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しおりを挟む「 いや、でも、先輩お付き合いしてる人、いっぱいいるじゃないですか」
「全員に振られてるけどな」
そうだった。
触れてはいけない部分に触れてしまった焦りで、背中が汗でびっしょりになった。
「そ でしたね」
気まずいけれど、何か言わないと始まらない。
いつもいろいろな人に軽く声をかけて付き合っている小林だから、僕にもその延長で声をかけたのかもしれない。
恋人がいない後輩を気遣ってくれたんだろう。
「あの二人に当てられちゃいました? あは 小林先輩もそうやって冗談言うんですね」
「ち、違うって!」
掴んだままだった手を引っ張られ、よたよたと真横に並ばされた。
「お前、やっぱり鈍い」
「いきなりひどいです!」
「だからはっきり言うからな、聞けよ」
何事かと息を止めて構える僕の両肩を掴み、小林は一気に息を吸い込んだ。
「三船が好きだから、恋人として付き合って欲しいっ!!」
叫ばれた言葉が他の人に聞かれたら……なんて心配する余裕はなかった。
押さえられている肩が痛いだとか、
顔が真っ赤だとか、
ちょっと涙が滲んでるとか、
ショックで脈拍数がおかしいな とか、そんなことばかり考えてた。
逃げ道のない言葉からどうやって逃げ道を見つけようかと、頭の中はぐるぐると高速で回っている。
「僕、 あの、僕 」
「 返事は、別に今じゃなくて、いいから」
肩の手の重さがなくなり、軽さにほっと息を吐く。
「 わかりました。ただ……先輩はやっぱり先輩で、そんな風に見たことがないので 」
つい出てしまったのは断るための常套句で。
無意識に出かけたその言葉に戸惑った。
なぜ?
あれほど望んでいた、自分に興味を持ってくれている人が現れたと言うのに。
「わかってる。よく考える三船らしいと思う。でも、そうやってよく考えて、俺の見え方が変わってくれたら嬉しいと思うから お願いします」
直角に頭を下げて差し出された右手は、反応があるまでこのままじゃないかと思わせる力強さで。
仕方なく指先でちょんと触れた。
「 あの、善処してみます」
固くなってしまった返事に笑われながら手を絡め直され、「曲がり角まで繋いでて」と真っ赤な顔の小林に言われ、小さく頷き返した。
エレベーターから出ると、会社には似つかわしくない小さな子供がこちらを見た。
「え!?」
迷い込むような場所じゃない。
ばっちり合ってしまった視線の為に、無視もできずに近寄った。
小さな背丈は……比較に出来る子供を知らないので年の判別はできないけれど、小学生だと言うには小さすぎる気がする。
利発そうな顔で、こちらを警戒しているのかじぃっと見詰めてくる。
「君、ここでどうしたのかな?」
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