王様とただのおっさん。 入れ替ったら断頭台でした。異世界はキャットGPTとともに。

第5章 ガルバン帝国

ニャール国副将軍ダオウルフ三世05

　いきなり後ろから大きな音。
　それも何かをこするような不快な音だ。
　わたしは一瞬集中柄力がなくなる。
　やばい。戦いの最中だった。
　わたしはオニキスに視線を戻す。
　しかし、オニキスはわたしの前で蹲っている。
　どういうことだ。
　そういえば、狼や虎は人間の何倍もの聴覚を持っているという。
　人間よりも大きな音に弱いわけだ。
　わたしは後ろを振り返る。
　そこにはキャルロッテ王のゴーレム。
　そういうことか。
　王は獣人の弱点を知っていたのだ。
　この機会を逃してはいけない。
　王がせっかく作ってくれた隙を。

　わたしは前に走る。
　それを遮るものはない。
　わたしは走りながら、偃月刀を振る。
　その偃月刀から竜巻が起こる。
　それが、魔導士のところに向かっていく。
　狙い通りに魔導士を吹っ飛ばす。
　わたしが後ろを振り返ると、王のゴーレムの上の魔法陣は消えている。
　作戦成功だ。
　わたしは王に通信を送る、

　このまま、敵軍に突っ込むのもいいかもしれない。
　この武器があれば、一万くらいなら戦えると思う。
　わたしは、王の返事を待つ。
　
　その間に魔王軍は引き上げていく
　そのとき、キャルロッテ王からの通信。
　
「あーダオウルフさん、聞こえてますか」

「はい。キャルロッテ王。
　魔法は阻止しました」

「ありがとうございます」

「それでは、これから追撃をします。
　敵の大将首を上げて見せます」

「えー、それはやめてください
　直ちにそこを引き上げてください。
　こちらの大規模魔法が発動しています。
　そのままでは巻き込まれます。
　すぐに引き上げてください
　できるだけ速く」
　
　王からの連絡。
　次は何をするつもりなんだろう。
　わたしは空を見上げる。
　そこには大きな島のような魔法陣が描かれているのだった。