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第5章 ランドバルク王国王女イグレーヌ

炎王アッシュ04

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 城の中を急ぐ。
 でも、ブラッドリー王ってどこにいるんだろう?
 まあ、真ん中のほうにいるんだろう。
 できるかぎり、城の中心部を目指す。
 すごく広い赤い絨毯の広間にでる。
 なんか、王様がいそうなところだ。

「城壁から入り込んだのはお前らか」
 なんかひょろっとした背の高い人が立ちふさがる。

「はい。入り口を教えてもらえなかったんで、仕方なく壊しました」
 ぼくは答える。
 ミリアがやったんだけど、ここはぼくが話したほうが丸くおさまりそう。
 
「そうか。それで何をしに来た」

「ランスロットさんたちと待ち合わせしているんです。
 ランスロットさんたちはここに来てませんか」

「ランスロットだと」

「イグレーヌさんとエヴァンスさんも来てませんか」

「いや来ていない」

「じゃあ、間に合ったんですね。
 よかった」

「間に合ったってどういうことだ」

「みんなで、ブラッドリー王と悪魔を倒す約束をしたんです」

「そうか。それでどうするんだ」

「あの、イグレーヌさんが来るまでブラッドリー王のところで待たせてもらえたらありがたいのですが」
 そう、王のところなら、いずれイグレーヌさんたちと会えるはずだ。
 そして、みんな揃ったら戦えばいい。

「そうか、それならランスロットが来るまで遊んでやろう」
 背の高い男は剣を抜く。
 二刀流の構えだ。
 
「遊んでくれるのはうれしいけど、先を急いでいます。
 あとで、悪魔とか倒さないとならないので、あんまり力を使いたくないのです」
 悪魔は強いっていうから、力を温存しないと。

「俺がその悪魔だ。
 魔王の左手の一人、中指のサムだ。
 これなら、遊べるよな」
 そう言って、サムは舌なめずりをするのだった。
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