王様とただのおっさん。 入れ替ったら断頭台でした。異世界はキャットGPTとともに。

第5章 ガルバン帝国

ニャール国副将軍ダオウルフ三世04

　ブライの大剣が砕ける。
　今更ながら凄い武器だ。
　さすがはキャルロッテ王。
　今度はわたしがちゃんと仕事をしなければな。
　それは、あの魔法を潰すこと。

　ブライは剣を捨てて、構える。
　こいつは拳士なのだろう。
　ガードをしながらつま先立ちで小さく跳ねる。
　こっちの偃月刀は間合いが長い。
　しかし、飛び込んでしまえば、その長さが弱点となる。
　剣先さえ避けられたら勝てる。
　そう踏んでいるのだろう。
　それにはスピードが必要。
　あの巨体でそんなことができるというのか。

　ブライは左右に跳んで、こっちを牽制する。
　わたしはタイミングを読んで突く。
　それは簡単に避けられてしまう。
　こっちも様子見だ。
　すぐに偃月刀を引く。
　それにしてもスーパーヘビー級のスピードではない。
　それに凄い動体視力だ。
　これがオーガという種族なのか。

　しかたない、本気で行かせてもらおう。
　わたしは連撃を繰り出す。
　それも避けられてしまう。
　そして、隙を見て懐に入り込む。
　わたしは盾で牽制して、後ろに下がる。

　なかなかやるな。
　本来であればこの戦いもっと楽しみたいところだ。
　わたしのようになってしまうと、これだけの好敵手はなかないいないものだからな。
　本来なら同じ土俵で勝負したいものだ。
　俺も拳法にかけてはなかなかのものだと自負しているからな。
　あのオーガとならいい勝負ができると思う。
　しかし、今は魔法を食い止めるのが優先だ。
　わたしは偃月刀を構える。
　
　そこにブライが突っ込んでくる。
　相変わらず速い。
　しかし、この偃月刀をもったわたしには通用しない。
　わたしは偃月刀を一振りする。
　偃月刀からつむじ風が起こる。
　そうこの偃月刀は風の魔力を帯びているのだ。
　さすが王の作った武器だ。
　
　その風の刃はオーガをとらえる。
　オリハルコンという素材は硬いだけでなく魔法を込めることができるのだ。
　オーガはそのまま飛ばされるのだった。