放課後教室

Kokonuca.

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嘘2

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「…いいな。その目」 

 そう言いながらペロリとした舐めずりをする司郎から、葉人はぱっと目を逸らして後ずさる。 

「あの………オレ、用事があるんで…」 

 走り出そうとした葉人の背中に、司郎の声が届く。 

「化学室には行かないってさ」 

 じゃり…と足元で砂が音を立てるのを聞きながら振り返ると、壊れた携帯を弄びながらこちらを見てニヤリと笑った。 

「あいつチキンだからな、なんか変な感じがするって慌ててたぜ?」 

 携帯をいじる度、ぎしぎしと嫌な音が聞こえてくる。 
 動けなくなった葉人に近寄り、からかうように問いかけた。 

「何しようとしてた?誰のイレヂエだ?……化学ってことは…羽鳥か」 

 がちんっと音がして、手の中の携帯が真っ二つになる。 
 パラパラと、地面に落ちていく欠片を目で追って下を向く。 

「それ…は…っ……」 
「確かあの時、邪魔したのはあいつだったな……ふぅん…」 

 眉を上げ、舐めるように葉人を見やる。



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