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第2章 S級冒険者炎王アッシュ

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 事後処理は全部ライオネルさんがやってくれた。
 ギルドへの報告、騎士団貴族との折衝、そういうのはぼくとミリアにはちんぷんかんぷんだ。
 ただ、この町のみんなのぼくたちを見る目がかわり、なんかすごい報酬をもらったことはわかる。
 
 そして、冒険者ランクは一気にSに上がった。
 現冒険者では最高レベルだ。
 ライオネルさんは、それでも不足だって頑張ってくれたんだ。
 だってS級のガウェインを相手にもしなかったってね。
 ただ、SS以上は伝説のランク。
 生きている間についたものはいない。
 冒険者は死んだら1段階か2段階特進する。
 それで、S級冒険者が死んだらSSになるってことらしい。

 でも、ぼくにはこれで十分だ。
 たぶん、ランスロットさんに会ったら、おまえはまだまだだなって言われるんだろうな。
 慢心してはいけない。
 
 とにかく、ぼくたちの生活は一変した。
 いろいろなクエストから引く手あまたとなったのだ。
 後輩冒険者からの尊敬のまなざしもすごい。
 ぼくたちも冒険者になって1年くらいなんだけどね。
 なんか、ぼくたちの前にくると固まっるし、サインとか求められることも増えた。
 ぼくとミリアのファンクラブもあるらしい。

 そんな感じで、2年の月日がたった。
 そんなときに、ぼくたちに手紙が届いた。
 ランスロットさんからだ。
 ぼくはランスロットさんと約束していたのだ。
 それは、イグレーヌさんのことだ。
 イグレーヌさんはランスロットさんとともに国を追われた王女だ。
 その国がしあわせな国ならいい。
 でも、そうでなければ取り戻さないといけないって。
 このまま、ドラの町で平和に暮らすのもいいけど、自分は王族だから国に対して義務があるって。
 それを果たすときが来たって。
 今度は国相手の戦い、ランスロットさんも強いけど、できる限り人を集めたいとのことだ。

 ぼくとミリアは参戦することに決めた。
 なんといってもドラの町の仲間だ。
 それにランスロットさんには、剣を教えてもらった。
 そのおかげで、この町でも無事過ごせている。
 
 ライオネルさんや紅の麒麟の人、冒険者ギルドの人に挨拶をして、旅の準備をする。
 みんな、なにかあったら言ってくれ、今度はわたしたちが力を貸すからって言ってくれる。
 そういえば、ぼくたちも村からでてきて、騙されて、ドラに助けられて、みんなにいろいろ教えてもらって、今は町を守るようになっている。
 そう、守られたものが、また別の人を守る。
 そうやって、つながっていくのだ。
 
 とりあえず、ドラの町に集合らしい。
 ひさしぶりだな。
 みんな元気かな。
 ぼくとミリアはランベールの町のみんなに見送られて本当の故郷への旅を始めるのだった。
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