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本編
本屋
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「さてさて、色々あってようやく目的地に着いたわけですがこの巨大な要塞のような本屋をどう攻略しますか?中仁さん」
「さくらさん。ズバリ最上階からでしょう」
「えーっ」
人のボケはドスルーで文句かよ。自由すぎるだろ。
色々あったといえばあったが別に大した話でもないので今は置いておくことにする。
今、俺たちは書店に来ている。もちろん本を買いに来た。ここの書店は世界的に有名な建築家が建てたビルの1階から5階までを書店としている建物だ。そして何を隠そう今どき珍しい駅からもすごく近いわけではないのに独立している書店なのだ。
そもそも、最近はネットの普及や電子書籍が増えて新刊書店が減っていく中で残っている書店である。さらに!すごいのは、ここ最近の新刊書店は大きく分けて三種類しかないといっても過言ではない。その種類分けとは、一つショッピングセンターや駅前、百貨店の一角を借りて書店を営むテナント型。二つ目は郊外で多くの駐車台数を抱えて遠くからの客を呼ぶローサイド型。そして、ブックカフェなど本をメインにしながらも+α《プラスアルファ》の機能をつけた複合型だ。
そして、この本屋はどれにも当てはまらない。生きた化石であり、純正本屋、つまり本屋of本屋なのだ!
「おーい、帰ってこーい。本屋の前でぼーっとしないで気持ち悪いから」
「気持ち悪いとは失礼な本屋の現状を憂いていただけだ」
「はいはい。そうですねー本屋なくなったらいやだなー」
こいつ、絶対何も思ってないな。
「それよりも、本当に最上階からいくの」
「えっ!いかないの」
「『えっ!いかないの』って普通いかないでしょ。行きたいところに行ってさっさと帰る。これ基本でしょ」
「いやいや、ある程度いく場所は決まっているけど思いがけないところからピンとくる本が見つかるから本屋は面白いんだろ」
「そんなので見つかるわけないでしょ。本の購入は事前調査と書店員のPOPがあれば十分よ」
「そんな選び方しているから、お前の本棚は同じものしかないんだろ」
「はあ?それを言いだしたら、あんたの迷走している本棚よりはまし」
「迷走してるだと、味気ない本棚に比べたらバラエティに富んでて面白みがあるからいいんだよ。それよりも、その味気ない本棚の隅に隠してあるパンドラの箱の中身を堂々と飾ればいいだろ。最後には希望が残るかもしれないぞ」
「希望なんて残るわけないでしょ。残るのは黒歴史と腐臭だけよ」
「安心しろ、もうそれは立派なジャンルだ。それに、マンガやアニメでは一枠必ずあるともいえるキャラ設定だからな。いまさら、この不毛地帯に濃いキャラが増えても誰も気にしない。納豆でも肉でも腐りかけが一番うまいっていうぐらいだからなよかったな、本棚は味気ないけどキャラは味わい深くなるじゃないか」
「もう立派に個性豊かな人間ですー。これ以上濃くなったらまずいですー。えぐみしか残らないですー。ばーか」
ばーかって小学生かよ。
まあ、でもこれ以上やってもらちが明かない。というか、これ以上は無駄な争いが待っているだけだ。
ならここは早々に店内をどうみるか決めないと。
「とりあえず、店に入らないか」
「ええ、そうね。ここで、選書のルールについて話しても無駄だわ」
「ああそですか。じゃあ、いつもの決め方で文句ないな」
「ええもちろんよ。いくわよ」
今戦いの火ぶたが切って落とされる。
「さくらさん。ズバリ最上階からでしょう」
「えーっ」
人のボケはドスルーで文句かよ。自由すぎるだろ。
色々あったといえばあったが別に大した話でもないので今は置いておくことにする。
今、俺たちは書店に来ている。もちろん本を買いに来た。ここの書店は世界的に有名な建築家が建てたビルの1階から5階までを書店としている建物だ。そして何を隠そう今どき珍しい駅からもすごく近いわけではないのに独立している書店なのだ。
そもそも、最近はネットの普及や電子書籍が増えて新刊書店が減っていく中で残っている書店である。さらに!すごいのは、ここ最近の新刊書店は大きく分けて三種類しかないといっても過言ではない。その種類分けとは、一つショッピングセンターや駅前、百貨店の一角を借りて書店を営むテナント型。二つ目は郊外で多くの駐車台数を抱えて遠くからの客を呼ぶローサイド型。そして、ブックカフェなど本をメインにしながらも+α《プラスアルファ》の機能をつけた複合型だ。
そして、この本屋はどれにも当てはまらない。生きた化石であり、純正本屋、つまり本屋of本屋なのだ!
「おーい、帰ってこーい。本屋の前でぼーっとしないで気持ち悪いから」
「気持ち悪いとは失礼な本屋の現状を憂いていただけだ」
「はいはい。そうですねー本屋なくなったらいやだなー」
こいつ、絶対何も思ってないな。
「それよりも、本当に最上階からいくの」
「えっ!いかないの」
「『えっ!いかないの』って普通いかないでしょ。行きたいところに行ってさっさと帰る。これ基本でしょ」
「いやいや、ある程度いく場所は決まっているけど思いがけないところからピンとくる本が見つかるから本屋は面白いんだろ」
「そんなので見つかるわけないでしょ。本の購入は事前調査と書店員のPOPがあれば十分よ」
「そんな選び方しているから、お前の本棚は同じものしかないんだろ」
「はあ?それを言いだしたら、あんたの迷走している本棚よりはまし」
「迷走してるだと、味気ない本棚に比べたらバラエティに富んでて面白みがあるからいいんだよ。それよりも、その味気ない本棚の隅に隠してあるパンドラの箱の中身を堂々と飾ればいいだろ。最後には希望が残るかもしれないぞ」
「希望なんて残るわけないでしょ。残るのは黒歴史と腐臭だけよ」
「安心しろ、もうそれは立派なジャンルだ。それに、マンガやアニメでは一枠必ずあるともいえるキャラ設定だからな。いまさら、この不毛地帯に濃いキャラが増えても誰も気にしない。納豆でも肉でも腐りかけが一番うまいっていうぐらいだからなよかったな、本棚は味気ないけどキャラは味わい深くなるじゃないか」
「もう立派に個性豊かな人間ですー。これ以上濃くなったらまずいですー。えぐみしか残らないですー。ばーか」
ばーかって小学生かよ。
まあ、でもこれ以上やってもらちが明かない。というか、これ以上は無駄な争いが待っているだけだ。
ならここは早々に店内をどうみるか決めないと。
「とりあえず、店に入らないか」
「ええ、そうね。ここで、選書のルールについて話しても無駄だわ」
「ああそですか。じゃあ、いつもの決め方で文句ないな」
「ええもちろんよ。いくわよ」
今戦いの火ぶたが切って落とされる。
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