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第2章
第24話 バッドVSゴブリン
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「……あった!」
俺は分かれ道にたどり着いた。
「はぁ……はぁ……こっちから来たから……こっち!」
すぐさま選ばれなかった方の道へと走り出した。
体力は既に限界。もし、今この状況でモンスターなんかに出くわしたら……なんて考えてる暇か!
助けなきゃ……助けなきゃ! 信じてもらったんだ!!
俺はひたすら走り続けた。
「……あれは?」
薄暗い道の先になにかの影が見えた。
……人? にしては2つあるけど……
その時、俺は思い出した。ストローグさんの話を。
人型の……モンスター!?
さらに近づくと招待は明らかになった。
そこには縄で縛られた女性と緑の肌の人型モンスターがいた。正しくそれはゴブリンであった。
女性は上半身の服をビリビリにされており、下着姿であった。足元には壊れたランプの残骸が落ちている。
「助けて!!」
女性の太ももには、切りつけられた跡があり、かなり出血していた。
「助けに来ました!! お名前はシュナさんですか!!」
俺が走りながらそう聞くと、彼女は泣きながら縦に首を振った。
俺は何も考えず、ゴブリンの所に走り出す。
「……まじかよ」
そのゴブリンは、右手にナイフを持ち、俺に気が付いた瞬間、無言でこっちに走り出してきた。
カキン!
「あっぶね!」
俺は間一髪、剣で受け止め、弾き返した。
にしても、このゴブリンの攻撃は重たかった。そして、ひとつ、疑問が生まれた。
女性の様子だった。モンスターは知性を持たない。そう聞いた。でも、女性は縄で縛られ、服を破かれている。
そして、悲鳴から時間が経っているのに、太もも以外に目立った外傷はなかった。
……まずは彼女の安全の確保だ。
「おりゃー! どけー!」
俺はゴブリンに向かって突撃した。そして剣を振った。
「ぐへっ!」
俺は弾き飛ばされてしまった。小さなナイフにいとも簡単に。
本当に……これ……おかしいだろ!
この洞窟に発生しているモンスターは格が違った。確かに、前世でもこのようなモンスター達は沢山、出会ったことはあった。
でも、それは中央都市の大きなダンジョンでの事だ。
こんな小さな村の近くに……こんなモンスターが発生するなんて……
「くそ!」
俺は何度も何度も、ゴブリンにアタックしては吹き飛ばされてを繰り返した。
クソ……勝てねぇ……目の前に助けなきゃ行けない人がいんのに……!
その時だった。
「……助けて」
弱々しいシュナさんの声だった。……何やってんだよ! 馬鹿野郎!!
「……ストローグさん。ごめんなさい」
俺は身体中に魔力を流した。
大きく深呼吸をする。
前より慎重に。ゆっくり、少ない魔力で身体中行き渡るように。流せ……流せ!
「……!!!」
俺はゴブリン目掛けて全力で走り、剣を振り下ろした。
「ギュア!?!?」
俺の速さにゴブリンは驚きを見せたが、ナイフで俺の攻撃を間一髪受け止めた。
しかし、ゴブリンは攻撃の衝撃に耐えられず、左側側の壁へと吹き飛ばされ、激突した。
大きな音と共に、パラパラと壁が崩れる音がした。
……安否確認!
「シュナさん! 大丈夫ですか!!」
小さく頷いたのを見て、俺は剣で縄を切り、上の服を脱ぎ彼女に着させてあげた。
ビリビリに破かれていた服を結び、太ももの傷跡にギュッ、と縛った。
縛った時、「んっ!」と、痛みを我慢する彼女だったが、それ以外は何も見せなかった。
強い子だ。そういえば弟の敵討ちって言ってたっけな。
絶対助けて帰ろう……
「う、後ろ!!」
彼女が叫んだ時、すぐに振り返ったがもう遅かった。
目の前にはもう、殺意の満ちたゴブリンが現れていた。
やべぇ……死ぬ!!!
ブウォォォン!!!
「うわっ!!」
その大きな音と同時に発生した巨大な風は、ゴブリンを吹き飛ばし、俺たちを助けてくれた。
「い、今のって……」
両手を伸ばし、はぁはぁ、と荒い呼吸をする彼女に質問をしたが、返事はかえってこなかった。
見ていなかったが、恐らく彼女の魔法だ。しかもかなりの魔力量だった。
そう。かなりの魔力量。多分だが……
「シュナさん……」
彼女は気を失いドサッ、と倒れてしまった。
脈はある。まだ生きてる。俺は治癒魔法使えねぇから……早くケリつけて帰らねぇと。
俺は立ち上がり、ゴブリンの方を向いた。
ゴブリンも立ち上がり、こちらを睨めつける。
知性のあるモンスター。ここまで厄介なものは初めてだ。
ケイトもケイトを寝取ったアイツも、かなりの腕利きの冒険者であった。だから、難なくモンスターの討伐は出来ていた。
でも……今は違う。1人だ。魔法も使えないただの剣士。
「正々堂々これでできるな……!」
俺は身体中にもう一度魔力を流した。
あの時とは違うけど、俺もまた違う。
魔力の使い方も習得したし、戦い方もしっかり学んだ。そして、守るべきものも増えた。
守るもんあるときぐらい、全力で約束破ります師匠。
一撃で終わらせる……だから……全部流せ……!
「ギュアァァァア!!」
ゴブリンが走り出す。相手もさっきより段違いに魔力量が増えていた。
スピードも圧も段違いだ。
でも、なんでだろう。負ける気がしない。
「はぁぁぁぁあ!!!」
ゴブリンがナイフを突き出して来た瞬間、その場で上から剣を振り下ろした。
ゴブリンは咄嗟にナイフを持ち上げ、防御姿勢に入る。
だが、剣先まで魔力の流れた剣は止まることなく、ナイフを粉々にし、ゴブリンを脳天から真っ二つに切り裂いた。
魔力の流れなど気が付かないくらいに俺は興奮していた。
俺は分かれ道にたどり着いた。
「はぁ……はぁ……こっちから来たから……こっち!」
すぐさま選ばれなかった方の道へと走り出した。
体力は既に限界。もし、今この状況でモンスターなんかに出くわしたら……なんて考えてる暇か!
助けなきゃ……助けなきゃ! 信じてもらったんだ!!
俺はひたすら走り続けた。
「……あれは?」
薄暗い道の先になにかの影が見えた。
……人? にしては2つあるけど……
その時、俺は思い出した。ストローグさんの話を。
人型の……モンスター!?
さらに近づくと招待は明らかになった。
そこには縄で縛られた女性と緑の肌の人型モンスターがいた。正しくそれはゴブリンであった。
女性は上半身の服をビリビリにされており、下着姿であった。足元には壊れたランプの残骸が落ちている。
「助けて!!」
女性の太ももには、切りつけられた跡があり、かなり出血していた。
「助けに来ました!! お名前はシュナさんですか!!」
俺が走りながらそう聞くと、彼女は泣きながら縦に首を振った。
俺は何も考えず、ゴブリンの所に走り出す。
「……まじかよ」
そのゴブリンは、右手にナイフを持ち、俺に気が付いた瞬間、無言でこっちに走り出してきた。
カキン!
「あっぶね!」
俺は間一髪、剣で受け止め、弾き返した。
にしても、このゴブリンの攻撃は重たかった。そして、ひとつ、疑問が生まれた。
女性の様子だった。モンスターは知性を持たない。そう聞いた。でも、女性は縄で縛られ、服を破かれている。
そして、悲鳴から時間が経っているのに、太もも以外に目立った外傷はなかった。
……まずは彼女の安全の確保だ。
「おりゃー! どけー!」
俺はゴブリンに向かって突撃した。そして剣を振った。
「ぐへっ!」
俺は弾き飛ばされてしまった。小さなナイフにいとも簡単に。
本当に……これ……おかしいだろ!
この洞窟に発生しているモンスターは格が違った。確かに、前世でもこのようなモンスター達は沢山、出会ったことはあった。
でも、それは中央都市の大きなダンジョンでの事だ。
こんな小さな村の近くに……こんなモンスターが発生するなんて……
「くそ!」
俺は何度も何度も、ゴブリンにアタックしては吹き飛ばされてを繰り返した。
クソ……勝てねぇ……目の前に助けなきゃ行けない人がいんのに……!
その時だった。
「……助けて」
弱々しいシュナさんの声だった。……何やってんだよ! 馬鹿野郎!!
「……ストローグさん。ごめんなさい」
俺は身体中に魔力を流した。
大きく深呼吸をする。
前より慎重に。ゆっくり、少ない魔力で身体中行き渡るように。流せ……流せ!
「……!!!」
俺はゴブリン目掛けて全力で走り、剣を振り下ろした。
「ギュア!?!?」
俺の速さにゴブリンは驚きを見せたが、ナイフで俺の攻撃を間一髪受け止めた。
しかし、ゴブリンは攻撃の衝撃に耐えられず、左側側の壁へと吹き飛ばされ、激突した。
大きな音と共に、パラパラと壁が崩れる音がした。
……安否確認!
「シュナさん! 大丈夫ですか!!」
小さく頷いたのを見て、俺は剣で縄を切り、上の服を脱ぎ彼女に着させてあげた。
ビリビリに破かれていた服を結び、太ももの傷跡にギュッ、と縛った。
縛った時、「んっ!」と、痛みを我慢する彼女だったが、それ以外は何も見せなかった。
強い子だ。そういえば弟の敵討ちって言ってたっけな。
絶対助けて帰ろう……
「う、後ろ!!」
彼女が叫んだ時、すぐに振り返ったがもう遅かった。
目の前にはもう、殺意の満ちたゴブリンが現れていた。
やべぇ……死ぬ!!!
ブウォォォン!!!
「うわっ!!」
その大きな音と同時に発生した巨大な風は、ゴブリンを吹き飛ばし、俺たちを助けてくれた。
「い、今のって……」
両手を伸ばし、はぁはぁ、と荒い呼吸をする彼女に質問をしたが、返事はかえってこなかった。
見ていなかったが、恐らく彼女の魔法だ。しかもかなりの魔力量だった。
そう。かなりの魔力量。多分だが……
「シュナさん……」
彼女は気を失いドサッ、と倒れてしまった。
脈はある。まだ生きてる。俺は治癒魔法使えねぇから……早くケリつけて帰らねぇと。
俺は立ち上がり、ゴブリンの方を向いた。
ゴブリンも立ち上がり、こちらを睨めつける。
知性のあるモンスター。ここまで厄介なものは初めてだ。
ケイトもケイトを寝取ったアイツも、かなりの腕利きの冒険者であった。だから、難なくモンスターの討伐は出来ていた。
でも……今は違う。1人だ。魔法も使えないただの剣士。
「正々堂々これでできるな……!」
俺は身体中にもう一度魔力を流した。
あの時とは違うけど、俺もまた違う。
魔力の使い方も習得したし、戦い方もしっかり学んだ。そして、守るべきものも増えた。
守るもんあるときぐらい、全力で約束破ります師匠。
一撃で終わらせる……だから……全部流せ……!
「ギュアァァァア!!」
ゴブリンが走り出す。相手もさっきより段違いに魔力量が増えていた。
スピードも圧も段違いだ。
でも、なんでだろう。負ける気がしない。
「はぁぁぁぁあ!!!」
ゴブリンがナイフを突き出して来た瞬間、その場で上から剣を振り下ろした。
ゴブリンは咄嗟にナイフを持ち上げ、防御姿勢に入る。
だが、剣先まで魔力の流れた剣は止まることなく、ナイフを粉々にし、ゴブリンを脳天から真っ二つに切り裂いた。
魔力の流れなど気が付かないくらいに俺は興奮していた。
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