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第5章 ガルバン帝国
ガルバン帝国 ベリアード大帝18
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そう、戦乱の時代は終わらせなければならない。
これまでの時代、この大陸は戦争に明け暮れた。
小国同士が衝突し、片方が滅び、勝者が敗者を食う。
このような弱肉強食の世界。
それが最終的に4国になってしまった。
それを統一するためにわたしは大帝となった。
人々の暮らしが戦争によって脅かされる時代を終わらそうとしたのだ。
しかし、わが祖国が征服されるというわけにはいかない。
だから、わたしはガルバン帝国を中心に世界がまとまるように務めているのだ。
ニャール王国も同じだろう。
これは世界のルールを決めるのは誰かという戦いなのだ。
ゲームはルールを決めるものが勝つ。
すでにミシディアとビリジアンテは目の前のふざけた初老の男に負けた。
残っているのはガルバン帝国だけだ。
もし、わたしが負けたら、この世界はニャール王国のものとなる。
「とにかく、講和に応じるつもりはない」
「そうですか。残念です。
これ以上争うつもりですか」
「ああ、今、ガルバン帝国が降伏するわけにはいかないのだ。
そんなことをしたら世界はお前のようなふざけたペテン師のものになってしまう」
「世界がぼくのものになる?
そんなのごめんです」
「それが王や帝の役目なのだ。
だから国民に認められ期待されるのだ。
だから人の上に君臨できるのだ。
権力を集中できるのだ」
「そんなことしたら、王に恨みを持つ人間ができるだけ。
そして、力をもったら王を倒して、自分がまた王になる。
その繰り返し」
「それが歴史だ。
この世界は優れた王が支配するのがいちばんいいのだ」
「とにかく話は平行線です。
今後ニャール王国に手を出して来たら、全力で叩き潰します。
ところで、花粉症の具合はどうですか?」
「花粉症だと」
この病気のことか。
今ももう鼻声になっている。
「その病気はたいへんです。
一種の花粉アレルギーですが、毎年花粉の季節になると悩まされるのです。
わたしの場合は症状が軽いのですが、それでもかなりつらいです。
それで、治らないけど軽くする薬があるのですが、興味あります?」
ニャルロッテ王はそう言って微笑むのだった。
これまでの時代、この大陸は戦争に明け暮れた。
小国同士が衝突し、片方が滅び、勝者が敗者を食う。
このような弱肉強食の世界。
それが最終的に4国になってしまった。
それを統一するためにわたしは大帝となった。
人々の暮らしが戦争によって脅かされる時代を終わらそうとしたのだ。
しかし、わが祖国が征服されるというわけにはいかない。
だから、わたしはガルバン帝国を中心に世界がまとまるように務めているのだ。
ニャール王国も同じだろう。
これは世界のルールを決めるのは誰かという戦いなのだ。
ゲームはルールを決めるものが勝つ。
すでにミシディアとビリジアンテは目の前のふざけた初老の男に負けた。
残っているのはガルバン帝国だけだ。
もし、わたしが負けたら、この世界はニャール王国のものとなる。
「とにかく、講和に応じるつもりはない」
「そうですか。残念です。
これ以上争うつもりですか」
「ああ、今、ガルバン帝国が降伏するわけにはいかないのだ。
そんなことをしたら世界はお前のようなふざけたペテン師のものになってしまう」
「世界がぼくのものになる?
そんなのごめんです」
「それが王や帝の役目なのだ。
だから国民に認められ期待されるのだ。
だから人の上に君臨できるのだ。
権力を集中できるのだ」
「そんなことしたら、王に恨みを持つ人間ができるだけ。
そして、力をもったら王を倒して、自分がまた王になる。
その繰り返し」
「それが歴史だ。
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「とにかく話は平行線です。
今後ニャール王国に手を出して来たら、全力で叩き潰します。
ところで、花粉症の具合はどうですか?」
「花粉症だと」
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「その病気はたいへんです。
一種の花粉アレルギーですが、毎年花粉の季節になると悩まされるのです。
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ニャルロッテ王はそう言って微笑むのだった。
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