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放課後の教室で…
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しおりを挟む「…っ!なんの事か分からないって言ってるだろ!俺はお前を笑ったりしたことなんかないっ!!」
「嘘つき嘘つき!火宮が言ってたもんっ!あんたたちが私を笑ってたって!フラれて落ち込んでるの見てクスクス笑ってたって!!」
体格差もあると言うのに、亜矢子は威を押し切るように暴れ腕を振り回す。
「俺達はお前を笑ったりなんかしてない!!火宮の嘘だ!」
「なんでよ!?火宮が嘘言う必要がないじゃない!!」
違う…と言おうとしたのを威が視線で止めた。
「あ…っ…」
ビッ
切っ先の触れたシャツが鋭い音を立てて破れる。
よろけた威の胸に赤い染みが浮かび上がった。
その瞬間…わずかに亜矢子が怯みを見せ、遠くから教師の怒声が響いてくるのが聞こえた。
「お前たち!!何やってるんだっ!」
「…っ………」
僅かに顔をしかめた威がぎろりと亜矢子を睨みつける。
物言いたげなその目が亜矢子を睨らんだ瞬間、教師が駆け寄ってきた。
「おい!何を…っ!」
「───っ、い、ぃやああああぁぁぁぁっ!!」
教師に取り押さえられた亜矢子の悲鳴とカッターナイフの落ちる音が、葉人の耳の奥にこびりついた離れなかった。
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