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第3章
第31話 入学
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「以上で、ゴスイ魔法学校、第137回入学式を終了とする」
なかなか眠れない夜を抜け、今日、俺はゴスイ魔法学校に入学をした。
入学式が終わり、それぞれの教室へと案内され、俺は席に着いた。
「今日マジで起こしてくれて助かったわ」
「じゃ、グルド。これで貸し1だね」
「おい! 今日位は頼むよ」
「ははは。仕方ない。次やったら学食奢りね」
グルドは俺の席の前に立ち、軽く話をした。教室はかなり静かで、話しているのは俺達だけであった。
シュナも俺に話しかけようとしていたが、グルドと話す俺を見て、そっと席に戻って行った。
「はい、席つけー。出席とるぞ」
ガラガラと教室のドアを開け、入ってきた先生は少し怖そうな男の先生だった。
グルドも素早く離れた席に戻り、先生の自己紹介と出席が始まった。
「俺の名前はサランだ。よろしく」
サラン先生……か。本当に顔しか覚えていない。
「えー、エアリス」
「はーい」
「グルド」
「あい」
「シュナ」
「はい」
「トム」
「うっす!」
「バッド」
「はい」
「ヒューム」
「はい!」
「ラミリエル」
「はい」
「えっと、今年は7人だな。例年より少ないかま……まぁ、お前らは選ばれた人間だ。そこしっかり忘れんなよ」
生前の魔法科入学者は6人。今回はシュナを入れて7人だ。変わっていない。
俺とシュナ以外の5人もみんな知ってるし見た事はある。
性格とかは全然関わってこなかったから分からないけど……なんか見た感じわかるやつも沢山いるな。
「でも、選ばれたからってあんまり調子乗るなよ。剣士科のヤツらに失礼だ。言っておくがアイツらは"恥"なんかじゃねぇ。分かったか……返事は」
「「「はい」」」
この先生……多分良い人だ。生前もこの先生だったはずなのに……全く覚えていない。
はぁ……本当にやる気なかったんだなぁあの時。
やる気っていうか……人生に疲れてたんだな。
「最後に成績開示だ。一応、各入試と総合の首席を発表する事になってるから、これ聞いて気引き締めるように」
成績開示……か。こんなこともあったのか。マジで入学前後の記憶すっぽり抜けてるなぁ……
でも、ちょっと名前呼ばれたいかも……!
「まず、筆記試験。首席は……ヒューム、お前だ。おめでとう、よく頑張った」
「はい! ありがとうございます!」
負けた……!? 俺2回目だぞ!? どんなミスしたんだよ俺……てかこの人凄すぎるよ……
「んで、次。魔力試験の方だな。こっちは……グルド。お前だ、おめでとう」
「え、あ? はい」
グルドかぁ~グルドさんなのか~。確かに会った時すごい量あるなとは思ったけど……俺以上か~……しょぼん。
「まぁ、2人とも努力や実力は認める。だが、両者分かってるとは思うが、もうひとつの試験はかなり低い。だからこその総合だ。総合でいちばんこの中で良かったのは……」
頼む頼む……頼む頼む……!!!
「バッド。両入試2位で総合1位はお前だ。おめでとう」
「え、あ、はい!!!!」
来たっ!! 総合1位!! 実質首席……だけど……何回も言うけど……俺2回目だもんな……恥ずかしい……
「これで終わりだが、呼ばれなかったヤツらも言ってしまえば、魔法科の規定を超えた総合7位までの実力者ってことだ。あんま思い詰めんなよ」
規定を超えた7人。今年は少ないらしいが、この7人は確実に実力を持ってるし、努力もできる強者ばかりだ。
負けてられないな。早く俺も魔法使えるようにならなきゃ。
「じゃ、今日はこれで終わりだ。明日は一日休みで明後日から本格的な授業が始まる。午前中が座学で、午後が実技だ。一応言っておくが、校則はしっかり確認しとけよ。じゃ、解散」
そう言い残し、サラン先生は教室を後にした。
「バッド……? もう友達できたの?」
「あ、まぁね。寮が同じ部屋で仲良くなったんだ」
少し不安そうに話しかけてきたシュナと会話を始める。
「そうなんだぁ……私一人部屋だったんだよね」
「そうなのか。でも、女子少ないし、入寮している人も少ないのかもな」
「本当にバッドが同じクラスで良かったよ」
「俺もシュナが居ると安心するよ。何かあったら言ってくれ」
「うん……!」
シュナと軽い会話が終わり、持ち物を片付け、一旦寮に帰ろうとしたその時だった。
「なぁ! 男子みんなで飯行こうぜ!!」
いきなり後ろから肩を組んできた男。えっと……
「あ……え、えっと……」
「トムだ。よろしくな。えっと……バッド? だったよな」
「え、あ、うん。よろしく」
「グルドは暇だから行くってよ。えっと……ヒューム! そう、ヒュームだ! 来るか?」
「僕は遠慮しとくよ」
そう告げた筆記試験1位の彼は教室を出て行ってしまった。
「なんだよあいつーー! せっかく仲良くしたいってのに」
「まぁ……今日は3人で行こうか」
「バッド、今日戻ったら模様替え手伝ってくれ」
「模様替えって早くない!?」
「おいおい! お前ら寮一緒なのかよ!!」
そんなこんなで3人で食堂に行くことになった。
しかし、食堂に着いたはいいが、新年度初日ということもあって、なかなかの賑わいを見せていた。
「席……空いてないな」
「こーゆー時は開きそうな席の近くで待っとくんだよ!」
「あ、ここ空いたよ」
「んが!」
俺は空いた席に荷物を置き、みんなで学食を買いに行った。
色んな料理があり、どれも安価でたくさん量の入った学生に優しい学食であった。
月に食費としてお母さんから金貨1~2枚ほど送られてくる。それでやりくりしなければ行けない俺にとっては素晴らしい食堂であった。
各々学食を買いに行き、みんなの料理が出揃った。
「「「いただきます」」」
俺たちは色んな話をしながら学食を食べた。
どこから来たのかやこの学校を受験した経緯、趣味やクラスの女子の話まで。
そっか。そうか。これが学生……か。
楽しい。すごく楽しい。明後日からの学校生活が楽しみで仕方なくなった。
こうして、俺のゴスイ魔法学校での生活が始まった。
なかなか眠れない夜を抜け、今日、俺はゴスイ魔法学校に入学をした。
入学式が終わり、それぞれの教室へと案内され、俺は席に着いた。
「今日マジで起こしてくれて助かったわ」
「じゃ、グルド。これで貸し1だね」
「おい! 今日位は頼むよ」
「ははは。仕方ない。次やったら学食奢りね」
グルドは俺の席の前に立ち、軽く話をした。教室はかなり静かで、話しているのは俺達だけであった。
シュナも俺に話しかけようとしていたが、グルドと話す俺を見て、そっと席に戻って行った。
「はい、席つけー。出席とるぞ」
ガラガラと教室のドアを開け、入ってきた先生は少し怖そうな男の先生だった。
グルドも素早く離れた席に戻り、先生の自己紹介と出席が始まった。
「俺の名前はサランだ。よろしく」
サラン先生……か。本当に顔しか覚えていない。
「えー、エアリス」
「はーい」
「グルド」
「あい」
「シュナ」
「はい」
「トム」
「うっす!」
「バッド」
「はい」
「ヒューム」
「はい!」
「ラミリエル」
「はい」
「えっと、今年は7人だな。例年より少ないかま……まぁ、お前らは選ばれた人間だ。そこしっかり忘れんなよ」
生前の魔法科入学者は6人。今回はシュナを入れて7人だ。変わっていない。
俺とシュナ以外の5人もみんな知ってるし見た事はある。
性格とかは全然関わってこなかったから分からないけど……なんか見た感じわかるやつも沢山いるな。
「でも、選ばれたからってあんまり調子乗るなよ。剣士科のヤツらに失礼だ。言っておくがアイツらは"恥"なんかじゃねぇ。分かったか……返事は」
「「「はい」」」
この先生……多分良い人だ。生前もこの先生だったはずなのに……全く覚えていない。
はぁ……本当にやる気なかったんだなぁあの時。
やる気っていうか……人生に疲れてたんだな。
「最後に成績開示だ。一応、各入試と総合の首席を発表する事になってるから、これ聞いて気引き締めるように」
成績開示……か。こんなこともあったのか。マジで入学前後の記憶すっぽり抜けてるなぁ……
でも、ちょっと名前呼ばれたいかも……!
「まず、筆記試験。首席は……ヒューム、お前だ。おめでとう、よく頑張った」
「はい! ありがとうございます!」
負けた……!? 俺2回目だぞ!? どんなミスしたんだよ俺……てかこの人凄すぎるよ……
「んで、次。魔力試験の方だな。こっちは……グルド。お前だ、おめでとう」
「え、あ? はい」
グルドかぁ~グルドさんなのか~。確かに会った時すごい量あるなとは思ったけど……俺以上か~……しょぼん。
「まぁ、2人とも努力や実力は認める。だが、両者分かってるとは思うが、もうひとつの試験はかなり低い。だからこその総合だ。総合でいちばんこの中で良かったのは……」
頼む頼む……頼む頼む……!!!
「バッド。両入試2位で総合1位はお前だ。おめでとう」
「え、あ、はい!!!!」
来たっ!! 総合1位!! 実質首席……だけど……何回も言うけど……俺2回目だもんな……恥ずかしい……
「これで終わりだが、呼ばれなかったヤツらも言ってしまえば、魔法科の規定を超えた総合7位までの実力者ってことだ。あんま思い詰めんなよ」
規定を超えた7人。今年は少ないらしいが、この7人は確実に実力を持ってるし、努力もできる強者ばかりだ。
負けてられないな。早く俺も魔法使えるようにならなきゃ。
「じゃ、今日はこれで終わりだ。明日は一日休みで明後日から本格的な授業が始まる。午前中が座学で、午後が実技だ。一応言っておくが、校則はしっかり確認しとけよ。じゃ、解散」
そう言い残し、サラン先生は教室を後にした。
「バッド……? もう友達できたの?」
「あ、まぁね。寮が同じ部屋で仲良くなったんだ」
少し不安そうに話しかけてきたシュナと会話を始める。
「そうなんだぁ……私一人部屋だったんだよね」
「そうなのか。でも、女子少ないし、入寮している人も少ないのかもな」
「本当にバッドが同じクラスで良かったよ」
「俺もシュナが居ると安心するよ。何かあったら言ってくれ」
「うん……!」
シュナと軽い会話が終わり、持ち物を片付け、一旦寮に帰ろうとしたその時だった。
「なぁ! 男子みんなで飯行こうぜ!!」
いきなり後ろから肩を組んできた男。えっと……
「あ……え、えっと……」
「トムだ。よろしくな。えっと……バッド? だったよな」
「え、あ、うん。よろしく」
「グルドは暇だから行くってよ。えっと……ヒューム! そう、ヒュームだ! 来るか?」
「僕は遠慮しとくよ」
そう告げた筆記試験1位の彼は教室を出て行ってしまった。
「なんだよあいつーー! せっかく仲良くしたいってのに」
「まぁ……今日は3人で行こうか」
「バッド、今日戻ったら模様替え手伝ってくれ」
「模様替えって早くない!?」
「おいおい! お前ら寮一緒なのかよ!!」
そんなこんなで3人で食堂に行くことになった。
しかし、食堂に着いたはいいが、新年度初日ということもあって、なかなかの賑わいを見せていた。
「席……空いてないな」
「こーゆー時は開きそうな席の近くで待っとくんだよ!」
「あ、ここ空いたよ」
「んが!」
俺は空いた席に荷物を置き、みんなで学食を買いに行った。
色んな料理があり、どれも安価でたくさん量の入った学生に優しい学食であった。
月に食費としてお母さんから金貨1~2枚ほど送られてくる。それでやりくりしなければ行けない俺にとっては素晴らしい食堂であった。
各々学食を買いに行き、みんなの料理が出揃った。
「「「いただきます」」」
俺たちは色んな話をしながら学食を食べた。
どこから来たのかやこの学校を受験した経緯、趣味やクラスの女子の話まで。
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