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第2章 少年期 剣術・魔術成長編
第26話 お母さん
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「なによ.....」
お母さんは冷たい視線で俺を睨めつけた。
「あ.....いや.....」
前のお母さんとは全く違うその容貌に俺はヒヨってしまった。
「用がないなら出ていきなさい!! 邪魔なの!!」
お母さんが怒鳴りつけながら、ベッドの横にあるサイドテーブルに乗っていた本を投げつけてきた。
飛んできた本は俺のお腹辺りに直撃した。
その瞬間俺はエイミーとリューネの姿を思い出した。
沢山涙を流したふたりの気持ちを。
俺は大きく息を吸い込んだ。
「……お母さん!! 今までのお母さんに.....戻ってよ!!」
初めての反抗だった。いつもは優しいお母さんだったが今は違う。
「今までのお母さん……? なによ。私の気持ちなんてこれっぽっちも分からないでしょ!! エイミーもリューネもグラリスも!!」
お母さんは怒鳴り返してきた。息を切らしはぁはぁ、と荒い呼吸をするお母さんに俺はまた大きく息を吸い込み、叫ぶ。
「分からないよ!! 分かるわけないよ!! でも.....でも!! お母さんだって分からないでしょ!! 僕やエイミー、リューネの気持ちなんて!!」
それを聞いた瞬間お母さんは、はっと息を飲んだ。
「エイミーがどんな気持ちで毎日ご飯を作ってくれてるか!! リューネがどれだけ悲しんでるか!! お母さんだって辛いかもしれないけど.....僕たちだって同じなんだよ.....」
話してる途中、涙がこらえられなかった。さっきまで、俺もお母さん見たいだったと思う。でも、エイミーに言われて気が付いた。リューネの涙を見て決心した。このままじゃダメなんだ。
お母さんからの返事は来ない。
俺は涙で視界が滲んであまりお母さんのことが見れなかった。
「僕.....魔剣学校に行くよ」
長い沈黙を抜け、涙を拭い、俺はそう告げた。
それを聞くと、今まで開かなかったお母さんの口が開いた。
「.....お金はどうするのよ」
「そんなの僕が何とかする」
「何とかするってグラリスあなたはまだ8歳でしょ.....」
「じゃぁ.....どうすればいいの!!」
また沈黙が続いた。
沈黙に耐えきれなくなり俺は最後の言葉を告げた。
「お母さんが変わらないなら.....僕が全部何とかするから」
そう言って振り返りドアノブに手をかけた。
俺は諦めることにした。今すぐ元に戻すことを。
でも、いつかは。俺がもっと強くなってお父さんも超えるときには。
ドアを開けて外に出ようとしたその時だった。
「少しは.....少しはお母さんも.....頼ってよ.....」
その瞬間だけは、今までのお母さんだった。
でも、こんな姿見た事なかった。
お母さんが弱音を吐く姿。そして、涙を流す姿。
俺はお母さんのその言葉に驚きを隠せなかった。
すぐに振り返る。
「お母さん.....」
「私は.....あなたたちの.....親なの.....違う.....?」
俺は何も考えずお母さんに飛びついた。
「確かにお父さんは強かった……でも私はそうじゃない……」
お母さんは俺を抱きしめながら震えた声で話を続けた。
「でも……グラリスやリューネの親よ……違う……?」
「そうだよ.....お母さんだよ.....大好きな.....お母さんだよ.....!」
「.....ごめんねグラリス.....こんな頼りないお母さんで」
「そんな事ない! お母さんは俺の中で世界一のお母さんだよ!」
親子揃って泣きながら長い時間を過ごした。
か細い手で俺の頭を撫でるお母さんは温かかった。
昔お父さんによくお母さんとの馴れ初めを聞かされていた。
あの時はめんどくさいなと軽く流していた。
でも、どれを思い出してもそれは何の変哲もない思い出だった。
好きな人との大切な思い出。お母さんの失ったものはでかい。
だから次は俺が。そして、僕も。
もう大切なものを失わないように。
お母さんは冷たい視線で俺を睨めつけた。
「あ.....いや.....」
前のお母さんとは全く違うその容貌に俺はヒヨってしまった。
「用がないなら出ていきなさい!! 邪魔なの!!」
お母さんが怒鳴りつけながら、ベッドの横にあるサイドテーブルに乗っていた本を投げつけてきた。
飛んできた本は俺のお腹辺りに直撃した。
その瞬間俺はエイミーとリューネの姿を思い出した。
沢山涙を流したふたりの気持ちを。
俺は大きく息を吸い込んだ。
「……お母さん!! 今までのお母さんに.....戻ってよ!!」
初めての反抗だった。いつもは優しいお母さんだったが今は違う。
「今までのお母さん……? なによ。私の気持ちなんてこれっぽっちも分からないでしょ!! エイミーもリューネもグラリスも!!」
お母さんは怒鳴り返してきた。息を切らしはぁはぁ、と荒い呼吸をするお母さんに俺はまた大きく息を吸い込み、叫ぶ。
「分からないよ!! 分かるわけないよ!! でも.....でも!! お母さんだって分からないでしょ!! 僕やエイミー、リューネの気持ちなんて!!」
それを聞いた瞬間お母さんは、はっと息を飲んだ。
「エイミーがどんな気持ちで毎日ご飯を作ってくれてるか!! リューネがどれだけ悲しんでるか!! お母さんだって辛いかもしれないけど.....僕たちだって同じなんだよ.....」
話してる途中、涙がこらえられなかった。さっきまで、俺もお母さん見たいだったと思う。でも、エイミーに言われて気が付いた。リューネの涙を見て決心した。このままじゃダメなんだ。
お母さんからの返事は来ない。
俺は涙で視界が滲んであまりお母さんのことが見れなかった。
「僕.....魔剣学校に行くよ」
長い沈黙を抜け、涙を拭い、俺はそう告げた。
それを聞くと、今まで開かなかったお母さんの口が開いた。
「.....お金はどうするのよ」
「そんなの僕が何とかする」
「何とかするってグラリスあなたはまだ8歳でしょ.....」
「じゃぁ.....どうすればいいの!!」
また沈黙が続いた。
沈黙に耐えきれなくなり俺は最後の言葉を告げた。
「お母さんが変わらないなら.....僕が全部何とかするから」
そう言って振り返りドアノブに手をかけた。
俺は諦めることにした。今すぐ元に戻すことを。
でも、いつかは。俺がもっと強くなってお父さんも超えるときには。
ドアを開けて外に出ようとしたその時だった。
「少しは.....少しはお母さんも.....頼ってよ.....」
その瞬間だけは、今までのお母さんだった。
でも、こんな姿見た事なかった。
お母さんが弱音を吐く姿。そして、涙を流す姿。
俺はお母さんのその言葉に驚きを隠せなかった。
すぐに振り返る。
「お母さん.....」
「私は.....あなたたちの.....親なの.....違う.....?」
俺は何も考えずお母さんに飛びついた。
「確かにお父さんは強かった……でも私はそうじゃない……」
お母さんは俺を抱きしめながら震えた声で話を続けた。
「でも……グラリスやリューネの親よ……違う……?」
「そうだよ.....お母さんだよ.....大好きな.....お母さんだよ.....!」
「.....ごめんねグラリス.....こんな頼りないお母さんで」
「そんな事ない! お母さんは俺の中で世界一のお母さんだよ!」
親子揃って泣きながら長い時間を過ごした。
か細い手で俺の頭を撫でるお母さんは温かかった。
昔お父さんによくお母さんとの馴れ初めを聞かされていた。
あの時はめんどくさいなと軽く流していた。
でも、どれを思い出してもそれは何の変哲もない思い出だった。
好きな人との大切な思い出。お母さんの失ったものはでかい。
だから次は俺が。そして、僕も。
もう大切なものを失わないように。
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