王様とただのおっさん。 入れ替ったら断頭台でした。異世界はキャットGPTとともに。

PYON

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第5章 ガルバン帝国

魔王軍獣人オニキス03

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 ブライは吹っ飛ばされる。
 あのダオウルフの武器には、風の魔法が込められているようだ。
 偃月刀を振ると、竜巻が生じるみたいだ。
 あのような武器は魔界にはない。
 人間はそんなところまで至っているのか。
 俺も風圧で飛ばされそうになる。
 
 あいつをメフィアスに近づけてはならない。
 あと5分くらいか。
 魔法の錬成状況を確認する。
 魔法陣は5重に積みあがっている。
 もし、メフィアスの集中が途切れたらやりなおしだ。
 そこまでに使った魔力も無駄になる。
 失敗したらもう今日は発動できないだろう。

 ただ、俺も魔界では指折りの戦士。
 それくらいの時間なら、ここで止めてやる。

「つぎは俺だ。
 この隊の隊長オニキスと言う。
 狼の獣人だ」

「わたしはダオウルフだ。
 悪いな。おまえとゆっくり戦っている時間はないんだ。
 一瞬で片づけさせていただく」

「魔法の発動を邪魔しようというのか。
 それなら全力で阻止させてもらおう」
 俺は剣を抜き、走る。
 ダオウルフが振り回すよりも速く、剣戟を繰り出す。
 そう、これでやつは防ぐしかなくなる。
 さっきから見ていたが、風を起こすには偃月刀を振り回さないとならない。
 俺はその隙を与えないつもりだ。
 5分くらいなら、耐えられるだろう。

 思った通り、ダオウルフは俺の攻撃を防ぐ。
 俺は間髪を入れず連撃をする。
 ダオウルフはそれを防ぐのに必死だ。
 大丈夫、時間は稼げそうだ。

 その時、轟音が俺たちを襲う。
 どういうことだ。
 音の方向には、あのゴーレム。
 耳がキーンってなるような大きな音。
 そう、俺たちは人間より感覚が鋭いのだ。
 とくに聴覚や臭覚。
 人間には耐えられる音でも俺たちにとっては耐えられない轟音となる。
 それも、不快な音、まるでガラスをこするような音。
 わたしたち獣人はそれだけで動けなくなる。
 その隙を見て、ダオウルフは偃月刀を振る。
 そこから竜巻が生じ、メフィアスのところへ向かうのだった。
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