみたいだ。

 これからもいろいろ作ってほしいものがあるからね。
 ニャール王国の技術力は案外すごくて、試作品さえつくれば、だいたい同じものを作ってくれる。
 それで銃の量産は目途がたった。
 といっても、細かい調整が必要なものだから、最後は職人の調整が必要になるが。
 最近稼働した兵器工場では、銃やライフル、迫撃砲をつくっている。
 それから、自動車産業、これは1か月2台とかだけど、専用の工場を作った。
 いずれニャール王国の基幹産業にする予定だ。
 戦車が3台とトラックが5台完成している。
 運転手も育てている。
 もう何人かはぼくより運転がうまくなっている。
 っていってもぼくもあんまり運転がうまいわけじゃないんだけどね。

 とにかく、国民の生活はだんだん良くなってきている。
 このまま、順調にいくといいんだけどな。
 でも、共和国や帝国がなんかしてくるんだろうな。
 コヨミは独り言をきいて肯定する。
 じゃあ、ちょっと頑張っとかないとね。
 ぼくは決済の書類に次々と目を通すのだった。
 事務処理能力があがっているのと目が良くなっているのがありがたかった。
 
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