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本編
喫茶店
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平日のお昼時の喫茶店にいる。
よほど暇なお店なのかおやつ時のこの時間にしてはガラガラだ。まあ、平日だからというのと喫茶店に行く人口が減ってきているというのが理由だろう。まあ、証拠はないけど。
どうして、こんな平日のおやつ時に喫茶店にいるかというとバイトの早上がりのせいだ。おれのバイト先も暇だったのだ。
せっかく早く上がれたし読みかけの本もちょうどたまっていたので、読んでしまおうという算段だ。
「面白い人みっけ」
「どういう、意味ですか先輩」
声のするほうをみると案の定先輩がいた。
「前に座っても」
「どうぞ」
先輩はすぐ席に座る。
「すいません、ブレンド一つ」
「ホットかアイスどちらにいたしますか」
先輩は「ホットで」と答える。
「最近よく合いますね」
「そうね」
「お待たせいたしました」と店員さんがコーヒーを置く。
先輩はどうもと言ってコーヒーを飲む。
つい、まじまじと口元を見てしまう。
「どうしたの」
「いっ、いえ」
つい、顔をそむけてしまった。
大学時代からいつも調子を狂わせられる。
まあ、いいや。それよりも、聞きたいことを聞いてしまおう。
「先輩、もしかして…」
「もしかして?」
「僕のことストーキングしてませんよね」
いつも会うタイミングが良すぎる。というか、タイミングが良すぎて怖い。
「ははははっ」
先輩がおなかを抱えながら笑いだす。しかも涙を流しながらだ。
そんなに、おれはおかしなことを言っただろうか。
「ごめん、あまりにも真面目な顔をして聞くものだから面白くて」
「そんなに変なこと言いましたか」
「いや、どんだけ自意識過剰なのって思って」
自意識過剰って言われても恐ろしいほどタイミング良く合えば誰だってそう思う。
それに、今は物騒な世の中だ。SNSで住所特定から行動パターンを推測することだってあるぐらいだ。何があるかわからない。
「ごめんごめん。ほんとうに偶然なの」
さいですか。まあ、信用はできないけど。
「あっ、その顔は信じてないでしょ」
「そっ、そんなことは…」
「あるでしょ」
「はい、信用できません」
先輩は、「素直でよろしい」といってどこか満足げだった。
「ほら証拠」と言って見せられたのは喫茶店の二階にある塾の職員証だった。これでは、さすがに嘘とはいえない。そういえば、先輩が教員志望者向けの授業をとっていたことを思い出した。
「まあ、ストーキング行為はしてないけど予測はしてるかな」
「えっ、今なんて言いました?」
今なんか、不穏なことを言っていた気がする。
「いや何も言ってない」と言いながらコーヒーを飲む。
「まあ、ちょうどよかったです。先輩に伝えておきたいことがあったので」
そして先輩に上井から聞いた話も合わせてすべて伝えた。
「なるほど。それで、わたしはどうすればいいの」
「別に、僕からお願いすることはなにも。ただ、本人が聞きたいというなら全部教えてあげてください」
「本当にいいの?」
「本人が知りたいというならかまいません」
本人が、知りたいのであればおれが止めることはできない。
先輩は何か考え事をしているようだ。
「中仁は冷たいのね」
「えっ…」
「だってそうでしょ。真実を知れば姪っ子ちゃんは間違いなく傷つく。それなのにあなたは、止めようとしない。だから私は冷たいといったのよ」
「それはそうかもしれませんけど…」と返すので精いっぱいだった。確かにそうかもしれないと思ってしまったからだ。
でも、おれは腹を決めた。いまさら、その決意が揺らぐことはない。
「それでも、話してください」
「わかった」
おれは「ありがとうございます」と言って頭をさげる。
「ただし、お願いを聞く代わりに条件があるわ」
「なんですか」
「もし真実を話したら私とよりを戻して」
「…わかりました」
よほど暇なお店なのかおやつ時のこの時間にしてはガラガラだ。まあ、平日だからというのと喫茶店に行く人口が減ってきているというのが理由だろう。まあ、証拠はないけど。
どうして、こんな平日のおやつ時に喫茶店にいるかというとバイトの早上がりのせいだ。おれのバイト先も暇だったのだ。
せっかく早く上がれたし読みかけの本もちょうどたまっていたので、読んでしまおうという算段だ。
「面白い人みっけ」
「どういう、意味ですか先輩」
声のするほうをみると案の定先輩がいた。
「前に座っても」
「どうぞ」
先輩はすぐ席に座る。
「すいません、ブレンド一つ」
「ホットかアイスどちらにいたしますか」
先輩は「ホットで」と答える。
「最近よく合いますね」
「そうね」
「お待たせいたしました」と店員さんがコーヒーを置く。
先輩はどうもと言ってコーヒーを飲む。
つい、まじまじと口元を見てしまう。
「どうしたの」
「いっ、いえ」
つい、顔をそむけてしまった。
大学時代からいつも調子を狂わせられる。
まあ、いいや。それよりも、聞きたいことを聞いてしまおう。
「先輩、もしかして…」
「もしかして?」
「僕のことストーキングしてませんよね」
いつも会うタイミングが良すぎる。というか、タイミングが良すぎて怖い。
「ははははっ」
先輩がおなかを抱えながら笑いだす。しかも涙を流しながらだ。
そんなに、おれはおかしなことを言っただろうか。
「ごめん、あまりにも真面目な顔をして聞くものだから面白くて」
「そんなに変なこと言いましたか」
「いや、どんだけ自意識過剰なのって思って」
自意識過剰って言われても恐ろしいほどタイミング良く合えば誰だってそう思う。
それに、今は物騒な世の中だ。SNSで住所特定から行動パターンを推測することだってあるぐらいだ。何があるかわからない。
「ごめんごめん。ほんとうに偶然なの」
さいですか。まあ、信用はできないけど。
「あっ、その顔は信じてないでしょ」
「そっ、そんなことは…」
「あるでしょ」
「はい、信用できません」
先輩は、「素直でよろしい」といってどこか満足げだった。
「ほら証拠」と言って見せられたのは喫茶店の二階にある塾の職員証だった。これでは、さすがに嘘とはいえない。そういえば、先輩が教員志望者向けの授業をとっていたことを思い出した。
「まあ、ストーキング行為はしてないけど予測はしてるかな」
「えっ、今なんて言いました?」
今なんか、不穏なことを言っていた気がする。
「いや何も言ってない」と言いながらコーヒーを飲む。
「まあ、ちょうどよかったです。先輩に伝えておきたいことがあったので」
そして先輩に上井から聞いた話も合わせてすべて伝えた。
「なるほど。それで、わたしはどうすればいいの」
「別に、僕からお願いすることはなにも。ただ、本人が聞きたいというなら全部教えてあげてください」
「本当にいいの?」
「本人が知りたいというならかまいません」
本人が、知りたいのであればおれが止めることはできない。
先輩は何か考え事をしているようだ。
「中仁は冷たいのね」
「えっ…」
「だってそうでしょ。真実を知れば姪っ子ちゃんは間違いなく傷つく。それなのにあなたは、止めようとしない。だから私は冷たいといったのよ」
「それはそうかもしれませんけど…」と返すので精いっぱいだった。確かにそうかもしれないと思ってしまったからだ。
でも、おれは腹を決めた。いまさら、その決意が揺らぐことはない。
「それでも、話してください」
「わかった」
おれは「ありがとうございます」と言って頭をさげる。
「ただし、お願いを聞く代わりに条件があるわ」
「なんですか」
「もし真実を話したら私とよりを戻して」
「…わかりました」
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