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ヤンキーアネゴと真顔少女の買い物【クリスマス編】
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ヤンキーアネゴ2人と真顔少女マイ達は最近、新装開店した大型スーパーの平◯堂に来ていた。車を駐車場に止め、お店に入ると中は広く、4階まで色んな店舗がならんで入っていた。天井も高く、イ◯ンに似た作りになっている。アネゴたちも久々に来たことでテンションが上がっていた。
「スゲェーなー!めちゃ広くなってんなー!」
クリスマスって事もあり、人がいっぱいで賑やかだった。
「凄いっすねーアネゴ!!!最後に来た時はここまで広くなかったすからね~。……ん?マイ?」
先頭を歩いていたマイが手を震えながら立ち止まった。スーパーと違い、人口密度も濃い環境だったのか、それに怯えていたのか、マイの手は震えていた。それに気がついたマキはそっとマイの正面にかがんで…マイの両手をギュッと両手で包んであげた。
「大丈夫っすよ!あっしらがいやす!人が多くて怖くなるのはなんとなくわかりやすよ…そりゃいきなりこんな人が多いところにきたらビビりやすしね!」
マキはマイの震える手が落ち着くまで優しく接した。
「たくよ。何にビビってのかしらねぇーけどよー。一般人じゃ俺たちには勝てねぇーからさ、大丈夫だぞ。それとも、ミナにさらわれた事でも思い出したのか?」
ミナついて再度説明。今年の夏にマイを保護し、初めてのスーパーの買い物でミナに誘拐された。なんとか情報を駆使し、なんとか犯人の家にたどり着き、マイを取り返す事に成功した。その後和解し、それからは円満な仲?になったのだが…。
「うん。大丈夫…」そう言うとマイの震えは止まった。
「はん。だったら少しは笑ったり、喜んだりしろよ。辛気クセェーなーもう」
「アネゴ…せっかくのイベントですし、そういうの言いっこなしにしやしょうよ!マイも成長してるんっすよ!震えも落ちついたようですし、じゃ~行きやしょうか!」
ちょっと微妙な雰囲気になりながらもマキはマイの手をつないで店内を歩き始めた。店内はクリスマス一色。広いエリアにはクリスマスツリーがあったり、壁にはたくさんの装飾品が飾れれていて、店内はきらびやかに装飾されて、人達が賑わっていた。
「どうっすかマイ!クリスマスって大体こんな感じっすよ!ちょっと人多いけど…みんなで祝って、美味しいもの食べて、ツリーを見て…、家族と楽しく過ごすっすよ~!」
「家族と…楽しく…」
(あ!しまったっす!!完全に地雷踏んだ気がするっすね…。どうしやしょうか…)
「はん。別に家族じゃなくても、誰かと楽しく過ごせればそれでいいんだよ。クリスマスなんてもんわな!」
「ア…アネゴ…。…いつもこのぐらい素直だったらいいんすけどねー」
「ああん!?どういう意味だ~!?コラァ!!」
「アネゴアネゴ!人ごみの中で大声はやめてくださいっす!」
「楽しく…」
アネゴの怒鳴り声で、周りから冷たい視線がアネゴ達の背筋を凍らせた。ただでさえ目立つ髪をしているのが余計に注目を浴びた。アネゴとマキは、急いでマイを抱えて人目のないところまで走ってその場から去った。人が多かったことが好してか、騒ぎにはならずに済んだ。それからアネゴ達はとりあえず、人気のない出入り口まで走りきったのだった。
「はぁ…はぁ…まったく…クリスマスに…走らせるなって…バカが…」
「あれは…はぁ…はぁ…アネゴが…悪いじゃ…ないっすか…」
「アネゴ、マキ…大丈夫ー?」
「あ…うん!大丈夫っすよ!もう回復したっす!でも…ちょっと落ち着いてから店の中に戻りやしょうか!」
「まったく…とっとと買って帰るぞ…。今の走りで大分疲れたぞ…」
「あ、今日はマイの服も買うので時間かかりやすよ~。クリスマスな~ので!」
「ああああああもう!聞きたくなかったぜ!!飯だけ買うだけかと思ってたのに…」
ちょっと休んでから店内に戻り、目立たないように、普通に子供用の服屋・靴屋を点々と歩きながら見て回った。
「色々な店があるっすね~。どんな服がマイに合いますかね~。アネゴ!アネゴ的にはどうっすか?」
「服なんてミナからもらえば、タダで似合う服が手に入るじゃねぇーか。わざわざ買う必要なんてあるか~?」
「もう…ミナさんからもらう服は全部コスプレ用じゃないっすかー。マイにも普通の服が必要だと思いやすがねー。やっぱりオシャレもさせたいじゃないっすか!マイとはもう半年近く、一緒に暮らしてやすしねー」
「はぁ…あのな…まだ4・5歳だぞ?逆に考えればオシャレをしすぎで面倒ごとに巻き込まれる可能性だってあるんだぞ?ミナみたいなのに…。これ以上の面倒ごとはごめんなんだぜ?」
「う…言われてみればたしかにそうっすね…。まぁでも今回は大丈夫でしょ!家着とちょっと外出用の服でいいですっから!まぁ、マイが可愛いのは仕方がないっすけどね!」
「お前は親バカか?」
「この際、親バカと言われても気にしないっすよ!あっしはマイのことが大~好きっすから!ねーマイ!」
「うん」
「ふ~ん。まぁ俺はまだこいつのこと信用したわけじゃねぇーけどな」
「アネゴ~ツンデレってヤツっすか?以外に可愛いこと言うっすね!!」
「おい。それ以上言ったら、まじでぶっとばすかんな???」
「すす、すいやせん!冗談です!!!」
そんなたわいのない会話をしながら色んな店を回り、マイ用の服を買ったり、自分たち用の服を買ったりして、店を歩き回った。するとマイは、とあるお店の前で立ち止まった。
「ん?マイ~どうしたんすか?」
「あれって?」
「あー絵っすね」
「…そうなんだ」
マイが見た絵は、砂浜と青い海に青い空と虹が描かれていた。絵屋の端っこ飾られていて、目立つようで目立たない感じに飾られていた。その絵をジーっとマイは見続けていた。
「あん?あの絵が気になるのかー?ふ~ん、たしかに綺麗な絵だが…」
「そうっすねー。まるで沖縄か天国をイメージするような絵っすね」
「まぁ、どこにでもあるような手書きの絵だ。とっととケーキとか色々買って帰るぞ~。荷物も重いしな…」
「了解っす!さ!マイも行きやしょうか!」
「うん」
車に向かう途中もマイはその絵が見えなくなるまでずっと見ていた。それに気づいたアネゴはマキとマイをさきに車に向かわせた。
「悪いがさきに車に戻ってろ。あとこの荷物も頼む。」
「おふ!わ…か…り…やした!!どうしたんっすか?」
「ちょっとな。深入りはなしだ。すぐ戻る」
「ぁ…わ!わかりやした!行きやしょう!マイ!」
「うん、私も手伝う」
マキとマイは荷物を持って、車に戻り、荷物を載せ、アネゴの帰りを車内で待った。10分後アネゴは小走りで帰ってきた。
「帰るぞ。家に荷物置いたらすぐに出かけるぞ」
「え?どこに行くんすか?こんな日に?」
「それも秘密だ。行けばわかる」
そう言うとアネゴはすぐに車を家まで走らせた。その後、家に着き、荷物をおろしたあとすぐにとある場所に車に走らせたのであった。
「スゲェーなー!めちゃ広くなってんなー!」
クリスマスって事もあり、人がいっぱいで賑やかだった。
「凄いっすねーアネゴ!!!最後に来た時はここまで広くなかったすからね~。……ん?マイ?」
先頭を歩いていたマイが手を震えながら立ち止まった。スーパーと違い、人口密度も濃い環境だったのか、それに怯えていたのか、マイの手は震えていた。それに気がついたマキはそっとマイの正面にかがんで…マイの両手をギュッと両手で包んであげた。
「大丈夫っすよ!あっしらがいやす!人が多くて怖くなるのはなんとなくわかりやすよ…そりゃいきなりこんな人が多いところにきたらビビりやすしね!」
マキはマイの震える手が落ち着くまで優しく接した。
「たくよ。何にビビってのかしらねぇーけどよー。一般人じゃ俺たちには勝てねぇーからさ、大丈夫だぞ。それとも、ミナにさらわれた事でも思い出したのか?」
ミナついて再度説明。今年の夏にマイを保護し、初めてのスーパーの買い物でミナに誘拐された。なんとか情報を駆使し、なんとか犯人の家にたどり着き、マイを取り返す事に成功した。その後和解し、それからは円満な仲?になったのだが…。
「うん。大丈夫…」そう言うとマイの震えは止まった。
「はん。だったら少しは笑ったり、喜んだりしろよ。辛気クセェーなーもう」
「アネゴ…せっかくのイベントですし、そういうの言いっこなしにしやしょうよ!マイも成長してるんっすよ!震えも落ちついたようですし、じゃ~行きやしょうか!」
ちょっと微妙な雰囲気になりながらもマキはマイの手をつないで店内を歩き始めた。店内はクリスマス一色。広いエリアにはクリスマスツリーがあったり、壁にはたくさんの装飾品が飾れれていて、店内はきらびやかに装飾されて、人達が賑わっていた。
「どうっすかマイ!クリスマスって大体こんな感じっすよ!ちょっと人多いけど…みんなで祝って、美味しいもの食べて、ツリーを見て…、家族と楽しく過ごすっすよ~!」
「家族と…楽しく…」
(あ!しまったっす!!完全に地雷踏んだ気がするっすね…。どうしやしょうか…)
「はん。別に家族じゃなくても、誰かと楽しく過ごせればそれでいいんだよ。クリスマスなんてもんわな!」
「ア…アネゴ…。…いつもこのぐらい素直だったらいいんすけどねー」
「ああん!?どういう意味だ~!?コラァ!!」
「アネゴアネゴ!人ごみの中で大声はやめてくださいっす!」
「楽しく…」
アネゴの怒鳴り声で、周りから冷たい視線がアネゴ達の背筋を凍らせた。ただでさえ目立つ髪をしているのが余計に注目を浴びた。アネゴとマキは、急いでマイを抱えて人目のないところまで走ってその場から去った。人が多かったことが好してか、騒ぎにはならずに済んだ。それからアネゴ達はとりあえず、人気のない出入り口まで走りきったのだった。
「はぁ…はぁ…まったく…クリスマスに…走らせるなって…バカが…」
「あれは…はぁ…はぁ…アネゴが…悪いじゃ…ないっすか…」
「アネゴ、マキ…大丈夫ー?」
「あ…うん!大丈夫っすよ!もう回復したっす!でも…ちょっと落ち着いてから店の中に戻りやしょうか!」
「まったく…とっとと買って帰るぞ…。今の走りで大分疲れたぞ…」
「あ、今日はマイの服も買うので時間かかりやすよ~。クリスマスな~ので!」
「ああああああもう!聞きたくなかったぜ!!飯だけ買うだけかと思ってたのに…」
ちょっと休んでから店内に戻り、目立たないように、普通に子供用の服屋・靴屋を点々と歩きながら見て回った。
「色々な店があるっすね~。どんな服がマイに合いますかね~。アネゴ!アネゴ的にはどうっすか?」
「服なんてミナからもらえば、タダで似合う服が手に入るじゃねぇーか。わざわざ買う必要なんてあるか~?」
「もう…ミナさんからもらう服は全部コスプレ用じゃないっすかー。マイにも普通の服が必要だと思いやすがねー。やっぱりオシャレもさせたいじゃないっすか!マイとはもう半年近く、一緒に暮らしてやすしねー」
「はぁ…あのな…まだ4・5歳だぞ?逆に考えればオシャレをしすぎで面倒ごとに巻き込まれる可能性だってあるんだぞ?ミナみたいなのに…。これ以上の面倒ごとはごめんなんだぜ?」
「う…言われてみればたしかにそうっすね…。まぁでも今回は大丈夫でしょ!家着とちょっと外出用の服でいいですっから!まぁ、マイが可愛いのは仕方がないっすけどね!」
「お前は親バカか?」
「この際、親バカと言われても気にしないっすよ!あっしはマイのことが大~好きっすから!ねーマイ!」
「うん」
「ふ~ん。まぁ俺はまだこいつのこと信用したわけじゃねぇーけどな」
「アネゴ~ツンデレってヤツっすか?以外に可愛いこと言うっすね!!」
「おい。それ以上言ったら、まじでぶっとばすかんな???」
「すす、すいやせん!冗談です!!!」
そんなたわいのない会話をしながら色んな店を回り、マイ用の服を買ったり、自分たち用の服を買ったりして、店を歩き回った。するとマイは、とあるお店の前で立ち止まった。
「ん?マイ~どうしたんすか?」
「あれって?」
「あー絵っすね」
「…そうなんだ」
マイが見た絵は、砂浜と青い海に青い空と虹が描かれていた。絵屋の端っこ飾られていて、目立つようで目立たない感じに飾られていた。その絵をジーっとマイは見続けていた。
「あん?あの絵が気になるのかー?ふ~ん、たしかに綺麗な絵だが…」
「そうっすねー。まるで沖縄か天国をイメージするような絵っすね」
「まぁ、どこにでもあるような手書きの絵だ。とっととケーキとか色々買って帰るぞ~。荷物も重いしな…」
「了解っす!さ!マイも行きやしょうか!」
「うん」
車に向かう途中もマイはその絵が見えなくなるまでずっと見ていた。それに気づいたアネゴはマキとマイをさきに車に向かわせた。
「悪いがさきに車に戻ってろ。あとこの荷物も頼む。」
「おふ!わ…か…り…やした!!どうしたんっすか?」
「ちょっとな。深入りはなしだ。すぐ戻る」
「ぁ…わ!わかりやした!行きやしょう!マイ!」
「うん、私も手伝う」
マキとマイは荷物を持って、車に戻り、荷物を載せ、アネゴの帰りを車内で待った。10分後アネゴは小走りで帰ってきた。
「帰るぞ。家に荷物置いたらすぐに出かけるぞ」
「え?どこに行くんすか?こんな日に?」
「それも秘密だ。行けばわかる」
そう言うとアネゴはすぐに車を家まで走らせた。その後、家に着き、荷物をおろしたあとすぐにとある場所に車に走らせたのであった。
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