サトリ系男子の憂鬱な日々

とりのこ

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 渋谷は俺をギュッと抱きしめて、耳たぶを食んだり首筋を舐めたりしてくる。今までは唇に軽くしかしたことなくて、そんなところに触れられるのすら初めてで、ぞわぞわと肌が粟立つような痺れるような感覚に襲われて変な声が出そうになるのを我慢していた。

「っ……ふ、…ぅ……」
(感じてるのか……?もっと良くしてやりたい……)

 感じてる?これ、感じてるのっていうのか?気持ちいいよりくすぐったいの方が感覚には近い気がするけど……。

「安達、触っていいか?」

 渋谷の懇願するような声に観念するしかないと、コクンと頷くと、「ありがとう」と優しくキスされた。  

 ベルトを外して、ズボンのファスナーをゆっくりと下ろされる。この状況に少なからずとも興奮してしまっている俺のペニスはすでにパンパンに膨らんでいてファスナーを下ろす手がかすっていくだけでピクンと身体が跳ねてしまう。

(安達も興奮してるのか……少し当たるだけでピクピクしてかわいい)

 う……くそ、実況すんな。
 俺が勝手に読み取ってるだけなのに理不尽に八つ当たりしたくなる。それほど恥ずかしい。

 渋谷はもう俺の股間をガン見していて目を離さない。俺も何だかその様子を釘付けになって見てしまっていた。

 ファスナーを下ろしてズボンを寛げられると履いていたボクサーパンツには濃いシミができていた。

「……濡れてる」
「っ……ぁっ」

 パンツの上から濡れているソコ…ちょうど亀頭の部分を人差し指でグリッと押されて思わず声が漏れてしまった。

「気持ちいい?」
「ちが、急に触るから……っ」 

 俺が喋ってる間にもグリグリ押してきて反応を見られている。

(はぁ……かわいい。こんなにちんちん大きくして先っちょ濡らしてんのに気持ちよくないわけないだろ)

 聞こえてきた渋谷の心の声に恥ずかしさから身体中の熱が顔に集まってくる。

 渋谷はパンツの上からなおも亀頭の割れ目をグリグリしたり、竿を摩ったりして俺のペニスをいじりながらキスしてくる。
 キスも舌を絡ませることにだんだん慣れてきてくちゅくちゅと濡れた音を立てながら口の中を犯されるように貪られた。

(安達……気持ち良さそうな顔してる。こんなすぐトロトロになって、エロい顔して、堪んない……)

 そんなこと考えるなよ。恥ずかしい。
 渋谷は視線でも犯すように俺を眺めていやらしいことを考えてる。それが筒抜けだから余計に恥ずかしくて、それがまた快感に変わって頭がおかしくなりそうだ。パンツのシミはどんどん広がってこのままじゃ使い物になりそうにない。

「ぁ……っ、渋谷っ、このままだと、パンツ汚れるっ」

 渋谷の胸を押すと唇が離れたので、そう訴えると渋谷の手が漸く止まった。

「すまん、だいぶ汚してしまったな」
「……そういうこと、言うなよ」
「脱がせてもいいか?」
「ん……いいけど、渋谷は?渋谷も脱いだ方がいいんじゃないの?」

 渋谷の股間を見ると、もうすでにはちきれんばかりに膨らんでいた。

「俺も渋谷の擦ってやるよ」
「っ……急に触らないでくれっ」

 ズボンの上からそっと撫でるとビクビクと震えて可愛らしいと思った。なんだ、渋谷も俺と一緒じゃん。俺ばっかり恥ずかしい思いをするのはずるい。

「な、一緒にしよ?」

 渋谷のソコを撫でさすりながらそう言うと、渋谷は顔を真っ赤にさせて俯いてしまった。

「~~~っ、安達、誘い方がいやらしい」
「なっ、なんだよ。さっきまで渋谷が俺にしてたことの方がよっぽどエロいじゃん。いいからさっさと脱げよ」

 ちょっと逆ギレ気味に返すと、苦笑しながら「分かった分かった」とズボンの前をくつろげ始めた。ベルトを外してファスナーを下げてパンツをずらしてボロンと出てきたそれは、……結構な大きさだった。

「お、大きいな……」
「他人と比べたことないから分からないが……大きいか?」
「うん。まあ俺も比べたことなんてないけど…大きいんじゃないの?」
  
 勃起したペニスなんて他のやつと比べることなんてないから分からないけど、少なくとも俺と比べるとでかいよなぁ。
 さっき渋谷にやられたように亀頭に指を這わせてみた。先端からはぷっくりと水滴が溢れてきていてそれを指でクリクリと円を描くように亀頭全体に塗り広げた。

「ぁっ……っ」
(触り方がいやらしすぎるっ……!)

 何言ってんだよ。お前と同じことしてんのに。お前の方がやらしいんだっつーの。
 あぁ……でもなんか、触り慣れた感触なのに自分のじゃないからなのか、触ってるだけで興奮してくる。プニプニと柔らかい亀頭に塗り広げた蜜がぬちょっと粘っこく糸を引いていやらしい。柔らかさを感じるソコとは違って竿は硬く反り勃って青筋が浮いている。シコシコと上下に擦るとまた硬さを増してまるで違う生き物みたいでいつの間にか夢中になって扱いていた。

「あ、安達っ、俺も触りたい」
「うん……」

 渋谷が俺の下着をずらして直接触ってくる。スポーツなんかやっていない俺と違うゴツゴツした男らしい大きい手は熱を持って熱くてその手に直接包まれると今すぐ射精してしまいそうな快感が込み上げてくる。

「ふ……ぅ、きもちっ……」
「俺もっ……」
「しぶたにっ」
「ん……」

 名前を呼んで見上げると、唇を塞がれる。舌を絡ませながらお互いのモノを扱きあって、それがめちゃくちゃ気持ちいい。腰も自然に揺れて快感を拾うのに必死になっている。
 学校のトイレで、授業ももうすでに始まっているだろう。いけないことをしてるんだっていう背徳感が余計に己を昂らせた。

(安達の手も舌も全部気持ちいい、気持ちいい……かわいい、やらしい……夢みたいだ……)

 渋谷の方がやらしいよ……あぁ……きもちいいきもちいぃ……も、ダメ…イきそうだ……

「んぁ、しぶたにっ、おれ、もイきそっ、はなしてっ」

 制服が汚れるから便器に出したくて離せと言うのに渋谷は俺のペニスをシュッシュと擦り続けて離してくれない。

「手で受け止めるから大丈夫。このまま出して」
「えっ、やだ、あ、……く、いくっ…!」

 自分のことでいっぱいいっぱいになった俺は渋谷のペニスから手を離してシャツにしがみついてビクビクと小刻みに震えてイってしまった。
 気持ち良すぎて腰を前に突き出して渋谷の掌に押しつけてしまう。渋谷は服が汚れないように器用にその大きな手で俺の精液を受け止めた。その光景がとんでもなく淫靡で溜まってたわけでもないのにドクドクといつもより多く射精してしまった。

「たくさん出たな。……気持ちよかった?」
「っ!ばか、聞くな……!」
「ははっ、赤くなってかわいい」

 笑いながらトイレットペーパーで手を拭いてそれを流した。その間に俺も身なりを整える……が、

「……お前のソレ、どうすんの?」

 渋谷のペニスはまだ丸出しでギンギンに勃起したままだ。落ち着いて見ると、まあ間抜けな格好である。俺が股間に注視していることに気付いた渋谷は手を拭き終わるといそいそとパンツを履き直し始めた。

「えっ、ああ、俺は安達がイくとこ見れて満足だから落ち着くまで待つからいっ!?」

 俺だけイかせて満足?ふざけんなよ。俺だけ恥ずかしい思いするとか不公平じゃん。
 渋谷が言い切る前に渋谷のペニスをガシッと掴んだ。

「今度は俺がイかせてやるよ。どうせもう教室戻るつもりないだろ?時間はあるし俺に任せろ」

 俺が満面の笑みでそう言うと、渋谷は顔を赤らめて「お願いします……」と呟いた。



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