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嘘2
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しおりを挟む熱い塊が口の中で脈打った瞬間、それは引き抜かれて顔に熱い飛沫を放つ。
「ぁっ…っ!!」
ぶるりと体を震わしながら、最後の一滴まで葉人に掛けると、司郎は満足そうに呆然としている葉人を見下ろした。
顔から、白い喉に掛けて垂れた精液は、そのまま赤く色づいた突起のある胸の上へと零れていく。
葉人の手が、それを掬い取ってぺろりと舐めた。
「……」
まるで猫が顔を洗うかのように、指先で掬っては美味そうにぺちゃぺちゃと舌で舐める葉人の様子を見ながら、煙草に火をつける。
名残惜しそうに最後の一滴を舐め取ると、葉人はフェンスにもたれる司郎をゆっくりと見上げた。
「…おい?」
唾液と精液に艶かしく光る唇が、司郎に声を掛けられて妖しく歪む。
「ハナトっ!」
ガシャンッ
司郎がフェンスに向かって振り上げた拳の音で、葉人ははっと目を見開く。
「…ぁ……あの…」
「そんなに俺のセーエキはウマイか?」
さっと頬を朱に染め、葉人はぶんぶんと首を振る。
「ふぅん?まぁいい、早めに携帯用意しろよ」
煙草を揉み消して階段へと向かう司郎に、葉人はそっと言葉を掛けた。
「先輩…………フェネクスが持ってるデータのこと…お願いします…」
にやにやと笑いながら、司郎が振り返る。
「司郎だ。し・ろ・う!」
そう言ってけらけら笑うと、司郎は校舎の中へと姿を消した。
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