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本編
大人タイム
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ミスった、どうして俺はこんなことを…。
いまさら、悔いてももう遅い。人生に二度目はないのだ。
「どうして、おれは…トールじゃなくてショートを選んだんだ」
失敗した、数十円をケチるんじゃなかった。
卓也に呼ばれて集合場所についたものの集合時間の10分前の5分前にしたら電車の都合で30分前についてしまったことが原因だ。
「うーんどうしたものか。もう一杯頼むか、でも時間的に頼んで座ったら来るだろうし」
弱ったなあ。今読んでいる小説も佳境なのに。
「頼まなくていいよ。ついたから」
「うわあ!!びっくりした。いきなり話しかけないでくれよ」
「相変わらず、カフェラテと小説のセットなんだな。しかも、サイズを選び間違える」
たしかに、学生時代から待ち時間をつぶすときはいつもこうだ。ただしサイズを選び間違えることはいつもではない四回に一回はちょうどいい。
「で、話って」
さっそく、今日呼ばれた理由をきく。
「ここじゃなんだし、飲みながら話そう」
「わかった」
すぐに準備をして席を立つ。
居酒屋もすぐ近くのチェーン店で集まった時間が早かったこともあってすぐに席に案内された。
「なににする?」
「うーん。焼き鳥の盛り合わせとキャベツにキュウリかな。あとは任せる」
「すいませーん」
「はい、少々お待ちください」と店員さんが反応する。
「では、ご注文をお願いします」
「えーっと、生中とキャベツにキュウリ、これとあとこれも」
「あっ、レモン酎ハイひとつ」
店員さんが注文を確認して少したってから飲み物とキャベツが運ばれてきた。
「めずらしいな。酎ハイなんて」
「別に、ビールは飲めるけどあんまり好きじゃないだけ。合わせないといけない状態じゃなきゃ頼まないよ」
「へえ、そうなんだ。それは知らなかった。乾杯」
卓也はグラスをあげる。
おれも乾杯といってグラスをあてる。
「で、話って」
早速話を切り出す。
「その前に、お前。俺に言わなきゃいけないことがあるだろ」
「今日は男気しないからな」
「なんでやねん」
「…」
突然の関西弁に絶句してしまう。こいつってこんなやつだったか。
「いや…まあその…今のは忘れてくれ」
「ああ、で話ってなんだ」
「この前、姪っ子ちゃんがうちに来た」
「……」
なるほど、めずらしく帰宅時間が遅いなと思ったらそういうことか。
「何を聞きに?」
「お前と先輩のこと」
「でっ、話したのか?」
「まさか」
まあ、それならいいけど。
「先輩は何をしに来たんだ」
「本人は世間話って言ってたけど、核心を突く前にメイが帰ってきて逃げられた」
さすがに、おれでもわかるくらい先輩はメイを避けていた。
「そういえば、あいつ一人で来たのか?」
「いや三人だ」
三人か、たぶん上半期同盟のメンバーだろう。
「一応、釘はさして置いたけど。たぶん、調べ続けると思う」
「じゃあ、次は下村のとこに行きそうだな」
「おまえ、ひとんち教えたんじゃないだろうなあ」
「教えてない。ただ、ものすごいぐらい腹黒い子は知ってる」
あの子なら人を調べることくらい造作もない。
「俺たぶん、その子と話したわ」
「中学生とは思えないだろう」
「本当にな」
「すいません。注文いいですか」
「はい」と店員は答える。
「まあ、せっかくだから最近の話とかもしよう」
「朝帰りじゃなければなんでもいいよ」
まあ、本音を言うと姪には知ってほしくないことだけど下村なら話すだろう。
そうなれば、話すしかない。たとえ、聞いて気持ちのいい話でなくても。
いまさら、悔いてももう遅い。人生に二度目はないのだ。
「どうして、おれは…トールじゃなくてショートを選んだんだ」
失敗した、数十円をケチるんじゃなかった。
卓也に呼ばれて集合場所についたものの集合時間の10分前の5分前にしたら電車の都合で30分前についてしまったことが原因だ。
「うーんどうしたものか。もう一杯頼むか、でも時間的に頼んで座ったら来るだろうし」
弱ったなあ。今読んでいる小説も佳境なのに。
「頼まなくていいよ。ついたから」
「うわあ!!びっくりした。いきなり話しかけないでくれよ」
「相変わらず、カフェラテと小説のセットなんだな。しかも、サイズを選び間違える」
たしかに、学生時代から待ち時間をつぶすときはいつもこうだ。ただしサイズを選び間違えることはいつもではない四回に一回はちょうどいい。
「で、話って」
さっそく、今日呼ばれた理由をきく。
「ここじゃなんだし、飲みながら話そう」
「わかった」
すぐに準備をして席を立つ。
居酒屋もすぐ近くのチェーン店で集まった時間が早かったこともあってすぐに席に案内された。
「なににする?」
「うーん。焼き鳥の盛り合わせとキャベツにキュウリかな。あとは任せる」
「すいませーん」
「はい、少々お待ちください」と店員さんが反応する。
「では、ご注文をお願いします」
「えーっと、生中とキャベツにキュウリ、これとあとこれも」
「あっ、レモン酎ハイひとつ」
店員さんが注文を確認して少したってから飲み物とキャベツが運ばれてきた。
「めずらしいな。酎ハイなんて」
「別に、ビールは飲めるけどあんまり好きじゃないだけ。合わせないといけない状態じゃなきゃ頼まないよ」
「へえ、そうなんだ。それは知らなかった。乾杯」
卓也はグラスをあげる。
おれも乾杯といってグラスをあてる。
「で、話って」
早速話を切り出す。
「その前に、お前。俺に言わなきゃいけないことがあるだろ」
「今日は男気しないからな」
「なんでやねん」
「…」
突然の関西弁に絶句してしまう。こいつってこんなやつだったか。
「いや…まあその…今のは忘れてくれ」
「ああ、で話ってなんだ」
「この前、姪っ子ちゃんがうちに来た」
「……」
なるほど、めずらしく帰宅時間が遅いなと思ったらそういうことか。
「何を聞きに?」
「お前と先輩のこと」
「でっ、話したのか?」
「まさか」
まあ、それならいいけど。
「先輩は何をしに来たんだ」
「本人は世間話って言ってたけど、核心を突く前にメイが帰ってきて逃げられた」
さすがに、おれでもわかるくらい先輩はメイを避けていた。
「そういえば、あいつ一人で来たのか?」
「いや三人だ」
三人か、たぶん上半期同盟のメンバーだろう。
「一応、釘はさして置いたけど。たぶん、調べ続けると思う」
「じゃあ、次は下村のとこに行きそうだな」
「おまえ、ひとんち教えたんじゃないだろうなあ」
「教えてない。ただ、ものすごいぐらい腹黒い子は知ってる」
あの子なら人を調べることくらい造作もない。
「俺たぶん、その子と話したわ」
「中学生とは思えないだろう」
「本当にな」
「すいません。注文いいですか」
「はい」と店員は答える。
「まあ、せっかくだから最近の話とかもしよう」
「朝帰りじゃなければなんでもいいよ」
まあ、本音を言うと姪には知ってほしくないことだけど下村なら話すだろう。
そうなれば、話すしかない。たとえ、聞いて気持ちのいい話でなくても。
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