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先生
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しおりを挟む「…俺、彼氏?」
座り込んだ床から、困ったような顔の光彦を見上げる。
「……すみません…」
「いや、いいよ」
「…あんな事があったら……一緒にはいられないかなって…」
緊張で痺れたように震える手を見つめると、一気に涙で視界が歪んだ。
「……小田切…」
「…っ……すみませ……」
「相手は…男?」
膝を折り、優しげな笑みを浮かべて光彦が尋ねる。
「あ…あの……っ」
男同士が、世間一般に受け入れられないのはよく理解している。
レイプの被害者としてならともかく、交際ともなればそれは合意だ。
白い目で見られても仕方がない。
「ち…ちが……」
「そいつはどうして、小田切を守らない?」
「……違うんです…」
首を振るが、眼鏡の奥の切れ長な目に見つめられてうつむいた。
「恋人なのに、守ってくれないのか?甲斐性のない…」
「違うっ!」
光彦の襟首を掴み、涙の滲んだ目で睨みつける。
「威は守るって言ってくれたんだ!でもあんな事されて……っ」
自分が教師の襟を掴み上げているのに気づき、慌てて手を離す。
「あいつを汚したくないんだ……」
そう葉人は苦しげに呟いた。
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