CHAICER~チェイサー~

ExtraPart.Episode of Arres

第二話「怪物プレア」

フィートの研究室内部　消毒室で天井からの消毒スプリンクラーを浴びる

フィート：さ　まずはここで全身の殺菌をしてから入って

アレス：・・・水泳のシャワーか


殺菌終了　アレスの傷の手当てへ

フィート：・・・名前ぐらい聞いてもいいでしょ

アレス：・・・アレスだ

フィート：アレス　・・１６歳の高校一年生ね

アレス：・・・・プレアとは何なんだ・・・今後一体どうなるんだ・・

フィート　アレスの傷口から出ていた血を脱脂綿で拭い取りゆっくりと喋る

フィート：・・・・・プレアは・・謎の怪物よ・・出生要因も・・生態も・・まだまだ分からない事だらけだわ　定期的に個体数を増やし続け人間を襲う　細菌の塊が自我を持った存在なのか　全く別の生物なのか　目下もっか研究中よ

アレス：・・・っ・・・

フィート：・・・・。

アレス：・・・・妹が死んだ・・

フィート：！・・・・。

アレス：つい一ヶ月程前だ・・

フィート：・・・そう　・・また若い被害者が・・・

アレス：まだ中学に入ったばかりの１３歳だった

フィート：っ・・・　・・・もしかして一ヶ月前って・・

アレス：・・・そうだ　高層ビル倒壊事故・・「ルネ・ブリー」にいた・・

フィート：・・・・っ・・そう・・だったのね・・・


アレス：（N）ルネ・ブリー倒壊事故　地上６０階の超高層ビルへ当時買い物に行っていた妹は　ビルの中で事故に巻き込まれた　倒壊の要因はプレアが過剰に繁殖した事による躯体（くたい）の腐食だと発表された　数百人に及ぶ犠牲者が出たがプレアの特性上　感染のリスクから遺族は対面する事が出来ず余儀無い別れをした


アレス：あの事件の被害者を代表する気なんて無い　だが　・・あんたはプレアの研究をしてるって・・事態を収束させる気は無いのか・・っ！　・・・・奴は・・・どうすれば消えるんだ・・！

フィート：・・・奴らの撃退も当然視野に入れて研究　実行しているわ　プレアは雨天の時には数が減る　一定量までは糧にしてしまうけど大量の水が含まれると溶けて消えてしまうわ　だから水辺を避ける傾向にある　

アレス：・・・なんとかして水辺まで誘い出して水中に突き落としでもしないとダメって事か

フィート：いえ　そんな方法は一度も実行してないわ　プレアは・・例えば鈍器や刃物・・銃器で攻撃しても全く効かない　動きを一時的に止めても完全な消滅にはならない

アレス：ならどうするんだ

フィート：・・・なぜあの怪物がプレアっていうのかは知ってるかしら

アレス：突如現れて都心を中心に「蔓延」してる・・・「spreadスプレッド」から取って「preaプレア」だったな・・あんたが公表した事だ

フィート：ええ　でももう１つ・・　プレアは全身を何らかの方法で包み込まれて圧迫されると四散して絶命するわ　「飛び散る」って意味も含まれてるのよ

アレス：圧迫・・？そんな方法で・・・

フィート：原理を説明してもとても理解出来ないでしょうけど

アレス：・・・・・・・要は爆発みたいな要領か　プレアを構成しているチスェ菌とやらが一定の塊を成した状態で周囲から圧力をかけられるとプレア自身の体温が急速に高熱化して内部で膨張　破裂する　・・とかか

フィート：・・・・あんた　結構良いところに通ってるのね・・　ほぼその通りよ・・

アレス：今後の役に立たなければ忘れるつもりの事も多いがな

フィート：卒業したら　うちの助手になる？あんた

アレス：それは断る　・・・プレアを倒す武器のようなものがあるにはあるのか

フィート：・・・明日またここに来なさい　実際にプレアがどう倒されるのか見せてあげるわ　撃退機関搭載装置も口で説明するより良いでしょ

アレス：・・・何故だ　あんたはプレアから命拾いした人間を都度こんな風にもてなしているのか？

フィート：あんたが初めてよ

アレス：プレアを恨んで突撃しようとする人間なんていくらでもいるだろう

フィート：あんたが初めてよ！！少なくともリアルタイムで見たのは

アレス：っ・・・・

フィート：ほら　これあげるから

フィート　アレスにお菓子の詰め合わせの袋を渡す

アレス：・・・これは

フィート：さっきあんたを引き止めた時に買い物袋もほとんど台無しになっちゃったからそれぐらいしか渡せるもんがないけど・・

アレス：・・買い物中だったのか・・　・・・というかその量一人で食うのか・・

フィート：それをお詫びにする気なんてないわよ　アタシを無能呼ばわりする度胸に対しての褒賞ほうしょうとでも言おうかしら

アレス：フ・・・・天才ゆえの自信家っぷりか・・・　・・・・・ありがとう　ございます

アレス　袋を受け取り　帰宅